CANDY DULFER - ☆ メッセージ from...
☆ キャンディ・ダルファーより動画メッセージが届きました !
シーラ E. との夢共演は、いよいよ来週の水曜日より開宴 !!
● 最新譜『ファンクド・アップ』より
● Candy Dulfer & Sheila E - Jammin On The Streets
:スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでのできごととの事です。
● この共演が、もうすぐブルーノート東京にて再び実現です。
原田和典の公演初日レポート:
OSCAR CASTRO-NEVES
"BRAZILIAN SONGS & STORIES of BOSSA NOVA CELEBRATION"
with MARCO BOSCO, PAULO CALASANS & MARCELO MARIANO
special guests AIRTO MOREIRA & LEILA PINHEIRO
半世紀もの長きにわたって、心のこもった響きをじっくりと、大切に大切に奏であげてきた“音の詩人”。
それがぼくのオスカー・カストロ・ネヴィスに対するイメージです。
彼の名前が入っているレコードやCDを聴けば、まずハズレをつかむことはありません。それはライヴでも同様です。彼がギターを爪弾けば、それだけで周りの空気が和み、オーディエンスは皆、笑顔になります。
決して派手なことはやりません。これみよがしの技など、出しません。だけど溢れんばかりのメロディがあります。限りなく広がるハーモニーがあります。
この日のステージも、そんな彼の職人芸が満載でした。とにかく、世界が深い。プレイにコクがある。和音の使い方には、うっとりさせられるばかりでした。「ブラジル音楽はもともとハーモニーが豊かなんだよ」という声も聞こえてきそうですが、いまのぼくは、“それはわかる。だけど、オスカーの豊かさはまた一段と格別なのだ”、と胸を張って言いたい気持ちです。熱心なファンの方なら、彼が1960年代、ピアニストとしても素敵な作品を出していることをご存知でしょう。オスカーの頭の中にはたぶん、何十ものピアノやギターが棲んでいてオーケストレーションを奏でているに違いありません。
あまりにも偉大なパーカッション奏者であるアイアート・モレイラがドラマーとして、ステディなビートを刻んでいたのも印象的でした。ぼくは彼のドラミングが大好きで、サンバランソ・トリオや、トロンボーン奏者ラウル・ジ・スーザ(ハウル・ヂ・ソウサ)のレコードをむさぼるように聴いたものです。ジャズ・サンバの最高峰のドラマーだと思っています。そのアイアートが、ボサ・ノヴァを叩く。しかも鮮やかに。それを見聴きしてぼくはさらに豊かな気分を味わいました(彼のパーカッションを満喫したいファンの方も、とっておきのソロ・コーナーがありますのでご安心を)。
むくつけき男たち(失礼)の中に混じって紅一点のレイラ・ピニェイロが出てくると、ステージは花が咲いたようになりました。豊かな声量、巧みな日本語を交えたMCでファンの心をつかみます。オスカーとの二重唱も決まりすぎるほど決まっていました。
飛び切りの職人たちがおくる夕べは金曜日まで続きますが、もう一回見に行っちゃおうかと考えてます。
昨日のライブ映像がこのブログの別ページにアップされるようですので、そちらも是非見てください。
(原田 2009/4/26)
● 4/25 sun. 〜 5/1 sat.
OSCAR CASTRO NEVES "BRAZILIAN SONGS & STORIES OF BOSSA NOVA CELEBRATION
原田和典・公演レポート: JOSHUA REDMAN with REUBEN ROGERS & GREG HUTCHENSON
ジョシュア・レッドマンの登場は久しぶりのような気がします。
しかも今回は、ベース、ドラムスとの、いわゆるサックス・トリオでの公演。彼がこの編成で演奏するのは、日本では初めてのことです。
サックス・トリオは、サックス奏者にとって最もハードで、それだけにやりがいのあるフォーマットだといわれています。ピアノやギターのように和音を楽々と出せる楽器もありません。単音楽器であるサックスがメロディをリードし、ときにはハーモニーの行方を指し示さなくてはいけない。これは大変なことです。
1950年代にはソニー・ロリンズが、60年代にはオーネット・コールマンやアルバート・アイラーがサックス・トリオで素晴らしいアルバムを吹き込んでいます。70年代にはジョン・サーマンやデヴィッド・マレイが目の覚めるようなトリオ作品を残しています。こうした先人たちが登りつめた“峰”に、ジョシュアは挑んでいるわけです。
きくところによると、彼はジャズ・ミュージシャンとして活動を始めた当時、よくサックス・トリオで演奏していたそうです。ピアノの置いてあるジャズ・クラブはニューヨークに決して多いわけではなく、しかもそうした店には名のある音楽家が出るため、まだ無名だったジョシュアは必然的にピアノのない場所で演奏するしかなかったのです。'93年にワーナー・ブラザーズからファースト・アルバムを発表するまで、ジョシュアはベーシストやドラマーと共に、小さなライヴ・スポットで繰り返し演奏を重ねたのでした。今回のサックス・トリオによるワールド・ツアーは、彼にとって“原点回帰”的なニュアンスもあるのかもしれません。
最新作『コンパス』からの曲を軸に、「オータム・イン・ニューヨーク」、ロリンズの名演で有名な「マック・ザ・ナイフ(モリタート)」などのスタンダード・ナンバーも交えたステージは、緊張感とリラックスした雰囲気が絶妙に融合された、実に楽しめるものでした。ルーベン・ロジャースとグレゴリー・ハッチンソンも、あの手この手で演奏のテンションを高めてゆきます。このバンドでは、全員が対等なのです。
スマート、シャープ、そしてスタイリッシュ。ジョシュア、ルーベン、グレゴリーはサックス・トリオの新しい扉を開こうとしています。彼らの‘うた’は、会場につめかけたすべてのファンの心を射抜くことでしょう。このトリオの公演は土曜日まで続きます。どうかお見逃しなく!
(原田 2009/4/22)
4/21 tue - 25 sat.
JOSHUA REDMAN 公演
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