BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/01

2009/01/31

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , CHRISTIAN SCOTT - - report : CHRISTI...

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クリスチャン・スコットが自身のグループで遂に来日しました。

過去「ブルーノート東京」にはソウライヴのホーン・セクションとして出演していますし、マッコイ・タイナー・トリオのゲストとして登場したこともあります。この2バンドと共演し、存在感をアピールしたというだけでも、クリスチャンの幅広い適応力がわかろうというものです。
が、今回は、自身のグループでの上陸です。「自分の音楽をやりに」、来たのです。

これまでの来日では、ひとりのトランペット奏者に徹してベストを尽くせばよかった。しかし今回はトランペッターとしてはもちろん、バンド・リーダー、作曲家、編曲家、音楽監督として体を張らねばならないのです。
楽屋からステージに向かう途中、クリスチャンは何度も武者震いしたのではないでしょうか。
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演奏は、‘迫真’という言葉がふさわしいものでした。
いわゆる、テーマ→アドリブ→テーマという展開ではありません。ドラムスが一定のリズムを刻み、そのうえでソリストがアドリブをとる、というものでもありません。演奏の様相が刻々と変化しているのにもかかわらず妙なる統一感があり、時おり曲やメンバーの紹介はあるものの、ワン・セットがひとつの組曲になっているように感じられました。

ものすごい気合いです。メンバーの誰もが全身全霊をこめて、音楽に立ち向かっています。最初から最後まで徹底してガチでぶつかってきます。彼らのプレイに没頭しているうちに、ぼくは、思いっきりおなかがすきました。エネルギーにあふれる音楽は、聴く側にもエネルギーを求めます。これからクリスチャンのライヴを体験される方は、余裕を持って早めにご来店して腹ごしらえされることをお勧めいたします。

とにもかくにもぜひ実際のステージを接していただきたい、ぼくの願いはそれに尽きるのですが(あと2日あります)、まさしく今を進行するジャズをクリスチャン・スコットは聴かせてくれました。こういう音が日本で味わえて、しかも多くのリスナーから拍手を浴びているという事実に触れて、ぼくは思わず心の中でガッツポーズをとりました。


ところでクリスチャンは2008年夏、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」に自身のグループで出演しています。1958年、このジャズ祭で若きマイルス・デイヴィスが演奏しました。それから半世紀経ったことを記念して、主催者側はクリスチャンにマイルスにちなんだ曲を演奏してはどうかと提案したそうです。しかしクリスチャンはこれを断り、「最新の自分の音楽」を展開しました。それこそが、常に未来を追い求めていた帝王マイルスへの最高の献花である、といわんばかりに。
久しぶりにジャズ界に鼻っ柱の強いやつが現れた、お前なかなかいいぜ、とマイルスも天国でニヤリとしているのではないでしょうか。
(原田 2009/1/31)
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2009/01/30

HANK JONES - - 米国・国民芸術勲...

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ハンク・ジョーンズ HANK JONES





● 祝!メダル受賞:おめでとうございます・ハンクさん:National Medal of Arts

ハンク・ジョーンズがうれしそうにぶら下げているアメリカ国民芸術勲章文化勲章(National Medal of Arts)は、アメリカ政府より授与される最高の芸術賞で、わが国では紫綬褒章に相当します。ハンク・ジョーンズの受賞は、ジャズ関連ミュージシャンとしてはエラ・フィッツジェラルド(’87年)、ディジー・ガレスピー(’89年)、ビリー・テイラー(’92年)、キャブ・キャロウェイ(’93年)、デイヴ・ブルーベック(’94年)、ライオネル・ハンプトン(’96年)、ベティ・カーター(’97年)、ベニー・カーター(2000年)、ウィントン・マルサリス(2005年)、プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンド(2006年)、レス・ポール(2007年)に次ぐものです。
この写真は昨年11月10日、ホワイトハウスで撮影されました。ハンク・ジョーンズは執務室で行われた授与式に出席し、大統領夫妻からメダルを贈られたのでした。

