BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/08

2009/08/17

TANIA MARIA - ☆ P+M映像 : TANIA...

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☆ TANIA MARIA


軽快さ、豪快さ、繊細さ、すべてを兼ね備えたブラジリアン・ミュージック。
タニア・マリアの独自の世界は、他のアーティストに類を見る事が決してありません。

すべてのジャンルの音楽ファン必見のグルーヴ、ブルーノート東京では 8/18 Tue. まで。
8/19 wed. & 20 thu はコットンクラブでの公演です。
お見逃しなく!!!







● TANIA MARIA
8/16 sun. - 8/18 tue. BLUE NOTE TOKYO
8/19 wed.- 8/20 thu. COTTON CLUB



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , TANIA MARIA - - report : TANIA M...

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TANIA MARIA-タニア・マリア



公演初日リポート:TANIA MARIA



*** タニア・マリア公演初日のパフォーマンス & メッセージ 映像はこちら


ブラジルが生んだスーパー・ヴォーカリスト/ピアニスト、タニア・マリアが13年ぶりに「ブルーノート東京」へ帰ってきました。

お盆だというのに、会場は超満員。タニアが姿を現しただけで、盛大な歓声と拍手が巻き起こります。
昔からのファンも最近タニアを知ったばかりのファンもみんな、ここでタニアが聴けることを待ち望んでいたのでしょう。
「大好きなブルーノート東京に戻ってこれて嬉しい」と語った後、タニアは猛烈な勢いでピアノを弾き始めます。

オープニングは「ESSENTIAL」。基本的にはインストゥルメンタル・ナンバーなのですが、彼女はフレーズとフレーズの合間に掛け声を入れたり、ピアノのフレーズにスキャットをダブらせたりして、自由自在です。‘70年代に吹き込まれたレコードから変わることのない“タニア節”、だけどそれはいつも新鮮でかっこよく響きます。

「SENTADA A BEINA DA CALCADA」ではピアノと口笛のユニゾンも披露。アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「AGUA DE BEBER」も、ファンキーなイントロがつけられて、すっかりタニアの持ち歌として消化されていました。

つづく「SOUHOS LIUDOS」は、“美しい夢”という意味だとか。スキャットではなく、歌詞をしっとりと歌うタニアの魅力が最大限に発揮されたバラードです。先ほどまで全身全霊で炸裂していた彼女が一転、優しく静かに語りかけるようにメロディを綴ります。この二面性に魅了されてしまったら、誰もタニアの世界から離れることができません(ぼくもそうです)。

ボサ・ノヴァ・ナンバー「TA TUDO CERTO」は、後半、ごく自然に「MAS QUE NADA」へ移り変わります。客席からは手拍子や合唱が巻き起こり、タニアのプレイにも更に熱が入ります。そのテンションを保ったまま、アリ・バホーゾの古典「AQUARELA DO BRASIL」(ブラジルの水彩画)へ。アドリブをたっぷりフィーチャーしながら、タニア以外の誰にも作り出せない“ジャズ+ファンク+サンバ”の世界をたっぷり味わわせてくれました。

ここで本編は終了したのですが、もちろんこれでライヴが終わるわけはありません。アンコールでは、タニア最大の人気曲に数えられる「COME WITH ME」を披露。イントロが飛び出すや否や、それがかき消されてしまうほどの巨大な歓声が巻き起こりました。タニアだけではなく、ベースのマーク・ベルトーも、ドラムスのジャン・フィリッペ・ファンファンも本当にうれしそうです。

パフォーマンスも熱ければ、オーディエンスも実に熱い。本サイト中の「SPECIAL TOPICS」でタニアが予告していた通り、エキサイティングそのものの90分間でした。
(原田 2009/8/16)


● TANIA MARIA
8/16 sun. - 8/18 tue. BLUE NOTE TOKYO
8/19 wed.- 8/20 thu. COTTON CLUB

TANIA MARIA-タニア・マリア



2009/08/16

RAMSEY LEWIS - - おかえりなさいま...

