BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2009/09

2009/09/16

'11 BNT : What's Happenin' ! , CHUCHO VALDES - - スタンディング・...

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スタンディング・オベーション



チューチョ・ヴァルデス公演最終日、2ND SHOW。
熱のこもったすばらしいステージに呼応し、完全スタンディング・オベーションが飛び出しました!
これまた一期一会の夜でした。

公演期間中、チューチョさんにお話をうかがう機会を頂きました。
その特別インタビューは、当ブログ・サイトにて近日公開予定。



2009/09/15

CHUCHO VALDES - ☆ P+M映像 : CHUCH...

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☆ CHUCHO VALDES


キューバのマエストロ、チューチョ・ヴァルデスが久々の登場。
異次元のパフォーマンスは9/16 wed. まで。








● CHUCHO VALDES
9/14mon.-9/16wed.



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , CHUCHO VALDES - - report : CHUCHO ...

チューチョ・ヴァルデス-CHUCHO VALDES
チューチョ・ヴァルデス-CHUCHO VALDES


公演初日リポート:CHCHO VALDES


チューチョ・ヴァルデスのピアノ・プレイは魅力の宝庫です。

テクニック、歌心、ユーモア、気迫、やさしさ、くつろぎ、そのすべてが彼の指先から鍵盤に注ぎ込まれます。あの大きなからだの中に、いったいどれだけアイデアが充満しているのだろう。ぼくはいつも、そう思ってしまいます。
自身のピアノをフィーチャーした小編成のバンドとしては、約8年ぶりの「ブルーノート東京」公演。ぼくはそのステージも見ていますが、今回のそれも、実に実に楽しく素敵なものでした。

オープニングは、「ELLINGTON MEDLEY」。その名のとおり、20世紀音楽界の巨匠であるデューク・エリントンに関連した曲を次々とプレイします。「SATIN DOLL」ではスインギーかつジャジーに、かと思えば「IN A SENTIMENTAL MOOD」では切ないまでのバラード・プレイを繰り広げ、「CARAVAN」ではラテンの血を全開にしてチューチョ節を炸裂させます。オープニングからいきなり、チューチョから魅力の花束を差し出されたような気分になったのはぼくだけではないでしょう。

「TRIBUTE TO ZAWINUL」は、ブルーノート東京にも数多く出演したキーボード奏者、故ジョー・ザヴィヌルへのオマージュです。ザヴィヌルがウェザー・リポート時代に書いた名曲「BIRDLAND」を基にした即興は、まさしく自由自在。ドラムスとパーカッションが織り成す複合リズムに乗って高速プレイを展開するチューチョに、客席から何度も歓声があがります。

紅一点のマイラ・カリダ・ヴァルデスが「BESAME MUCHO」と「SAN JOSE」(「DRUME NEGRITA」のメロディが挿入されておりました)を歌ったあと、ふたたびインストゥルメンタルのパートに。「LOS GUIROS」ではベースのラザロ・リヴェロ、主にコンガを叩くジャロルディ・アブレイユがカバサ(壺状の打楽器)に持ち替えてステージ前面に登場、すさまじいバトルを聴かせてくれました。
チューチョもすごいが、バンドもすごい。このライヴは、メンバー全員のプレイに見どころ、聴きどころが詰まっています。今日を入れてあと2日間、チューチョたちはさらに灼熱のパフォーマンスで酔わせてくれるに違いありません。

もう皆様ご存知かと思いますが、チューチョ公演とエディ・パルミエリ公演両方をご予約いただいたお客様の先着200名様にチキータス(ミニ・マラカス)がプレゼントされます。2人の顔写真入り、暗闇でほのかに光るというのも妖しくていいですね。偉大なラテン系ピアニストを生で浴びて、お宝グッズをゲットしましょう!!
(原田 2009/9/14)


チューチョ・ヴァルデス-CHUCHO VALDES



2009/09/13

C.O.E.D. - - スーパー姉さん...

