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ニュー・アルバム『シックス・ストリング・セオリー』でB.B.キング、マイク・スターン、ジョージ・ベンソン、布袋寅泰らと共演。壮大なギター・サミットを繰り広げたリー・リトナーが、ギタリスト生活50周年を記念したスペシャル・ライヴを行なうことが決定した! ’60年代からロサンゼルスの音楽シーンで活動し、‘77年にジェントル・ソウツを結成。情感豊かなプレイで世界中のファンを魅了する一方、プロデューサーとしても意欲的な活動を続けている。今回の公演には、メイシオ・パーカーやジョシュア・レッドマンとの共演で知られるピアノ/オルガン奏者、ラリー・ゴールディングスを起用。コンテンポラリー・ジャズ〜フュージョン界を牽引し続けるリトナーの、ネクスト・ステップを見届けたい。
LEE RITENOUR "6 STRING THEORY"
-50th Anniversary Celebration-
リー・リトナー “シックス・ストリング・セオリー”
-50th アニヴァーサリー・セレブレイション-
2010 9.23thu.-9.27mon.
9.24fri.,9.27mon.
[1st] Open5:30p.m. Start7:00p.m.
[2nd] Open8:45p.m. Start9:30p.m.
9.23thu.,9.25sat.-9.26sun.
[1st] Open4:30p.m. Start6:00p.m.
[2nd] Open8:00p.m. Start8:45p.m.
※2010年9月以降、土日祝の1st show開場時間が
4:30p.m.に変更になります。
Lee Ritenour(g)
リー・リトナー(ギター)
Larry Goldings(org)
ラリー・ゴールディングス(オルガン)
Melvin Lee Davis (b)
メルヴィン・リー・デイヴィス(ベース)
Sonny Emory(ds)
ソニー・エモリー(ドラムス)
¥8,400(税込)
1970年代からフュージョン〜ジャズ・シーンを牽引してきた名ギタリスト、リー・リトナー。彼がニュー・アルバム『シックス・ストリング・セオリー』を発表したのは記憶に新しいが、そのアルバムにはまた別の意味合いもあった。それが、彼がギタリスト生活50年を迎えた、ということだ。早速、電話で話を聞いた。
「そうなんだ。僕は1960年の8歳の時にギターを弾き始めたから、今年でちょうど50年なんだよ。でも、それって僕の年が判るということでもあるけどね(笑)。僕は、かなり音楽的な家系に育っているんだよ。まず、父親がピアニストだった。プロになろうとすればなれたとも思うんだが、彼の両親がそれを許さなかったのでプロになることは諦めたんだ。でも僕の祖母もピアノを弾いていたし、遡れば南北戦争でトランペットを吹いていたという祖先までいるんだよ。結構、凄い家系でしょう?(笑) 僕がギターを弾き始めた頃というのは、テレビではカウボーイのドラマが全盛でね。まずはそんなカウボーイ・ソングを弾くことから始めたんだ。ロイ・ロジャースとか、そんなヒーローがいたよね?同時にフォーク・ミュージックもブームだった。そして、やはり時代はプレスリーなどの頃だから、ギターを弾きながら歌う国民的な英雄が何人もいたね。そう、ロックンロールさ。ボ・ディドリーとかチャック・ベリーとか。そこにイギリスからビートルズやローリング・ストーンズ、それにジミ・ヘンドリックスなどが出てくるんだ。もう、ありとあらゆるギターのスタイルが登場するんだよ。決して飽きるということが無かったね。でも、最初に僕が影響を受けたと言えるのは、ウェス・モンゴメリーかな。あのね、家の近くに何軒かのジャズ・クラブがあってね。そこに、父が僕のことを連れて行ってくれたんだ。そこでウェスとかビル・エヴァンス、ケニー・バレルとかを見たんだよ。だから、かなり小さな頃からジャズ・ミュージックに親しんでいたことになるんだ。あれは良い経験だったね」
今回のアルバムも、実に凄いですね。多数のギタリストがゲストとして参加しました。ジョージ・ベンソンやB.B.キング、スティーヴ・ルカサーにスラッシュ、それに日本から布袋寅泰まで加わっています。
「そうなんだ。とにかく苦労したんだけど、構想だけで1年掛かっているんだよ。僕のギター50周年を祝う内容にしたかったし、ありとあらゆるタイプの音楽が一枚のアルバムに収録されているような、そんな作品にしたかったんだ。ジャズとかロック、ブルースにアコースティック、カントリーとか、そんな音楽が総て入っているような、ね。で、例えば去年のスイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルに出た際に、一緒に出ていたB.B.キングやらジョージ・ベンソンなどに直接交渉して、参加する承諾を貰ったんだよ。また別のフェスで一緒になったジョン・スコフィールドにも交渉したり、とかね。布袋サンは、前に僕がブルーノート東京に出た際に彼が見に来てくれて、ブルーノート東京のスタッフが僕に紹介してくれたんだ。その段階で、僕は彼が実に優れたロック・ギタリストであるということを知っていたし、とても素晴しい男だった。でもそこですぐにアルバムへの参加を依頼した訳では無くてね。彼に参加をオファーしたのはそれから6〜7ヶ月後のことなんだ。彼はスタジオでも非常に優秀で素晴しかったな。仕事もやり易かったよ。だから、ブルーノート東京に出ていなかったら、彼の参加は無かったということだね(笑)。とにかく、ギターという楽器と、それを使った音楽が、今までに成し遂げてきた進化や変化といったものを一枚のアルバムの中で表現したかったんだ」
今回のブルーノート東京でのライヴは、どんな感じになりますか?