ラムゼイ・ルイス・トリオ-THE RAMSEY LEWIS TRIO
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ラムゼイ・ルイス・トリオ-THE RAMSEY LEWIS TRIO width=



公演レビュー:RAMSEY LEWIS



おかえりなさい、といいたい気分です。

ジャズ・ファンク・ピアノのゴッドファーザー、ラムゼイ・ルイスが12年ぶりに「ブルーノート東京」に戻ってきたのは昨年6月のこと。歯切れよく、ピンと立ったピアノの音を昨日のように覚えていらっしゃる方も多いことでしょう。ぼくも“ラムゼイ節”を思いっきり楽しみました。そして「次はいつ来るんだろう、もう12年も待たせないでほしい」と願いました。
その願いが叶い(と、信じるのがファン心理です)、この8月下旬、巨匠はふたたびクラブに登場します。フォーマットは無論、彼のピアノにベース、ドラムスを加えたトリオです。

思えばラムゼイは1956年に通称“ジェントルメン・オブ・ジャズ”と呼ばれるユニットでアルバム・デビューして以来、ほとんど一貫してトリオでの活動を続けてきました。シンセサイザー奏者やギタリストを加えていた時期もありますが、それもあくまでトリオに対するサポート・ミュージシャン的な役割でした。
なぜラムゼイ・ルイスはトリオ編成にこだわるのでしょうか?

ファン歴30年の(’79年に、NHK-FMで「ジ・イン・クラウド」を初めて聴いた)ぼくに推測させてください。おそらくラムゼイは、「ベース、ドラムスとのユニットこそ、自分のアコースティック・ピアノが輝く最高のフォーマットである」と考えているのでしょう。昔からよく「ピアノは小さなオーケストラ」といわれますが、そこに低音を送り出すベースと、リズムを生み出すドラムスが入れば天下無敵。毛利元就の「三本の矢」ではありませんが、3つの楽器が呼応することによって、響きはより強いものとなり、小さなオーケストラが大きなオーケストラに変化、アレンジ(編曲)によっては、さらにさらに重厚壮大な響きをつくり出すことができます。ラムゼイのトリオ・アルバムを聴けば、彼がいかにアレンジを大切にしているか、曲をいかにオーディエンスの耳に届かせるべく工夫しているかがハッキリと分かるはずです。


● ♪ THE IN CROWS
:今回の公演では、Larry によるウッドベースですが、この映像のようなエレキもしびれます。




歴代のラムゼイ・ルイス・トリオには、ベースのエルディ・ヤングやクリーヴランド・イートン、ドラムスのレッド・ホルトやモーリス・ホワイト等が在籍していました。ヤングとホルトは独立後“ヤング=ホルト・アンリミテッド”を結成し、「ソウルフル・ストラット」という大ヒットを放ちます(スイング・アウト・シスターが歌った「セイム・ガール」の原曲です)。イートンはのちにカウント・ベイシー・オーケストラに参加しましたし、ホワイトはご存知“アース、ウィンド&ファイアー”を結成しました。いいえ、大成したのは彼らだけではありません。ラムゼイは常に優秀なバンド・メンバーと共に、質の高い音楽を作り続けているのです。


● ♪ Hang on Sloopy




● ♪ WADE IN WATER

Veuillez installer Flash Player pour lire la vidéo




● ♪ SUN GODDEESS by EARTH, WIND & FIRE
:ラムゼイの代表曲のひとつ、アースによる演奏。
'70年代、アース結成前にモーリス・ホワイトを見いだしたのもラムゼイでした。
(この映像に登場するヴォーカルはフィリップ・ベイリーですが)






したがって、ライヴの見所はラムゼイはもちろん、ベースのラリー・グレイ、ドラムスのレオン・ジョイスにもあります。巨匠ラムゼイのお眼鏡にかなった彼らが、どんなプレイでピアノを鼓舞し、刺激するか。考えただけでもわくわくします。

公演は8月24日からです。ジャズ、ファンク、ゴスペル、R&B、ほんのちょっとのクラシックをぐつぐつ煮込んだ音のスープを、思いっきり飲み干そうではありませんか。
(原田 2009/8/16)