C.O.E.D(クロニクルズ・オブ・エヴリ・ディーヴァ)-C.O.E.D(CHRONICLES OF EVERY DIVA)

C.O.E.D(クロニクルズ・オブ・エヴリ・ディーヴァ)-C.O.E.D(CHRONICLES OF EVERY DIVA)  sheila e. width=



C.O.E.D. featuring SHEILA E., RHONDA SMITH, KAT DYSON, CASSANDRA O' NEAL&MINDI ABAIR



まもなく登場のスーパー姉さんバンド・C.O.E.D.。
プリンスという偉大なアーティストをキーワードに、強烈なキャリアを持つ個性が集まり、女性バンドを結成。
2007年のコットンクラブにて行われた公演は大反響を呼びました。
それからすでに2年の月日がたち、今回はキャンディ・ダルファーを猛追する存在感・ミンディ・アベアが加わっての再来日!

シーラ E. の出演公演はとにかく華やかで楽しい!
果たして、今回はどのような演出を用意してくれているのか、楽しみです。



● 新曲です。Sheila E.- ♪ Glorious Train





● 代表曲 of Sheila, with Candy Dulfer
(今年5月の来日公演はこちら → Candy Dulfer with special guest Sheila E.
♪ The Glamorous Life





● Sheila E. - ♪All Around





● Tito Puente との共演!





● Sheila E. Drum Solo!!!!





● 今回加わったディーヴァ、ミンディ!♪ Smile"





● The Joint, Live from Las Vegas, Nevada





● RHONDA SMITH & KARMA DEUCE





● Kat Dyson and the Hughes & Kettner Switchblade





● Cassandra at Choir Rehearsal



2009/09/12

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , 大西順子 - - report : JUNKO O...

大西順子
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公演初日リポート:大西順子トリオ


今日まで大西順子が「ブルーノート東京」に出演しています。3年連続です!

前半は「BACK IN THE DAYS」、「MUSICAL MOMENTS」など、ベスト・セラー中の最新作『楽興の時』からのオリジナル曲が続きます。CDで聴いたときにも自在な発想、怒涛の展開に引き込まれたのですが、ライヴではさらにそれが何倍にも膨らんで発展しているような印象を受けました。井上陽介のベースが低域を駆けずり回り、大西順子のピアノからガッツ、パッション、ファイアーが溢れ、そこにジーン・ジャクソンのドラムスが鋭く切り込む。とくに「MUSICAL MOMENTS」はあまりにもドラマティックに“進化”していて、音楽は生き物なのだなあ、と改めて痛感させられました。

ピアノ、ベース、ドラムスという、いわゆるピアノ・トリオの演奏は、巷ではBGMとしても活用されることが多いようです。しかし大西、井上、ジャクソンの演奏は決してそうなり得ません。すごい緊張感、尋常ではない密度を保ちながら、強靭にスイングするからです。ビリー・ストレイホーンの名曲「Lush Life」をイントロ代わりに挿入したスロー・テンポの「PORTRAIT IN BLUE」でも、それは替わりません。

プログラム後半では、今から30年前に亡くなったベース奏者/作曲家のチャールズ・ミンガスが書いた「SO LONG ERIC」も演奏されました。これも単なるミンガスのカヴァーというよりは、しっかり“大西順子の「SO LONG ERIC」”になっているところが、さすがです。生前のミンガスはとにかく“模倣”を嫌ったといいます。チャーリー・パーカーのフレーズを吹いてしまったジャッキー・マクリーンは“お前はパーカーじゃないんだ。マクリーン自身を演奏しろ”と殴られ、ケニー・バレルは“Be Yourself”とハッパをかけられました。が、この日の大西順子トリオの演奏を聴いたら、さすがのミンガスも巨体を揺らしてニンマリするに違いありません。

考えてみれば、この日のバンド・メンバーは全員“ミンガス”というキーワードで結びつきます。井上陽介は自身のアルバム『ドリフティング・インワード』でミンガスの「Pithecanthropus Erectus(直立猿人)」を取り上げていましたし、ジーン・ジャクソンはミンガス未亡人が携わるミンガス・ビッグ・バンドのメンバーでもあります。同じフレーズを執拗に繰り返しながらテンションを高めていく大西のプレイには、かつてミンガス・バンドで活動したホレス・パーランに通じる粘っこさがありました。
と思ったら、アンコールでは、そのパーランの代表曲「Us Three」が飛び出したではないですか。もちろんこれも、“大西順子の「Us Three」”になっていることは、いうまでもありません。パーランのヴァージョンではアル・ヘアウッドがブラシでドラムスを叩いていましたが、ジャクソンはスティックを使って大西のピアノを煽りに煽ります。