「とてもスペシャルなものになるだろうね。僕と一緒にブルーノート東京に出演するのが初めてというアーティストがいてね。それがオルガンのラリー・ゴールディングスなんだが、そもそも彼は今回の僕のアルバムにも参加してくれている。彼は大変に優秀で素晴しいプレイヤーだ。それから、ドラマーのソニー・エモリーだな。彼は前にはアース・ウィンド&ファイアーとかデヴィッド・サンボーンとかとも一緒にプレイしてきたヴェテランで、僕ともプレイしていたんだが、今回はとても久し振りに一緒に演奏してくれることになってね。僕も非常に楽しみなんだ。そしてベースにはメルヴィン・リー・デイヴィスというライン・アップだから、これは見ものになると思うよ。ラリーと最初に会ったのは、彼がジョン・スコフィールドとプレイしている時だったか、あるいは彼自身のグループでの演奏だったかは覚えていないんだけど、とりあえず挨拶だけはした、という感じでね。でもその後、色々な人に『リー、君はラリーと一緒に演奏すると良いよ』とアドヴァイスされてね。その頃は彼はニューヨークに住んでいたんだが、ロサンジェルスに移ってきて、それからは僕としては彼を誘い易くなったという訳だ。今回のアルバムでも、バックに強固なオルガンのサウンドが欲しくなってね。そこで彼に参加をオファーしたんだが、これが最高だった。彼のプレイは、今回のアルバムにはベスト・マッチだったんだよ!」
あなたの、ブルーノート東京でのライヴは、毎回がスペシャルですね。いつも趣向を凝らして、例えばシンガーをフィーチャーしたり、スペシャルなプログラムで見せてくれたりとか、毎回新鮮です。
「そうかな?そうであろうと思っているんだけどね。とにかく、僕はブルーノート東京に集ってくれる音楽ファンが大好きで尊敬もしているんだ。実に熱心に聴いてくれるしね。そして今回は、勿論ニュー・アルバム『シックス・ストリング・セオリー』をフィーチャーして、そこから何曲もプレイすることになると思うんだけど、一緒に懐かしいナンバーも演奏しようと思っているんだよ。それこそ、'70年代の曲とかをね。だから、今までの僕のプレイを見てくれた人達にも、是非とも見に来て欲しいんだ。絶対に楽しくて面白いショウにするよ!」
あなたは、プロとしてデビューして以来、ずっとスーパースターであり続けていますよね。その秘訣は何でしょう?
「そうだなぁ……。とにかく、僕はレコーディングが大好きで、ライヴのショウも好きなんだ。それに、他の人達と一緒にプレイすることも大好きでね。まるで、無料でレッスンを受けているようなものだろ?(笑)僕は幸せなことに非常に良いポジションにいると思っているよ。昔から、例えばデイヴ・グルーシンのような人達と一緒にプレイできてきたしね。とにかく、昔から僕はアルバムを作る際に必ず何かチャレンジとなることをしようと思ってきた。今回の『シックス・ストリング・セオリー』は特にそうだね。僕の今までの作品の中でも最大のチャレンジだったとも言えると思うな。いつも何かにチャレンジしていたい。そう思っているんだ」
本当にあなたは謙虚ですよね。そして、いつもフレッシュです。
「そうかい?そこも、そうであろうと思っているけどね。それに常に何かを学ぶ姿勢を忘れちゃいけないとも思っているんだ」
では、あなたにとってジャズとは何でしょう?
「ジャズ?う〜ん……(と、深い溜息)そうだなぁ、ジャズっていう音楽は常に変っているし、成長しているし、同じところに留まっている音楽では無いよね。それに、インプロヴィゼイションの音楽でもある。僕はインプロヴィゼイションが大好きだから、それをすることが好きでジャズをプレイしているとも言えるかな。僕にとっては、ジャズという言葉とインプロヴィゼイションという言葉は同じような意味を持っているんだよ。僕は今までに、デイヴ・グルーシンとかクインシー・ジョーンズとか、実に多くの偉大なアーティストと仕事をさせて貰ってきた。それはとてもラッキーなことで、実に多くのことを学んできたと思う。でも、誰と一緒に仕事をしても、学ぶところは多いんだ。それがたとえ僕よりも若い世代のアーティストであっても、彼等から学ぶことは多いんだよ。常に学ぶ姿勢を忘れず、自身をフレッシュに保ち、チャレンジすることを忘れない。そこが、僕にとって大事なことかな。そんな、今の僕の集大成がニュー・アルバム『シックス・ストリング・セオリー』であり、今回の僕のブルーノート東京でのショウなんだよ!」
Lee Ritenour
http://www.leeritenour.com
Larry Goldings
http://www.larrygoldings.com
Melvin Lee Davis
http://www.melvinleedavis.com