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● あの、"ハーレム1958" にも

おそらく最も大規模かつ広く知られているジャズ写真が、これでしょう。「エスクァイア」誌の依頼を受けたアート・ケーン(当時「セヴンティーン・マガジン」の美術監修を務めていました)が1958年8月にハーレムで撮影し、同誌の’59年1月号に掲載されました。セロニアス・モンク、カウント・ベイシー、ディジー・ガレスピー等、ジャズの歴史を彩った巨匠57名が勢ぞろいしています。現在も活躍しているのは以下の面々;ベニー・ゴルソン、ホレス・シルヴァー、ソニー・ロリンズ、エディ・ロック、マリアン・マクパートランド、そしてハンク・ジョーンズ。
’94年制作の映像作品『A Great Day in Harlem』には、このフォト・セッションにまつわる数々のエピソードが紹介されています。

→ Harlem 1958



● "ハッピーバースデイ、Mr. President"

1962年5月19日、マディソン・スクエア・ガーデンで行なわれたジョン・F・ケネディ大統領の誕生パーティからの映像です。当時、大統領とのロマンスが噂されていたマリリン・モンローが歌う「ハッピー・バースデイ」は非常に高名ですが、彼女の悩ましげな歌声のバックでピアノを弾いているのがハンク・ジョーンズであったことは意外と知られていないのではないでしょうか(始まって47秒あたりに、チラッとハンクの姿が写っているような気が・・・・)。この約3ヶ月後にマリリンは謎の死を遂げ、翌63年11月には大統領が凶弾に倒れました。
同時期、ハンクが残したリーダー作には『ヒアズ・ラヴ』(63年)、『ジス・イズ・ラグタイム・ナウ』(64年)があります。

→ Happy birthday Mr. President by マリリン・モンロー


● Hank Jones performs solo at Carnegie Hall, 6 April, 1994 as part of the Verve 50th anniversary celebrations. ...
名門ジャズ・レーベル、ヴァーヴの創設50周年コンサート(於:カーネギー・ホール)からの映像。ハンクは“ジャズ・ピアノの神様”ことアート・テイタム(1909〜56)に捧げて、スタンダード・ナンバー「ウィロー・ウィープ・フォー・ミー」をソロ・ピアノで演奏しました。当コンサートには他にもハービー・ハンコック、ジョン・マクラフリン、アントニオ・カルロス・ジョビン、パット・メセニーといった超豪華メンバーが登場、そのスケールの大きさは今も語り草になっています。




RACHAEL YAMAGATA - - 奥深きレイチェ...

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レイチェル ヤマガタ rachael yamagata width=



奥深き、レイチェル・ヤマガタの世界


● 今回の公演にチェロ・プレイヤーが参加の理由:この曲のためです。
♪ Elephants


約4年ぶりの最新作『エレファンツ/ティース・シンキング・イントゥ・ハート』が大好評のレイチェル・ヤマガタ。米国ヴァージニア州出身の日系四世である彼女は12歳からピアノを学び、大学時代にバッキング・ヴォーカリストとして活動を開始。初ソロ・ライヴの観客はわずか40人だったそうですが(この当時すでに、200曲のオリジナル曲があったそうです)、その後デヴィッド・グレイのマジソン・スクエア・ガーデン公演の前座に抜擢され、2万人の前でパフォーマンスを披露。人気シンガー・ソングライターの仲間入りを果たしました。

初アルバム『ハプンスタンス』にはジョン・メイヤー、ジェイソン・ムラーズ等、今をときめく人気ミュージシャンが参加。レイチェルの歌声と曲作りはロバータ・フラック、キャロル・キング、ジェームス・テイラー等が引き合いに出されるほど完成度の高いものでした。