スケールの大きな、実に気持ちいいステージでした。きくところによると、この日のセカンド・セットでは演目の殆どを入れ替えて、エリック・ドルフィーの「SOMETHING SWEET, SOMETHING TENDER」や、ライチャス・ブラザーズがヒットさせた「YOU'VE LOST THAT LOVING FEELIN'(ふられた気持ち)」も演奏されたといいます。今日はいったい、どんなプレイが飛び出すか。大西順子トリオは文字通りの絶好調、痛快なスリルに溢れています。
(原田 2009/9/11)


● 大西順子トリオ
9/11 Fri - 9/12 Sat.

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<< プロフィール・原田和典 >>
1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。
著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム)
『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、
『世界最高のジャズ』(光文社新書)、
『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。
共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、
監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。
ブログ:http://haradakazunori.blog.ocn.ne.jp/blog/



2009/09/10

ELDAR , 特別インタビュー - - Interview : ELDA...

エルダー-ELDAR

エルダー-ELDAR




exclusive interview : ELDAR


先日、東京JAZZ フェスティバルにて NHK交響楽団との競演のため来日をしていたエルダーにお話をうかがいました。
10代より "天才の登場” と、ジャズ会をにぎわせた少年もすでに20代なかばに差しかかり、
自身の音楽感を聞かせてくれました。


Q. 1
ブルーノート東京の印象はいかがですか?

☆ ELDAR :
I love playing at the Blue Note because I love the audience, I like the atmosphere of the club, and people are always paying attention to the music and they’re open. And it’s always great sharing the music with people who are intelligent and are open to hearing the music, so I love it. I definitely mean that, because the quality of just the way everything is put together – everything is so organized and everything is just so precise – I love it.* And another thing that’s always something that I notice all the time is that every time we play the instruments are so amazing. You know, because sometime you’ll be in some clubs and the instruments are like “Oh my god…” But the instruments are always so perfect and that’s so important to the overall happiness.
:
ブルーノート東京で演奏をするのはとても好きだよ。オーディエンスが好きだし、雰囲気も素晴らしい。人々は常に音楽のことを気にかけているし、音楽を受け入れる用意があるんだ。知的で、音楽を受け入れる用意のある人たちと音楽を分かちあえるというのはいつだって素晴らしいことで、だから大好きなんだ。すべての要素が合わさった、その質の高さにおいて−すべてがきちんとしていて、正確で−大好きだよ。もうひとつの理由としていつも気がつくのは、毎回演奏をするときのピアノの状態がとても素晴らしいということだね。時々、行ったクラブにあるピアノが「うわあ、なんてことだ」という具合のこともあるんだよね。だけどブルーノート東京では楽器が常にとても完璧で、それは全般的な雰囲気作りにおいてもとても大切なことなんだ。

ELDAR


Q.2
10月、ブルーノート東京に出演する時はどんな演奏を聴かせてくれますか?

☆ ELDAR :
Well, I’m excited about the release of Virtue – the new record. So we are going to be playing some tunes from the new record, and some tunes that I have been doing in the past – some standards and some older originals of mine. So there’s going to be a mix of those things.
:
そうだね、ニュー・アルバム『ヴァーチュー(美徳)』のリリースを嬉しく思っているんだ。だからその新しいアルバムから何曲か、さらに以前からやっているスタンダードを何曲かと、古い僕のオリジナルをいくつか演奏することになるだろうね。


Q.3
ニュー・アルバム『ヴァーチュー(美徳)』について、コンセプトを含めもう少し詳しく聞かせてください。ジョシュア・レッドマンとニコラス・ペイトンが参加していますよね。彼らと一緒に演奏をしたくて、オファーしたのですか?