● テレビ番組のホストとしても活躍してました。



2009/08/13

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , TANIA MARIA - - 情熱の大姉御

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● 公演レビュー:TANIA MARIA



全身が情熱。

タニア・マリアの音楽に接すると、からだじゅうの血が騒ぎ出すような気持ちになるのは、ぼくだけではないはずです。強力このうえないピアノ・タッチ、どこまでも果てしなく続きそうなスキャット。かと思えば、まるで赤ちゃんをそっとあやすように綴られるバラード。ファンキーでもありポップでもあり、ときにクラシカルでもあるタニアの世界。ブラジリアンであると同時にコスモポリタン。いつも快いサウンドを届けてくれるアーティストです。

ぼくが初めてタニアのライヴを見たのは忘れもしない1993年、「ブルーノート東京」の旧店舗で、でした。もう16年前のことですので記憶は断片的ですが、1曲目からマシンガンのような高速スキャットを放ち、ピアノを弾きまくっていたのを思い出します。スキャットの中に、エドゥ・ロボの名曲「ウッパ・ネギーニョ」のメロディを取り入れて、客席を大きく沸かせていたことも忘れられません。

【参考:♪ Upa Neguinho by Elis Regina 】


もちろん、それまでにぼくはタニアのアルバムをいくつか聴いていました。『ピカンテ』、『トーラス』、『カム・ウィズ・ミー』、『ラヴ・エクスプロージョン』などなど、出る新作すべてが楽しみでした。が、ライヴは、それとは別種のものでした。CDではどうしても控えめになってしまう自由奔放さ、熱狂が全開し、おなじみの曲も即興的にどんどん変わっていきます。タニアの根っこにある“ジャズ”が、より拡大されて目前に迫ってくる感じです。優しさにあふれたバラードも絶品でした。
ぼくはそのとき痛感しました。タニアの良さは、CDとライヴの両方に接したときに、さらに深く濃く心に入ってくるのだ、と。

そのタニアが、久しぶりに「ブルーノート東京」へ戻ってきます。彼女はオーディエンスとのコミュニケーションを本当に大切にするアーティストです。さあ皆さん、タニアと一緒になって、最高に盛り上がるステージをつくりましょう!!
(原田 2009/8/13)


● 8/16 - 18
TANIA MARIA
*** 8/19 & 20 は COTTON CLUB にて公演



'11 BNT : What's Recommended ! - - Wax Poetics Japa...

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● Wax Poetics Japan No.05、発売!


音楽シーン各方面より話題を呼んでいる音楽誌、Wax Poetics Japan。
最新号が発売になりました。


『Wax Poetics Japan No.05』
7月29日(水)発売
定価 1,200円(税込)
http://www.waxpoetics.jp/magazine/



-Miles Davis
On The Cornerを発表したマイルス・デイヴィスの変化に、当時の批評家達は全くつ
いて行けなかった。ちょうど1972年から1975年にフォーカスを当てた記事。

-Large Professor
ラージ・プロフェッサーが歴代ヒップホップ・アルバムを解説し、ビートメイカーの
歴史を探る

-Jimmy Cliff
レゲエミュージックのパイオニアであり、スカを確立させたアーティストでもあるジ
ミー・クリフの特集

-Booker T. Jones
60年代の黄金期スタックスサウンドを支えたメンフィスのオルガン奏者、ブッカー・
T・ジョーンズのインタビュー

-Mahavishnu Orchestra
マイルス・デイヴィスのグループで活躍したイギリス人ギタリスト、ジョン・マクラ
フリンがリーダーをつとめた、ジャズミュージシャンによるロックグループを特集

-Erick B&Rakim
エリックB & ラキムの片割れ、ラキムのインタビュー

-Eddie Cheba
多くの人間に愛されるディスコMC、エディー・チーバの記事

-Lyman Woodard
今年2月に亡くなったライマン・ウッダードの追悼記事

-Joe Cuba
今年2月に亡くなったブーガルーを代表するウァイブ奏者、ジョー・キューバの追悼記事

-Overton Loyd, Man One, Gustavo,
3者によるアメコミ・マンガ連載スタート。パーラメント、ファンカデリックのアートディレクター。

-MURO
ヴァイナル駅伝



2009/08/12

LEE RITENOUR - ☆ P+M映像 : LEE R...