そして、ニュー・アルバムでは、前作にも関わったジョン・アレイジアに加え、ネブラスカ・ミュージック・シーンの重鎮であるマイク・モギス(ライロ・カイリー、ブライト・アイズとのコラボレーションでも知られています)もプロデュースも担当。レイ・ラモンターニュ、ジェイムス・ヴァレンタイン(マルーン5)、マリア・テイラー(アズール・レイ)等のゲストを迎えながら、さらにリリカル、さらにドラマティックな世界を展開しています。
そんなレイチェル・ヤマガタの、待ちに待った「ブルーノート東京」初ステージ。クラブという親密感溢れる空間で、彼女の奥深い世界に浸れる最高のチャンスです。

● ♪120 Seconds





● ♪ Album Teaser

● ♪ In The Studio



● ♪ "Reason Why" live on Indie 103"



2009/01/29

PEABO BRYSON - - DENIECE WILLIAMS...

【お詫び】
2009 2/10 tue. - 2/15 sun.に行われる
ピーボ・ブライソン公演に出演を予定しておりました
スペシャル・ゲストのレジーナ・ベルは、
アーティストの体調不良により出演キャンセルとなりました。
新たにスペシャル・ゲストとして
デニース・ウィリアムスの出演が決定しております。

レジーナ・ベルの出演を楽しみにされていたお客様には大変ご迷惑をお掛けしまして誠に申し訳ございません。
何卒ご理解、ご了承いただきますようお願い申し上げます。

2009 2/10 tue. - 2/15 sun.
PEABO BRYSON
with special guest DENIECE WILLIAMS
"Sweet Valentine Nights"

ピーボ・peabo bryson・デニース・ウィリアムズDENIECE WILLIAMS




その急遽出演決定、デニース・ウィリアムズとは。。。あのシンガーです。
Sweet Valentine Night、
ピーボ・ブライソンとのデュエットにて、どのように魅せてくれるのでしょうか。

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【 DENIECE WILLIAMS 】
スティーヴィー・ワンダーのバック・コーラスを経て、‘76年からソロ活動を開始。モーリス・ホワイトのプロデュースによる「フリー」が大ヒットを記録した。他にも映画「フットルース」の挿入歌「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」等、数多くのベスト・セラーを放つ超大物女性シンガー。

- オフィシャル・サイト
http://denieceniecywilliams.com/

● "Free"


● "Let's Hear It For The Boy"



2009/01/26

CHICK COREA & JOHN McLAUGHLIN - - イベント情報

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チック コリア ジョン・マクラフリン・クリスチャン マクブライド ブライアン  ブレード ケニー ギャレット CHICK COREA JOHN McLAUGHLIN CHRISTIAN McBRIDE BRIAN BRADE KENNY GARRETT width=






◆ 『ファイヴ・ピース・バンド』アルバム・リリース記念
チック・コリア & ジョン・マクラフリン
 インストアイベント開催決定!

日時:2/4 Wed. 19:00〜
場所:HMV池袋メトロポリタンプラザ 店内イベント・スペース
URL : http://www.hmv.co.jp/st/event.asp

*** 当日は、ミニ・ライヴ、トークを予定しています。
イベント詳細は、下記へお問合せ下さい。


<問>
HMV池袋メトロポリタンプラザ
東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザ6F
tel 03-3983-5501




'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , CHRISTIAN SCOTT - - クリスチャン・ス...

● July '08、BLUE NOTE TOKYO
SOULIVE with special guest CHRISTIAN SCOTT & SAM KIININGER
:ソウライヴの放つグルーヴの中、クリスチャンの "個性" が非常に際立っていたシーンのひとつ。


クリスチャン・スコットの公演が近づいてきました。
わくわくしています。なにしろ彼は現代ジャズ・シーン、希望の星なのですから。



大御所フレディ・ハバードが亡くなったのも記憶に新しいジャズ・トランペット界ですが、いつも覇気に溢れた若手が群雄割拠しているのもこのフィールドです。アヴィシャイ・コーエン(ベース奏者とは別人です)、アンブローズ・アキンムシーレ、キーヨン・ハロルド、コーリー・ウィルクス、モリース・ブラウン、マイケル・ロドリゲス、ジェレミー・ペルト、ダレン・バレットなど、本当に数多くの逸材がいます。ウィルクスとロドリゲスは昨年、それぞれウィル・カルホーン、ゴンサロ・ルバルカバのバンドで「ブルーノート東京」に出演しましたね。