☆ ELDAR :
Definitely. I’m very excited about this album because it is the best representation of me. It speaks about something I’ve wanted to accomplish for a few years, and I’m very happy that I had a chance to accomplish and put this record out. And I’m especially happy about the musicians on the record. The energy that I have with them – Armando Gola on the bass and Ludwig Afonso on the drums – have created and transformed many of my ideas into a vision that we melded together. And Joshua Redman, I’ve been a fan of his for a long time and I’ve known him. So it’s a pleasure to be playing with him on the record. And Nicholas Payton, I met when I was about 13 years old when I was attending the Brubeck Institute of the Arts in the University of Stockton. It’s a 2-3 week program that’s sponsored by Dave Brubeck, and he collects a bunch of different young musicians – like 13 to 17 something like that – and puts them together, and there’s a guest artist that teaches the kids. And Nicholas Payton happened to be the guest artist the year when I was there. I had a great time and I have a lot of respect for those musicians. And Nicholas is the nicest guy, and a magnificent trumpet player, so it was an easy connection to make and perfect for the record.
:
まさにその通り。このアルバムは自分をもっとも良く表現できたと思うから、とても興奮しているんだ。数年間成し遂げたいと思ってきたことを表現できたし、それをやり遂げアルバムとしてリリースする機会に恵まれて、本当にハッピーさ。とりわけ参加してくれたミュージシャンについては、とても嬉しく思っているよ。彼らと-ベースのアルマンド・ゴーラとドラムスのルドヴィック・アルフォンソと-一緒に持つことができたエネルギーが、僕の多くのアイデアを彼らと一緒に融合させ、それがひとつの光景へと創り上げられ、さらに変容を遂げたんだ。そしてジョシュア・レッドマン。僕は長年に渡る彼のファンだし、それによく知っていた。だからこのアルバムで、ジョシュアと一緒に演奏ができたのはとても嬉しかったよ。後はニコラス・ペイトン。13歳くらいの時、僕はストックトンのパシフィック大学のブルーベック・インスティテュート・オブ・アーツ(Brubeck Institute of the Arts)に通って、そこでニコラスに出会ったのさ。デイヴ・ブルーベックがスポンサーをしていた2-3週間のプログラムで、たくさんの様々な、13歳から17歳といった若いミュージシャンたちが一緒に集められていて、彼らを教えるためにゲスト・アーティストが来ていた。僕が参加した年に、たまたまニコラス・ペイトンがゲスト・アーティストとしていたんだ。本当に素晴らしい経験をしたし、そこにいたミュージシャンたちのことをとても尊敬している。ニコラスは特にいい人で、それに素晴らしいトランペット・プレイヤーだから自然につながりが生まれたし、それがこのアルバムにも完璧に作用したよ。

ELDAR


Q.4
天才と呼ばれることについてはどう感じていますか?

☆ ELDAR :
To be honest, I just try to practice. It was just a conversation that we had*, but to me, being passionate about the music is like music being kind of like a great barometer, something you can’t buy with money, something that’s pure to you as an individual. What you do with it has to do with you, and that’s something that I really appreciate about music. Because it’s so pure and really, things that are outside and not connected with music most of the time they never really connect in the most direct way with music as music and your personal relationship with music.* So I think “genius” or such words are irrelevant. What’s relevant is just playing music.
:
正直なところ、とにかく練習をしようとトライしているだけなんだ。話してきたように、僕にとって音楽に情熱的であるということは、一種の重要なバロメーターになっている。音楽はお金では買えない、一人の人間のように純粋なものだからね。音楽について自分がすることは自分自身に関係している−これが、僕は音楽について感謝していることだよ。なぜなら音楽は純粋で、ほとんど音楽とかかわりを持たない外の世界にあるものは音楽と音楽との、そして個人と音楽との関係に、直接的なやり方では、決してつながることは無いんだ。『天才』とか、そういう言葉に意味は無いよ。意味があるのはただ音楽をやっているという、そのことだけだ。


