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変幻自在のギター・テクニックと、他に類をみない曲作り。音楽フリークの好奇心を刺激し続ける鬼才、エイドリアン・ブリューが待望のブルーノート東京再登場を果たす。フランク・ザッパやデヴィッド・ボウイのバンドで頭角を現し、トーキング・ヘッズでの活動を経て、’81年にはキング・クリムゾンに参加。それと並行してソロ活動も軌道に乗せ、昨2009年には“エイドリアン・ブリュー・パワー・トリオ”名義によるアルバム『e』を発表した。今回は1日1ショウのスペシャル・プログラムによるステージ。ナイン・インチ・ネイルズ等、後進アーティストからも限りないリスペクトを受けるエイドリアンの神技を、指使いの見える至近距離で満喫したい。
●ギターとヴォーカルのエイドリアン・ブリューは、1949年12月23日、ケンタッキー州コヴィントンの生まれ。本名は、ロバート・スティーヴン・ブリュー。「エイドリアン」は小さい頃から憧れの名前で、地元のカヴァー・バンドに入った’70年頃から名乗り始めた。楽器の手始めは、中学のマーチング・バンドでのドラム。次にビートルズを聴いてギターや作曲も始めるが、プロの道に進んでからもドラマーのスキルを磨いていく。下積み生活から抜け出したのは’77年、ブリューのギター・プレイに目を留めたフランク・ザッパに呼ばれ、見事オーディションに合格。ザッパの全米ツアーに起用されることで光を呼び込む。次にブリューに惚れ込んだのが、グラム・ロックでひと旗上げたデヴィッド・ボウイ。するとボウイのネットワークからブライアン・イーノやロバート・フリップが顔を出し、人脈の輪が一気に拡張。ボウイのツアーをサポートすると、イーノが押し出し中の“トーキング・ヘッズ”に加入し、その別働隊の“トム・トム・クラブ”でも活躍。前者ではジャズ・ファンの視線の前にも立つことに。そして、フリップとの親交を深めた’81年、新生“キング・クリムゾン”のレギュラー・メンバーに着任、アルバムがわずか3枚の短命なフェイズに終わるものの、大胆不敵なプレイでバンド・コンセプトを支え、「“クリムゾン”とエイドリアン」の構図を世界に印象づけている。その一方、“クリムゾン”の活動に平行して制作したソロ・デビュー作『ローン・ライノウ』を’82年にリリース。それまで歩んできた異端の道程と、ビートルズとの出会い以来のポップ・センスを巧みに調合したうえ、動物の鳴き声を真似たギターで好奇の目も集めた。この反響から、日本のTVコマーシャルにギターを持って自ら出演。「ギターで動物の鳴き声を奏でてみたい」のシリーズ数編は、今もファンには欠かせぬ語り草。翌’83年のセカンド『僕はいつもギター少年』でも、“ビートルズ”ソングをカヴァーするなど同様の試みに傾注し、独創のギタリズムに磨きをかけながら「守るより攻め」のマナーを鍛え上げていく。’80年代中盤に自身のグループ“ベアーズ”を結成し『夢のしっぽ』を発表。80年代末はレコード会社を移籍し、『Young Lions』でデヴィッド・ボウイと共演するほか、ソロ活動にも集中。危ないスタイリッシュを自家薬籠中のものにしたところで、’90年代は再び“キング・クリムゾン”復活の枢軸を担う。それを機にロバート・フリップのレーベルから、ギター・スキルを総動員した『Guitar As Orchestra』や、アコースティック路線の『Acoustic Adrian Belew』を発表。さらには“ベアーズ”の再編でも脚光を浴びてきた。個人名義の最新作は『Side Four Live』とDVDの『Live In Germany』、“ベアーズ”名義は『Eureka』。ブルーノート東京に出演するのは、’07年7月以来待望3年ぶり。オフィシャル・サイトは「http://www.adrianbelew.net/」と「http://www.thebearsmusic.com/」。
ADRIAN BELEW POWER TRIO
エイドリアン・ブリュー・パワー・トリオ
2010 7.24sat.-7.27tue.
7.24sat.-7.25sun.
Open4:30p.m. Start6:00p.m.
7.26mon.-7.27tue.
Open6:00p.m. Start8:00p.m.
※本公演は1日1ショウのみ
Adrian Belew(g)
エイドリアン・ブリュー(ギター)
Julie Slick(b)
ジュリー・スリック(ベース)
Marco Minnemann(ds)
マルコ・ミンネマン(ドラムス)
¥8,400(税込)
●Duet with DAVID BOWIE
●TALKING HEADS
●KING CRIMSON
●かつて出演した日本のTV CM1
●かつて出演した日本のTV CM2