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Corey Wilkes / Michael Rodriguez


が、大手レコード会社と契約し、自分のグループで世界を回り、いっぽうでプリンスやモス・デフにも招かれ、しかも映画俳優としても活躍している存在はクリスチャンしかいません。つまり、彼には並外れたスター性があるのです。

2006年夏のシカゴ・ジャズ・フェスティバルで、ぼくは初めてクリスチャンに接しました。あとで調べたところ、彼のファースト・アルバム『リワインド・ザット』が発表された直後ということがわかったのですが、この時点ではまだその作品を聴いていませんでした。

クリスチャンは、彼の叔父であるドナルド・ハリソン・グループの一員としてステージにあがりました。ハリソンは伝説的バンド“アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ”出身のサックス奏者で、いわゆるハード・バップと呼ばれるタイプの演奏を得意にしています。が、クリスチャンの演奏は、どこか違うのです。フォーマットこそハード・バップなのですが、そこを突き破って新たな地平に突入していくかのように、次から次へと新鮮なフレーズをたたみかけてゆくのです。

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◆ ドナルド・ハリソン\nhttp://www.donaldharrison.com/


「これはえらいトランペッターがあらわれたなあ」、と僕は五大湖に向かってシャウトしたくなりました。

そのときハリソン・グループでベースを弾いていたのはエスペランザ・スポールディングです。
いまや“今をときめく”存在となった彼女も、当時はたんなる一介のベーシスト。ぼくは既にファースト・アルバム(Ayvaというレーベルから発売されました)を聴いていましたから、彼女のプレイをナマで聴いても格別驚かなかったのですが、強靭なビートは明らかにグループの要となっていました。

2006年夏なんて、まだ2年半前のことです。
しかし、伸び盛りの若手ミュージシャンにとってそれは、十分すぎるほどの歳月なのでしょう。一本立ちしたクリスチャンは、見事なトランペット・スタイリストになりました。スーツを脱ぎ捨て、ベル(朝顔)が上に向いた楽器に持ち替えた彼には、貫禄とりりしさが溢れています。

昨年7月にソウライヴのホーン・セクションの一員として「ブルーノート東京」初登場。人気ジャズ・ファンク・ユニットに新鮮な息吹を与えました。また9月には、マッコイ・タイナー・トリオとの共演で再び「ブルーノート東京」のステージに立ち、伝統的なアコースティック・ジャズを聴かせてくれました。

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そんなクリスチャン・スコットが、遂に自己のバンドを引き連れて上陸します。
スリル満載、やけどするほど熱いステージが繰り広げられることでしょう。





◆◆◆ INFO ◆◆◆

◆ more'bout CHRISTIAN SCOTT, check these out !!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
-公演blogページ : http://www.bluenote.co.jp/jp/movie/2009/01/post_2.html
-公演詳細ページ : http://www.bluenote.co.jp/jp/sp/247.html
-アーティスト・オフィシャル : http://www.christianscott.net/


◆ BS フジ 放映予定(再放送):

『SOULIVE Live at BLUE NOTE TOKYO』

2/3 Tue 24:00〜24:55
2/8 Sun 26:00〜26:55



<< プロフィール・原田和典 >>
1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。
著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム)
『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、
『世界最高のジャズ』(光文社新書)、
『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。
共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、
監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。



2009/01/24

PAT METHENY , 特別インタビュー - - Interview : PAT ...

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A DREAM called A DREAM "FOR YEARS & YEARS ......."