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☆ LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI


赤いギターでお馴染みのスーパー・ギタリストは今回、デンマーク出身の才色兼備・シンガーソングライターとともに登場。
リー・リトナーとアンナケイをサポートする豪華プレイヤーたち、
ジョン・ビーズリー(キーボード)、メルヴィン・デイヴィス(ベース)、オスカー・シートン(ドラムス)
らのシーンを代表するプレイヤーたちの演奏も見応えあります。

公演は 8/15 sat. まで。







● LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI
8/11 tue. - 8/15 sat.



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , LEE RITENOUR - - report : LEE RIT...

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LEE RITENOUR-リー・リトナー


公演初日リポート: LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI



おととい、フリーペーパー「Jam」の取材でボビー・ハッチャーソンにインタビューいたしました。
その日は、あいにくの大雨。しかしハッチャーソンにいわせると、これは珍しいことでも何でもないというのです。「私が来るときの日本はどういうわけか、いつも大雨か台風なんだ。マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルのときもそうだったな」。

すかさず同行のカメラマン氏が「それはあなたがタイフーン・ガイだからですよ」と話しかけて一同爆笑になったのですが、そう考えてみると、リー・リトナーが来日するときは、いつも快晴。だけど極端に蒸し暑いわけでもなく湿っぽいわけでもなく、ほどよい気候の日が続くような気がします。しかも今回は、話題のシンガー、アンナケイがスペシャル・ゲストとして参加しているので、爽やかさも倍増です。

冒頭、リトナーがひとりステージに立ち、アコースティック・ギターを弾き始めます。“おや、1曲目は無伴奏ソロか”と思っていると、やがてアンナケイが登場、デュエットへと移行します。

アンナケイ、実力派です。声はよく伸び、リズムのノリも絶品、ディクション(言葉の発音といえばいいでしょうか)も聴き取りやすく、エンタテイナーとしての華やかさもあります。ぼくは“なるほど、これだけ歌えればリトナーがアルバム・プロデュースを買って出るわけだ”と思いました。実をいうとぼくは、これまでアンナケイの歌を積極的に聴いたことがありませんでした。もちろん名前は存じあげていましたが、オシャレ系の美貌タレントという先入観を勝手に持ってしまったため、どことなく距離をおいていたのですね。しかし、このライヴに接して考えが変わりました。彼女は、ものすごい底力を持ったシンガーです。曲によってはギターやピアノの弾き語りも聴かせましたが、これも見事でした。シンガー・ソングライター、アンナケイの未来は限りなく明るいといえましょう。

話がアンナケイに傾いてしまいましたが、もちろんリトナー・グループの演奏にも唸らされました。7弦ベースを弾きこなすメルヴィン・デイヴィス(チャカ・カーンの音楽監督をしていたこともあります)とオスカー・シートン(ライオネル・リッチーのバンドにいたとか)のドラムスがカッチリと噛み合い、ジョン・ビーズリー(晩年のマイルス・デイヴィスとも関わっています)のキーボードがあたりを装飾します。リトナーは4種類のギターを持ち替えながら、決してスタジオ録音では聴けないようなロング・ソロを披露。アントニオ・カルロス・ジョビンの「STONE FLOWER」、伝説のジャズ・ギタリストであるウェス・モンゴメリーに捧げた「WES BOUND」、70年代からの定番レパートリー「RIO FUNK」等、様々なタイプの曲を鮮やかに聴かせてくれました。
セカンド・ショウでは「Mr. BRIEFCASE」の演奏も飛びだし、リトナーは日本でこの曲は数十年演奏してないと言っていたらしいです。
(原田 2009/8/11)


● LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI
8/11 tue. - 8/15 sat.


LEE RITENOUR-リー・リトナー



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