'12 Bloggin' BNT by 原田和典 - - report : ROBERTA...
2009/07/27
原田和典の公演初日リポート:ROBERTA FLACK
あのスーパースター、ロバータ・フラックをクラブで聴ける。
これは世界的な快挙です。ものすごいぜいたくです。各国のファンが、必ずうらやましがります。
バンドが2曲プレイした後、マイケル・ジャクソンの名曲「YOU ARE NOT ALONE」を歌いながら、ロバータが客席から現れます。女王の堂々たる登場に場内、割れんばかりの拍手です。
歌い終わった後、ロバータはマイケルとの思い出を語ります。一緒に歌った映像(「WHEN WE GROW UP」)がYouTubeにアップされていることにも触れながら、「当時マイケルは12歳で、私は(ここだけ小声で)13歳だったわ」と、ジョークを入れることも忘れません。
そして次に「やさしく歌って」(KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG)。ロバータといえばこれ、というぐらい代表的なナンバーです。ぼくも当然のことながらこの曲を楽しみにしてクラブに向かったのですが、ラスト・ナンバーかアンコールで歌ってくれるだろうと思っていました。なのに、もう飛び出してしまったのですから、びっくりです。出し惜しみをしないというか、気前が良いというか。もちろん出来栄えも最高でした。70年代のロバータが歌った「やさしく歌って」はCDでいつでも聴くことができますし、今もラジオでよくかかっています。TVコマーシャルで使われたこともあると記憶しています。が、いま現在のロバータが歌う、さらに味わいを増した「やさしく歌って」は、ライヴでしか味わうことができません。それだけでぼくは、このステージに接することができてよかったなあと心から思うのです。
ロバータの気前の良さはまだまだ続き、次にキャロル・キングの書いた(最近はエイミー・ワインハウスも歌っていますね)「WILL YOU STILL LOVE ME TOMORROW」を取り上げてくれました。“今夜、あなたの目には愛の光が差している。言葉を使わずに「君だけだよ」って言ってくれる。でも、明日も私のことを愛してくれるの?”と歌うロバータは、まるで乙女です。やわらかな歌の合間に、バンマスを務めるシェルトン・ベクトンのキーボードが絶妙な合いの手を入れます。
そして次は、これまたお待ちかねの「愛のセレブレーション」(TONIGHT, I CELEBRATE MY LOVE)。ロバータとピーボ・ブライソンのデュエットで大ヒットしましたね。ピーボのソロ公演でもこの曲は必ず歌われますが、ロバータにとっても大切なレパートリーです。この日はデリック・ヒューズとのデュエットで聴かせてくれました。いやー、素晴らしい。なんて美しいメロディなんだというしかありません。ベタといえばベタなのですが、この、“予想通りに感動させてくれる展開”がたまらなく好きだ、というファンは、ぼく以外にも溢れるほどいらっしゃることでしょう。
もちろん「愛のためいき」(FEEL LIKE MAKIN' LOVE)も、「愛は面影の中に」(THE FIRST TIME EVER I SAW YOUR FACE)も歌ってくれました。名曲の数々に心が和み、たまらなくいい気持ちになります。
すごい名曲だよね、レコードやCDで何度も聴いたよ、という方も多いことでしょう。だけどもう一度いいますが、今のロバータが表現するこれらのナンバーは、ライヴでしか味わえません。現在も彼女は珠玉のナンバーを丁寧に丁寧に歌い、新たな息吹を加えています(新曲と共に)。その境地を、ぜひ間近で堪能していただきたいと思うのです(ライブの写真撮影がNGのようですので、写真掲載ができないそうです、ごめんなさい)。
(原田 2009/7/26)
ROBERTA FLACK
7/26 sun - 8/1 sat
(off - 7/29 wed.)