長年、ファンの方の間ではかなわない “夢" と思われていたパット・メセニー・グループのブルーノート東京公演・8日間が終了しました。
1/8 Thu. 2nd show 終了後、その8日間に渡る公演を終えた直後のパット・メセニーにお話を伺いました。


Q. 1
今回のブルーノート東京公演はいかがでしたか?近年のアルバムからだけではなく、昔の曲も多く演奏されていましたね。今回の公演を、パット・メセニー・グループの集大成を見せる場として考えていらっしゃったのでしょうか?

☆ Pat Metheny : (以下、☆ PM)
“Well this is very special for us. We haven’t played a concert like this – for guitar, piano, bass and drums – for very close to 30 years. And the connection that we have had with this group and also the connection that I have felt with all the other projects that I have done over the years, with Japan and particularly the community of listeners that live in the Tokyo area, is very special and is something that we value very much. And I’ve been lucky to present music here under many different circumstances. And the invitation came to play here, and I had been thinking about what it would be like to play a quartet, and this seemed like the best place to do it. And actually, I can’t really say that it was anything expected from me. I mean, I knew that we would play the old music, and I kind of intentionally made it so that we didn’t play any new music – that we really looked at only the older pieces. But having Antonio in the band, really since he joined, makes it really a completely new experience. And because Antonio and I have played so much together in a trio situation – many people may remember that we played here with Christian in that trio – I really saw this as an opportunity to try to integrate the two things, which is something I’ve generally kept pretty separated. And I think in that sense, what the people here saw was that unfolding, and I think that over the course of the week it really did turn into something.

★ PM :
ブルーノート東京でパフォーマンスすることは、僕たちグループにとって特別なことなんだよ。メンバー皆、30年近くこのようなコンサートはしていなかったからね。グループ自体の繋がり、そして長年に渡って行ってきた日本での多くのプロジェクト、そして東京のリスナーたちは特別で自分たちにとってとても重要だと感じているよ。多くの違った環境で音楽を提供できることも、とても幸運だと思っている。ブルーノート東京でのパフォーマンスの招待を受けてから、ここはカルテットで演奏するにはベストの場所ではないかと考えていたんだ。実際に皆が期待していたことなのかはわからなかったけれど、もともと昔の曲を演奏するつもりではいたんだよ。今回は昔の曲に焦点を当てて、わざと新曲をやらなかった。しかしながらアントニオをバンドに迎えたことは、全く新しい体験だった。僕とアントニオはトリオで長年一緒にやっていたからね。覚えている人も多いかもしれないけど、僕たちはここブルーノート東京で、クリスチャン・マクブライドとともにトリオとして演奏したことがあるんだ。その時に僕はいつも切り離して考えていたものを繋げてみようと試みた。そうしたことでみんなが見ていることが明らかになって、何かが確実に変化したんだ。

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Q.2
カウント・ダウン・ライブを終えた感想をお聞かせください。時計は気になりましたか?

☆ PM :
“That was kind of a challenge. I’ve never really run a New Year’s Eve thing before. I think we have done one or two concert, really early in the groups history, but mostly when I did New Year’s Eve gigs, it was playing for a bunch of drunk people in some bar somewhere, where they didn’t really care about the band anyway. And then the last time I played a New Year’s Eve gig was actually with Ornette Coleman, Charlie Haydn, and Denardo Coleman in 1984. We played in Fort Worth, Texas, and I figured that would be the last New Year’s gig I would ever do because it was so “unique” that I thought that I would never be able to top that. But this was pretty interesting, and it seemed like “Are You Going With Me?” is such a sort of iconic song that it seemed like a good way to bring in the New Year.”
:
大晦日からのカウントダウンをしたことは無かったから、チャレンジでもあったね。1,2度やったことはあったと思うけれど、グループの歴史のなかでもごく初期の頃だったし、どこかのバーで大勢の酔った客の前での演奏だったから誰も気に留めてはいなかった。最後に出演した大晦日のイベントは1984年、オーネット・コールマン、チャーリー・ヘイデン、そしてデナード・コールマンとテキサスのフォートワースで演奏した時だったと思う。とても"ユニーク"でこれ以上のものはないと感じられたんだよ。Are you going with me?のような曲は新年を迎えるのにふさわしい、アイコン的曲だよね。

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Q 3
今回の.公演をご覧になった方からのライヴ・レポートでは、初期の曲を聴くことができて嬉しかったというコメントがとても多かったのです。今回演奏された『想い出のサン・ロレンツォ』『ラスト・トレイン・ホーム』『アー・ユー・ゴーイング・ウィズ・ミー』など数々の名曲のうち、特に思い入れが強い曲はありますか?