Q.5
多くのピアニストたちは、あなたが毎日どのくらい練習しているのだろうかと興味津々ですよ。

☆ ELDAR :
I think that just as many different personalities there are, different musicians practice at different certain times. But to me, practicing was something that I’ve done insistently* through my life. When I started playing at 5*, I consistently started practicing. At the time I was playing classical music, and my mom started me with classical music, at the time.* So I’ve practiced consistently throughout all my life. And as I got older, I practiced more because I consciously said to myself, “This is something that I’m interested in doing.” Not from a young kid’s perspective, but as I got older, it became more a part of me. So I think that* the more I developed that very real relationship with music, which can go lots of different ways. And I think that at the end of the day, it just matters, the amount of priorities you have and what you want to accomplish. And I choose to practice as much as I can so it ranges from, when I was in my teens, it would be 8 or 7 hours, but I try to get as much as I can, sometimes it can be 4 or 5 hours. But even if I’m traveling, I’ll try to squeeze in some practice time too. And a lot of times I write, and a lot of times I listen to music. So basically everything – my living – always revolves around music, even if I’m not practicing. In a way, it* revolves and touches music.
:
人はそれぞれ性格が違うから、ミュージシャンにとって適正な練習時間もいろいろだと思う。だけど僕にとって練習というのは、これまでの人生を通じて一貫して行ってきたこと。5歳のときにピアノを弾き始めて、堅実に練習をし始めた。母が最初はクラシック音楽からスタートさせたから、クラシックを演奏していた時のこと。それから年齢を重ねるにつれてもっと練習をするようになったよ。と言うのも「これは自分が興味を持ってやっていることだ」と自覚するようになったから。子供の立場ではなく年齢を重ね、大人になるにつれて練習が自分の一部になっていったんだ。成長するにつれて音楽と自分との本当に関係を発展させてきたし、それが様々な方向性を示してくれることもある。結局はどこにプライオリティーを置くのか、何を成し遂げたいのか、ということだと思うよ。僕はできるだけたくさん練習することを選んだら、結果的には10代のころは7-8時間練習をしていた。今でも、できるだけ沢山時間を取るようにしているよ。時には4-5時間ということもある。だけどたとえ旅行中でも、いくらかの練習時間を捻出するようにしているんだ。多くの時間を曲を書いたり、音楽を聴いてすごす。だから僕の人生では基本的にはすべてが、いつも音楽をめぐって展開している。たとえ練習をしていない時でもね。ある意味で自分の人生は音楽中心で、音楽に触れているんだ。




● ♪ BLUES SKETCH IN CLAVE





Q.6
電子楽器は、どのような目的で取り入れていますか?
作曲にも使うのでしょうか?

☆ ELDAR :
Yeah, definitely. I use it for two main purposes. On the record, I use a particular, I use a KORG on the record.* But I use it in a certain way where it’s consistent to the whole record. So it’s a certain very particular concept, that it’ used in and in a repetitive situations in a similar way for consistency.* But also, a lot of times I’ll use those things for composition and ideas. It’s funny, but a lot of the tunes on the record, before we actually played all those tunes, what I did was that I wrote all the music down for the piano and then I sequenced everything on the keyboard. And send mp3s [to the musicians]*, little music files of the tune that I programmed myself; with drums, bass and piano and everything that’s programmed already. So that the musicians who were learning the music, like Armando and Ludwig, had an idea of what it sounded like, and they knew how to learn it based on the music and based on the concept that they heard on the midi sketches I did for them.
:
そうだね、まさに。二つの目的のために使っているんだ。アルバム全体を通して主にKORGを一貫した、ひとつの方法で使っている。それはとても特殊なコンセプトで、一貫性をもたせるためにひとつの似た方法で、反復性をもって使っているんだ。だけどまた多くの場合、作曲やアイデア出しのためにも使うよ。面白いことに、アルバムの多くの曲において、実際に曲を演奏してみる前に僕がやったのは、すべての曲をピアノのために書き、それからキーボードですべてをアレンジすることだった。それからドラムス、ベース、ピアノのパート、そしてすでにプログラムしてあったすべてをmp3ファイルでミュージシャンたちに送るんだ。それでアルマンドやルドヴィック、僕の音楽を理解しようとしているミュージシャンたちはその音楽がどのように聴こえるのかがわかり、また彼らは僕がつくったMIDIのスケッチを聴くことで、その音楽やコンセプトを元に、僕の音楽を音楽を知る方法がわかったんだよ。


ELDAR


Q.7
それでは、あなたにとってアコースティック・ピアノとは?

