BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/06

TERRI LYNE CARRINGTON - - 最強の女性ドラマ...

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テリ リン キャリントン terri lyne carrington width=




原田和典の 公演レビュー :TERRI LYNE CARRINGTON



テリ・リン・キャリントンの公演が近づいてきました。

ぼくが彼女の名前を知ったのは1980年代後半だったと記憶します。第一印象は、失礼ながら“不思議な名前のひとだなあ”、“こんな華奢な女性にドラムスが叩けるのかなあ”。

もちろん、それは杞憂でした。抜けの良い音色、ド迫力のビートに心を奪われました。
ぼくの実家にはドラムスがあります。子供の頃からそれをいじっていたので、あの楽器の気持ちよさ、大変さをある程度は知っているつもりです。粒立った響きを出すためにテリ・リンがどれほど苦心したか、それを思うだけで彼女の努力に最敬礼です。

きけば彼女、親子3代にわたる音楽一家だというではないですか。おじいさんのマット・キャリントンは、元祖シンガー・ソングライターといわれるファッツ・ウォーラーや、伝説のテナー・サックス奏者チュー・ベリーと共演したことがあるそうです。そしてお父さんのソニー・キャリントンは、マサチューセッツ州界隈ではよく知られたサックス奏者。最新作『モア・トゥ・セイ』にも参加していますね。そんなテリ・リンの躍進を血筋に関連づけることは簡単ですが、それだけでうまくいくほどアートの世界は甘くありません。前進、努力、鍛錬の連続、そして音楽することへの喜びこそが現在の彼女を作っているといえましょう。


● 最新譜EPK 『MORE TO SAY』



● ♪ LET IT BE




テリ・リンは11歳のときに奨学金を得てバークリー音楽大学に入学、アラン・ドーソンにジャズ・ドラムスの奏法を習いました。ドーソンはトニー・ウィリアムスやスティーヴ・スミス(ジャーニー)の師匠といわれるドラマーで、同業者なら誰もが“あんなふうに叩いてみたい”と思うに違いない、しなやかなリズム・センスの持ち主です。惜しくも‘96年に亡くなってしまいましたが、メロディが聴こえてくるようなスティック・ワーク、蝶の舞うがごときブラッシュ芸は、本当に見事でした。彼女はもうひとり、ジャック・ディジョネットも師と仰いでいます。ドラム一徹のドーソンに対し、ディジョネットはピアノ、作曲、編曲もよくするミュージシャン。ふたりの良いところをどんどん吸収しながら、テリ・リンは成長します。そして18歳でニューヨークに進出し、ジャズに軸足を置きながらも幅広い活動を展開。ファースト・アルバム『リアル・ライフ・ストーリー』はグラミー賞にノミネートされ、ピーボ・ブライソンとの合作「オールウェイズ・リーチ・フォー・ユア・ドリームス」はアトランタ・オリンピックで使われました。


● ♪ MESSAGE TRUE (w/ Patrice Rushen)
http://www.youtube.com/watch?v=T-Dnzez5FDM

そんなテリ・リンの来日公演。
昨年12月の登場は、まだ記憶に新しいですね。話題の女性ベース・プレイヤー・エスペランザとの共演は、予想を遥かに超えたディープなジャズの世界でした。
今回はうってかわってのコンテンポラリー・ジャズ〜スムース・ジャズの精鋭との登場、いったいどんなサウンドでノックアウトしてくれるのか。ドラム・ファンならずとも、わくわくせずにはいられない4日間となるでしょう。
(原田 2009/6/3)

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- TERRI LYNE CARRINGTON GROUP featuring ESPERANZA SPALDING 公演/2008年12月 -



2009/06/02

ROY HAYNES - - report : ROY HAY...

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原田和典の公演リポート:ROY HAYNES


ズドーン、パシーン、スタタタトン。

空間を切り裂くように、ドラムスの音が響き渡ります。今日も相変わらずノッているなあ、と、30年来のファンであるぼくはいきなりうれしくなりました。ジャズ・ドラムス歴70年を誇る巨匠ロイ・ヘインズ、堂々たる再登場です。

つい“巨匠”と書いてしまいましたが、まったく近づきがたいところがないのも彼の魅力です。そばにいると、つい握手を求めたくなってしまう人なつっこさがあるのです。ぼくは心の中で“おやっさん! いいぞ! いけいけ!”と声をかけながら、この日の演奏に興奮するばかりでした。

楽器編成はサックス、ピアノ、ベース、そして御大のドラムス。往年の名盤『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』、『クラックリン』、『シンバリズム』などと同じですね。ヘインズが最も得意とするフォーマットといえるのではないでしょうか。オープニングはチャーリー・パーカー作の「DIVERSE」。数あるパーカー・ナンバーの中でも、あまり知られていないもの(たしか「SEGMENT」という別タイトルもあったと記憶します)を持ってくるあたり、さすがヘインズだなあと唸るしかありません。彼はパーカーのバンドにいた頃、何度もこの曲を演奏したのでしょうね。

パーカーのもとを離れた数年後、ヘインズはセロニアス・モンクのバンドに迎えられました(ジョン・コルトレーンも在籍していました)。「TRINKLE TINKLE」は、そのモンクの曲です。が、ヘインズは作者の解釈をそのままなぞることなく、7小節目に、原曲とは異なる音を3つ加えてスリルを生み出します。

やはりパーカーやソニー・スティットが愛奏したものの、最近ではあまり取りあげられることがない「EVERYTHING HAPPENS TO ME」では、ジャリール・ショウのアルト・サックスが大きくフィーチャーされました。エンディング部分で、ヘインズが“ビューティフル!”と声をもらします。御大はジャリールを相当のお気に入りのようで、メンバー紹介のときも“どうだすごい奴だろう、彼はグレイトだよな?”とオーディエンスに問いかけていました。レスター・ヤング、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、エリック・ドルフィー、ローランド・カーク、スタン・ゲッツなど数多くの伝説的サックス奏者と名演を残してきたヘインズに絶賛された、ジャリールの未来は限りなく明るいといっていいでしょう。

長尺の「MY HEART BELONGS TO DADDY」が終わった頃には、90分近い時間が経過していました。ぼくはすっかり、この曲でファースト・セットは終わりだと思っていました。が、ヘインズはますますノッてきたようです。そして“あと10分、時間をもらえないかな”といいながら、猛烈なアップ・テンポを叩き出しました。パット・メセニー作「JAMES」です。カルテットが一体となった高速プレイに、客席はさらに盛り上がりました。

“We Love You!”といいながら、名残惜しそうにステージを後にしたヘインズ。6月4日まで、ここブルーノート東京は、彼の“愛”で満たされます。
(原田 2009/6/1)


6/1 mon - 4 thu

ROY HAYNES


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2009/06/01

ROY HAYNES - ☆ P+M映像:ROY HA...

☆ パフォーマンス(P)+メッセージ(M)映像:ROY HAYNES




ROY HAYNES 登場!
御年 84歳、若いバンド・メンバーとともに豪快な演奏を見せてくれています。
6/4 thu まで、お見逃しなく。





6/1 mon - 4 thu
ROY HAYNES



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