☆ PM :
“The thing is, it’s not really about the songs, for me. The songs are really just an envelope that you put your message in, and the message is defined by the audience, the day, the room, and of course the players. But really I can’t say that there is anything special attached to any song. It’s just that each certain song, offers certain kinds of opportunities, and when I put together a set I am trying to find a balance of opportunities; some of those things are very obvious like who’s gonna solo on this tune, and you don’t want to have like six drum solos in a row, some of it is just that kind of balance. But there is a whole other, sort of sub-text to what music is for me that kind of stands apart from what the songs actually are. For me, you know, playing some of these songs, of course, there are certain memories attached of certain periods. But that only lasted for like the first or second time that we played it. And then it becomes like just a platform that you jump off from. For me what was cool about the week was that as the week went on, that became more and more the case, that we were able to just use the pieces to sort of talk directly to the audience.The thing is, it’s not really about the songs, for me. ”
:
曲とはメッセージを入れる封筒のようなものなんだ。そのメッセージ(曲)は観衆、その時、その空間、そしてもちろんプレイヤーによって変わってくる。曲自体が特別ななにかの要素を保持しているとは必ずしも言えない。曲は曲で、それ以上のものではない。確かなこととして、それぞれの曲がそれぞれの演奏の機会へと導き、それらをバランスを取りながら構成させるのが1つのセットとなっていく。その中でも数曲は誰がソロをとる、ドラムソロが6箇所あったりしても好まれないであろうし、つまりはバランスが必要ということ、それ以外の意味で、音楽とは僕にとってサブテキスト的な要素がある。演奏しているとそれぞれの曲に対する記憶や当時のことなんかを思い出したりすることもあるけど、それはほんの瞬間でしかないんだ。何が素晴らしいって、週が進むにつれて演奏を続けて行くと曲を通じて観衆と対話することが出来るようになることさ。つまり、僕にとってはそういった意味で曲こそすべて、ではないんだ。



Q.4
あなたはチャレンジをして新たな何かを見つける、という試みを常にされていると思います。今回ブルーノート東京での8日間、16回の公演を終えて、新たな発見はありましたか?

☆ PM :
“The thing is that it’s difficult for me to define what those things are outside of the realm of notes and chords and music, because it sort of happens on that level. But the one thing I would say is that it, once again, reminds me of, first of all, the energy and the concentration that Japanese audiences bring to the listening experience that allows us to discover things. And that’s why we’re here, that’s why we came here and why we didn’t go to, you know, Germany or to Russia, to do this, we came to Japan specifically because of the audience. And once again I was so impressed with the audience. About the only member of the audience that was a drag the whole week was an American (laughs). And everybody else was super cool.”
:
僕にとって音符やコードや音楽自体をはっきりさせるのは、あるレベルまで達さない限り難しいことなんだ。でもひとつ言えることは、繰り返すようだけど、何より日本のオーディエンスがもたらすエネルギーや集中力が、僕たちの演奏に新しい発見を見い出させてくれているということなんだ。日本のオーディエンスの素晴らしさ−それが僕たちがドイツやロシアには行かず、ここ日本に来ている理由だね。彼らにはいつも感動させられているよ。

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Q. 5
今度はいつ、ブルーノート東京であなたに会えるのでしょう。次回の出演を楽しみにしています。