☆ ELDAR :
That’s the basis of everything that I do. Everything else is just something that adds another element to it. Like I was saying, on the record I use a lead sound that I use consistently every time. So in a sense I’m not playing keyboards, I’m playing only one sound on the keyboard 99% if the time, and then the piano. So most of everything that I do is on the piano, and the lead sound on the keyboards. So it’s just one element that has to do with one particular sound, and one particular situation, which* I use for certain climaxes and certain levels of the music when it progresses onto a certain dynamic level. That I use that.* And it repeats itself on this record and many tunes in the same presentation.
:
僕のすること、すべてのベースとなるものだね。他のものはどれも、ただ別の要素をベースに足すだけもの。アルバムでは、一貫して毎回ひとつのリード・サウンドを使う。だからその意味で、キーボードについては弾いているのではなくて、時間で言えばキーボードを使う時間の99%はただひとつの音だけを出していて、そしてその後にピアノがあるんだ。僕がすることのほとんどはピアノでなされて、リードサウンドはキーボードによるもの。キーボードはひとつの特殊な音や、ひとつの特定な状況に関係する、ただの一要素。僕はそれをあるクライマックスに使い、音楽がダイナミックなレベルに達したときに使う。このアルバムで多くの曲に繰り返し使われ、同じように表現されるんだ。



Q.8
近い将来一緒に演奏してみたいと思うミュージシャンはいますか?

☆ ELDAR :
Yeah sure, there are a lot of different musicians that I admire. We were talking about those records... The first piano player that I ever actually heard was Oscar Peterson. And that was an inspiration for me to start playing music. But I listen to so many different musicians – pretty much everybody that you could think of. I listen to and try to learn as much as I can. I think as far as learning those things, it’s just a matter of what is the most attractive thing to your personality. So if you hear something and it connects to you, that’s the most important thing. But people like Pat Metheny, they have so much honesty and so much craft and creativity when they’re playing that’s based on their language, and it is so unique. And Chick Corea.. there are many different musicians that I admire.
:
ああ、もちろん。評価している様々なミュージシャンがいて、彼らのアルバムのことを話していたんだ・・・最初に聴いたピアニストはオスカー・ピーターソンで、それは音楽を始めるインスピレーションになった。だけどとても多くの、さまざまなミュージシャンの聴いているから−思いつく限り、ほとんど毎日。こうして多くのミュージシャンの音楽を聴き続ける限り、それはもう、何がもっとも自分にとって魅力的に映るかということになってくる。だからもし何かを聴いて、それが自分につながるものだったら、それがもっとも重要なものなんだ。そしてパット・メセニーのような人たち、彼らはとても誠実で本当に高い技能や創造性を持っていて、その演奏は彼らならではの言語に基づいたものだからとてもユニークだ。それにチック・コリア・・・沢山の、様々なミュージシャンを尊敬しているね。

ELDAR

→ CHICK COREAの公演詳細はこちらから


Q.9
『ジャズ』と言う言葉を聞いてどんなイメージが浮かびますか?

☆ ELDAR :
“Jazz”… Well I think to me, people refer to a certain kind of music that’s called “jazz”. I think the music itself what people refer to jazz*, stands for evolution. It should change and it should be a product of your environment, where you live what you experience and what you see. The more you experience and the more you see, the more dynamic I think it’s going to be. The more you can convey honestly through a language. That I feel like have put together on this record Virtue.* I think that's the reason why the name “virtue” means so much to me for this record, because it’s about integrity. It’s about being a reflection of your personality. It’s about being a reflection of subconscious events that happen to you. A series of subconscious events. your lifestyle, your energy that you’re surrounded to*… In my case, aside from the music, just being in New York, and playing as much music as I possibly can, and listening to so much music, and growing and progressing, that’s all so important for the music. “Jazz” I think, is just a term that in 2009, means that you put your own stamp on something. And if you can put your own stamp on something based on your own experiences, and based on your craft, based on your dedication, based on your level of passion that you have for music.. which I feel that way now that I’m older today.* I think I have more passion for the music than I’ve ever had, because now it’s so much more conscious, and it’s so much more ingrained in me. And now it’s so much more a part of me, than ever. It is who I am.
:
『ジャズ』・・・そうだね、人々はある種の音楽をジャズとみなす。僕は人々がジャズとみなす音楽それ自体は、進化を意味していると思う。変わっていくべきもので、人が住んでいるところ、経験するもの、目にするものといった環境の産物であるべきだ。より多く経験し、より多く目にするほどにダイナミックになっていくのだろうし、言葉を通してより正直に伝えることができるのだろうと思う。それがこの『ヴァーチュー(美徳)』で作り上げたかったこと。だからアルバムのタイトルが、自分にとってお大きな意味を持つんだ。誠実さに関わること、人格の反映、自身の潜在意識に起こった出来事の反映だから。一連の潜在意識での出来事、生活スタイルであるとか自身を取り囲む活力であるとか・・・僕の場合、音楽という存在のほかには、ただN.Y.にいることとか、そして可能な限り音楽を演奏すること、そして沢山の音楽を聴いて成長し進歩するという、こうしたすべてがおんがくという存在のために、とても重要なんだ。『ジャズ』とは思うに、2009念にはただ人が自身の刻印を何かに押すことを意味する言葉。そして自分の刻印を、自分の経験、技能、献身そして音楽に対して持っている情熱のレベルに基づいて何かに押すことができるならば・・・というのが、年齢を重ねた今日、自分が感じていること。今、音楽に対する情熱をこれまでになく持っていると思うよ。なぜなら今では、自分にとって音楽はとても意識的なもので、より深く自分に浸み込んでいるから。そしてこれまでに無かったほどに自分の一部になっているんだ。それが僕なんだよ。

