'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , SERGIO MENDES - - review : 直前!...
2009/02/26
原田和典の公演直前レビュー:SERGIO MENDES
セルジオ・メンデスの公演が近づいてまいりました。
ぼくは勝手に彼のことを、思いっきり敬意と親しみをこめて“セルメンさん”と呼んでいます。
おそらく、ぼくが最初に聴いた「外国の歌」はセルメンさんの音楽でした。まだよちよち歩きだった頃、「マシュ・ケ・ナダ」の入ったLPレコードが家でよくかかっていたことを覚えています。
1960年代後半から70年代初頭にかけて、セルメン・サウンドは歌謡曲並みに親しまれ、ヒットしました。多少マニアックな話になりますが、ある女性週刊誌は、「セルジオ・メンデス、日本の一日」風のタイトルで、日本庭園でくつろいだり、和室で茶を点てるセルメンさんの写真を載せた記事を作りました。もっとマニアックな話になりますが、“ピンキーとキラーズ”や“太田幸雄とハミングバーズ”などの音作りを聴けば、当時“セルジオ・メンデス&ブラジル‘66”がどれだけ日本の音楽界に影響を与えていたかがわかります(“ハナ肇とクレージーキャッツ”のシングル盤「アッと驚く為五郎」も忘れてはいけません)。たぶん彼らのフォロワーは世界各国にいたのでしょう、スウェーデンの“ギミックス”、メキシコ(?)の“ロス・ブラジリオス”などを初めて聴いたときにも、ぼくは「セルメン度」の濃さに思いっきり驚きました。
セルメンさんの魅力・・・・・・過日、『ブラジル86』の国内盤ライナーノーツにも書かせていただきましたが、それは果てしなく数多いものであり、とてもひとことでいいきれるものではありません。
が、そこをあえて圧縮・凝縮いたしますと「誰でも楽しめる、どんな人をも笑顔にするサウンド」ということになるでしょうか。ブラジル‘66時代からのファンにも、「オリンピア」(ロサンゼルス・オリンピックで使われました)等で初めて接した'80年代からのファンにも、『ブラジレイロ』やブラック・アイド・ピーズ経由から入ってきたファンにも、そしてもちろんこれから初めて実物に接しようとするファンにも、ひとしく喜びと満足感を与えてくれるのがセルメンさんのライヴです。
老若男女をとりこにするセルメン・サウンド。最高峰のエンタテインメントが、もうすぐ味わえます。
(原田 2009/2/26)