☆ PM :
“The thing is, you know, playing here at the Blue Note is something really special for me anyway, because generally this is really the only club I’ve played in, in the last 10 years anywhere. I mean, I don’t really play clubs anymore. And I kind of did it as an experiment the first time – not sure if I would like it – with Bill and Larry. And I mean, I will say this: that it is a very difficult week; it’s not easy at all to play. Because as everyone can see, every time I play, it’s ‘For God,’ you know? I’m like incapable of playing less than as if it’s at the Budoukan! It’s like every concert for me is like the last concert I’ll ever play. So, to do that 16 times in a row is challenging. And so coming is not something that I just kind of go, ‘Oh, yeah, okay. I’ll do that.’ It’s always something that I think about a lot. And I feel good that I think I’ve now played here four times? Five times? And each time it’s been something very different. And I would only come back if I could offer something again that was very special and very different, and also on the same level as all these other things have been. You know, if something comes up, I would love to do it. And I also don’t want it to be seen, ever, as being ‘Oh, well, here’s that again,’ because it’s never going to be that for me. It’s always going to be something special. It’ll never be just another gig, anytime I come here it’s gonna be something real special.”
:
ブルーノート東京で演奏することは、僕にとって特別なことなんだ。僕自身この10年間で、クラブで演奏したのはここだけだからね。つまりブルーノート東京以外のクラブで僕たちが演奏することは、もうないんだよ。最初は実験的にやっていたけれどビル・スチュアートとラリー・グレナディエ('99年12月出演時のP.M.トリオのメンバー)も好きになれるか確信はなかった。クラブで演奏するということは、簡単ではないから−自分が演奏するすべてを、みんなが見ているんだ。わかるでしょ。。(笑)武道館で演奏するより大変なんだよ。常にその時々のコンサートが自分にとって最後になるつもりで演奏するんだ。それを16回も続けることは紛れもなくチャレンジだよね。ブルーノート東京ではすでに4、5回パフォーマンスしているけど、毎回違ったものに仕上がるよ。何か特別で違うものを提供できるときにこそ僕たちは戻って来られるんだ。どこかで見たことのあるような演奏はやりたくないからね。常にスペシャルでなければならない。これからもそうだよ。

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Q.6
今後のプランについて伺います。オーケストラと共演するご予定などありますか?

☆ PM :
“That’s funny, I have had so many that I don’t even know how many invitation I’ve had, to do something with an orchestra. The thing is, to do something with an orchestra would mean that I’d have to write a piece which would take me about three years, of doing nothing but that. And there may be a time that that happens, but you know… Again, it wouldn’t really be my style to do a few little orchestra tunes. It would have to be something really cool. So, who knows?
And I do have a very special project, but it’s not evolved enough that I can really describe it yet. So it’s still underway. And also people may remember that we did the Gary Burton Quartet Revisited thing here, and right after we were here we went to the states and recorded some concerts and there is a record of that that’s coming out that’s very good that we’re actually very excited about. Yep.
:
とても面白いよね。オーケストラと一緒に出演して欲しいという招待状を数えきれないくらいもらったよ。実際そのために作曲をしなくてはならなくて、その作業だけで3年はかかった。もしかしたらオーケストラにチャレンジしてみる時期だったのかもしれないけれど、正直やっぱり、僕の元々のスタイルではなかったんだよね。
そして、スペシャルなプロジェクトの予定があるよ。でもまだ準備段階だから、話をすることはできないんだ。水面下で進行中ってわけさ。僕たちがゲイリー・バートン・カルテット・リヴィジティッドとしてブルーノート東京で演奏したことを覚えている人がいるかもしれないけど、その直後にアメリカに戻っていくつかのライブ録音を行ったんだ。どれも素晴らしい仕上がりで僕たちもとても興奮しているよ。


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Q.7
ライル・メイズとは長年に渡って共演されていますよね。あなたにとって、ライルはどのような存在なのですか?