ELDAR


Q.10
公演を楽しみにしている皆さん、そして今まであなたの演奏を聴いたことが無い方々にメッセージをお願いします。

☆ ELDAR :
From the messages that I write, the one thing that I always keep in mind is that I want them to have a great time. And I want them to have positive energy because the music is all about positive energy. And I want them to forget about negative things in their lives and I want to give them a certain emotion that’s positive. And another thing about music, to me, which is so important, is if you can make music that connects to someone to a certain degree where their moment of a memory gets enhanced, I think that’s so important. Because I know I’ve had many moments with music where I remember a certain moment in my life – where I remember a certain memory. And if I can do that for somebody else, that’s the most purest*, the most powerful thing that you could do through music. And whether it's a record, or whether it's a live performance, if I can give a person that memory, that enhanced moment with music, that means everything to me. Because it’s about honesty and integrity and direct connection, and that's what music is designed to be.
:
自分が常に心がけているのは、オーディエンスのみなさんに素晴らしい時間をすごしてもらいたいということ。それによって、皆さんに素晴らしい時間を過ごしてもらいたいということです。皆さんにポジティヴなエネルギーを持ってもらいたい。音楽はすべて前向きなエネルギーだから。そして人生のネガティヴなことを忘れてしまってほしいし、僕は皆さんに確かでポジティヴな感情というものを与えたいんだ。そしてもうひとつは音楽について。これはもっとも自分にとって重要なことだけれど、もし自分が誰かを、ある程度その人の記憶が活き活きと蘇る瞬間へとつなげることができる音楽を作れたなら、それはとても重要なことだと思う。なぜなら僕には、これまでの人生で覚えている瞬間、確かな記憶として覚えている、音楽と結びついた確かな瞬間がたくさんあるから。もし自分が他の誰かにそれをしてあげられたらそれは、音楽を通じてできるもっとも純粋で、力強いこと。そしてアルバムでもライブでも、その人に音楽で高められた一瞬を、その記憶を与えることができたなら、自分にとってはそれがすべて。なぜならそれは正直さ、誠実さ、そして直接のつながりであって、それが音楽というものの目指すところだから。

ELDAR




◆ ELDAR
 official web site : http://www.eldarjazz.com/



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2009/09/09

RAMSEY LEWIS , 特別インタビュー - - Interview : RAMS...


RAMSEY LEWIS



exclusive interview : RAMSEY LEWIS


ジャズ・ファンクのゴッド・ファーザーこと、ラムゼイ・ルイスにお話をうかがいました。
滞在中のホテル・自室へ取材班を快く迎え入れてくれたその姿は、まるで後光がさしているかのような印象を受けました。



