[ シャンパン ]
ブルーノート東京の新しいハウスシャンパン、シャルル・エドシックを27年のご愛顧に感謝してプレゼント!
[ アミューズ ]
鱈のブランダードと白子のシガレット グリビッシュソース
[ 前菜 ]
オマール海老とナスのガトー 帆立貝 パッションフルーツのヴィネグレット
家内につきあい、クラシックのコンサートに出かけると、悩みはいつも食事のこと。開演前に満腹だと、厳かな旋律についウトウトしかねない。短い休憩時間に食事をしている暇はなく、終了後、近くの飲食店は同じコンサートの客が詰めかけ慌ただしい。もちろん、演奏中の飲食は厳禁だ。その点、「ブルーノート東京」は融通が利いて、うれしいばかり。開演前や演奏後のみならず、食事を楽しみながら演奏に耳を傾けることさえ許される。私なら開演前、センターペアシートでゆっくり腹ごしらえしてから、演奏に聴き入ることだろう。心を揺さぶられるソウルフルな歌声が聴こえてくれば、いくら周囲が暗くなろうと船を漕ぐような真似はせず、家内からひじ鉄をくらうこともない。
ブルーノート東京の27周年に合わせたスペシャル・ディナー・コースには、シャルル・エドシックのシャンパンがグラスで1杯プレゼントされるという。このシャンパン、食前に飲み干してしまうには惜しいほどの力強さだ。春巻き状に揚げたブランダードと白子のクリスピーな食感や香ばしさにもよく合い、前菜のオマール海老とナスのガトーとも、互いの力強さが見事に引き合う。メインのサーロインステーキには渋みのしっかりした赤ワインを1杯頼み、演奏が始ったら、あのシャンパンにもう一度帰ろうと思う。弾ける気泡と長く続く余韻がドラムのビートに呼応する。
シャンパンが新しい顔ぶれに
ブルーノート東京の新しいハウスシャンパンに選ばれたのはシャルル・エドシック。1851年、ランスに創業した由緒正しきシャンパンメゾンである。創業者のシャルル=カミーユ・エドシックは、シャンパンの新たな市場を開拓するためアメリカに渡り、プロモーション活動を展開。「シャンパン・チャーリー」のニックネームで親しまれ、その波乱万丈の生涯はヒュー・グラント主演で映画化されたほどだ。 リザーヴワインの高い比率と60ヶ月を超える長期瓶内熟成がもたらす複雑で力強い風味は、ブルーノートの大人な雰囲気によく馴染む。
[シャルル・エドシック] ※価格は税サ込
(左)ブリュット レゼルヴ Glass ¥2,079/Bottle (375ml) ¥8,316/Bottle (750ml) ¥13,068
(右)ロゼ レゼルヴ Bottle (750ml) ¥17,226
photo = Jun Hasegawa, text = Tadayuki Yanagi
柳 忠之(やなぎ・ただゆき)
ワインジャーナリスト。近くは山梨から遠くは南米チリまで 世界中のワイン産地を飛び回り、専門誌ばかりではなく、「東京カレンダー」「GOETHE」「Men's Club」などの一般誌にも、ワインにまつわる記事を寄稿。