☆ PM : 
“Unbelievable musician. And we’ve had this incredible way of playing together for more than 30 years now, and it’s just always great to continue the conversation that we began, really, back in 1976, that’s when we first started playing together. And that was something that was really nice about this, is that the group has sort of evolved into this really, almost like a big band. It’s more like a large ensemble thing. And this week we really focused on more just the core band, and it was really fun, it was just great to kinda get back into that sound.”
:
ライルは素晴らしいミュージシャンさ。かれこれ30年以上一緒にやっているけれど、僕らが初めて一緒に演奏した1976年当時から、この素晴らしい会話とも呼べるセッションは続いているよ。グループ自体はビッグバンドのように発展してきたけれど、今回はもっとコアなバンドとしての演奏に、フォーカスしたんだ。とても楽しむことができたし、それが音にも良いかたちで表れているよ。



Q.8
ジョン・マクラフリン(g)がチック・コリアとともに、2月にブルーノート東京で公演を行います。ジョンについて、あなたはどんな印象を持っていますか?

☆ PM :
“Oh sure. I’ve met him yeah. But I wouldn7t play with him, he’s too good. They actually called me one time – him and Paco called me – to play with them in a trio, which they ended up getting several other people to do it, and I just laughed. I just said ‘There’s no way I would ever be able to get on the bandstand with either one of you guys. So… ‘ (laughs). That’s really not my kind of thing, I can’t really do that stuff. Yep, with Christian, right? Are they gonna play a whole week here? Oh, that’ll be great. That’ll be fun. Yeah, that’s gonna be amazing.”
:
ジョンと一緒に演奏をしたことは無いけれど、会ったことはあるよ、本当に素晴らしいギタリストだよね。実は一度、彼とパコ(パコ・デ・ルシア)が僕に声を掛けてくれたんだ。トリオで一緒にやらないかって言われたときは思わず笑ってしまったよ。そして言ったのさ、『君たちと一緒に野外ステージで一緒に演奏をするなんて、僕にはとてもできないよ』ってね(笑)
ジョンとチックの公演には、クリスチャン(・マクブライト)も一緒に来るんだよね?一週間ここで演奏するのかい?それはすごい。きっと素晴らしいものになるに違いないね!


公演詳細はこちら → http://www.bluenote.co.jp/jp/sp/250.html



Q.9
今回公演にお越しいただいた方、また残念ながら来場できなかったファンのみなさんにメッセージをお願いします。

☆ PM :
“Well, my message is very simple, which is a big thank you for being such excellent listeners and really allowing us the opportunity to continue our research into music, by coming to the concerts, buying the records, and supporting what we’re trying to do. Because really – and I say this all the time, I mean – it’s sincerely the backbone of the jazz world, really, the Japanese listening community. Without it, not just us, there are many bands and many performers that simply would have a much harder time continuing the work that they’re doing. So I just can’t say enough how much we appreciate it. Thank you.”
:
僕のメッセージはシンプルだよ。素晴らしいリスナーと僕たちが音楽を追求し続けるチャンスをいつも作ってくれる人たち、コンサートに足を運んでくれる人たち、そして僕らの試みを常にサポートしてくれる全ての人たちに心から感謝している。
いつも言うように、このジャズワールドの真の支えは日本のファンの皆さんだよ。Without it, not just us, there are many bands and many performers that simply would have a much harder time continuing the work that they’re doing.→自分たちだけでなく、多くのバンドやミュージシャンたちが良い演奏を続けることができるのは、日本の皆さんのおかげだと思う。感謝しきれないくらいさ。本当にありがとう。


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◆ 公演終了直後にも関わらず、笑顔でインタヴューに応じてくれたパット。
クラブで演奏することや、日本のオーディエンスへの感謝の気持ちを率直に語ってくださいました。
次回の公演が、今から待ち遠しいですね!


◆ 皆様のご来店誠にありがとうございました。
 また、当公演に関するたくさんの方からのライブ・レポート投稿、誠にありがとうございました。
 → http://www.bluenote.co.jp/jp/original/report/


◆ 当インタビューへの感想、ご意見をお聞かせください。
感想、ご意見をお寄せいただきました方の中から、抽選で5名様に
『PAT METHENY GROUP・2008-09来日公演記念 T-SHIRTS』 をプレゼントいたします。

ご応募は→ こちら

ご応募締切 : 1/30 Fri. 2009



◆ PAT METHNEY
official web site : http://www.patmetheny.com/
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