Q. 1
あなたは'70年代からキーボードでの演奏もされていましたが、現在はピアノ・トリオの編成でツアーを行われることが多いようですね。ピアノ・トリオによる演奏の魅力を教えてください。

☆ RAMSEY LEWIS(以下、☆RL):
I started out playing with Trio, and that was a lot of fun. We had some good records and everything went well. But what happened, was that we were recording an album, and Maurice White from Earth Wind and Fire, said “I have a song for you.” And the song called for us to have a synthesizer, guitar, percussion, and drums, of course. And the song became a big hit; it was called Sun Goddess. And people wanted us to play it. So, to play the sound right, we needed an electric piano and synthesizers and such. So for the next 10 years, from about 1975, I was quintet and more. And at one point, we had about nine pieces on stage and it was really big! But after the show people would say, “Oh I loved your show, but I would like to hear more piano.” But well, when you have a lot of soloists on the stage, you say, “Ok, you can have a turn, and ok, now you have a turn.” And then there’s not much left. So I broke that group down to a quintet. It was guitar, synthesizers, piano, bass and drum. But about eleven years ago, Chucho Valdes – he was in Chicago and I saw him at the backstage at the Ravinia Festial – and he invited me to play the jazz festival in Havana. And I said, “Of course I’d love to do that.” So, to myself, I looked at the groups that were gonna be there, and they were all acoustic groups. So I said, “I think I’ll just take a trio.” So I called Larry Gray, and Ernie Adams – Ernie Adams is a drummer – and we went down there and we played. And it was such a big hit and people just enjoyed the trio. And then I had so much fun because there was so much freedom – just piano, bass and drums. No guitar, no synthesizers, and no percussion – there’s just a lot of freedom. So after the concert in Cuba, I said to Larry and Ernie, “You guys wanna be a trio? You wanna stay together and go on the road?” And they said “Sure!” and we did that.
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トリオで演奏し始めた時は、本当に楽しかったよ。いいアルバムもいくつか出して、すべてが順調に進んでいたんだ。ところがあるアルバムのレコーディング中にアース・ウィンド&ファイアーのモーリス・ホワイトが「君のための曲がある」と言ってきた。その曲にはシンセサイザー、ギター、パーカッションとドラムが必要でね。『サン・ゴッデス』というその曲は大ヒットした。そしてライブでもその曲をプレイして欲しいと要望され、正しいサウンドで演奏するために、エレクトリックピアノやシンセサイザーなどが必要になったのさ。だから1975年頃から10年間、私は5人編成かそれ以上のバンドでプレイしていたんだよ。一時はステージで演奏する人数が9人程になり、あれは本当に大所帯だったね。それでもショウの後で人々に言われたんだ。「素晴らしいショウだったよ。でももっと君のピアノが聴きたいな」って。だけど、ひとつのステージにソロプレーヤーが沢山いたとしたら「君の番だよ、はいOK、次は君の番」という具合に、それだけでショウが終わってしまうだろう。そこで私は、バンドを5人編成に縮小したんだ。ギター、シンセサイザー、ピアノ、ベースとドラムにね。それが約11年前、チューチョ・ヴァルデスが――その時シカゴに来ていて、ラヴィニア・フェスティバルの楽屋で会ったんだ――ハバナでのジャズ・フェスティバルに招待してくれた。私は「もちろん喜んで」と答えた。フェスティバルに出演する他のグループを調べてみると、みんなアコースティックのグループだった。そこで私も「トリオで行こう」と決めたんだ。そしてラリー・グレイとアーニー・アダムスに声をかけ――アーニーはドラマーだよ――ハバナに行って演奏した。我々のプレイは大好評で、観客はトリオを本当に楽しんでくれた。ピアノとベースとドラムだけという編成には沢山の自由があって、私自身も本当に楽しめたんだ。ギターもシンセサイザーもパーカッションも無い代わりに、そこには自由が満ち溢れていた。だからキューバでのライブの後、ラリーとアーニーを「トリオで活動しないか?このまま3人でツアーに出ないか?」と誘ったら、彼らは「もちろん!」と答えてくれた。こうして、トリオが発足したんだ。

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After about a year, Ernie Adams, the drummer, he wanted to go to Europe for a while. Al Di Meola invited him to do a long tour – a nine-to-ten month tour. So I was looking for a drummer and Larry found Leon Joyce. And so Larry and Leon now have both been with me for about 10 or 11 years. And I like the freedom of it. I like playing solo piano, too, so sometimes during the sets, sometimes I let them take a break and I play solo. But, the fun of playing with Larry and Leon is that we know each other so well musically that we can take a lot of chances and feel comfortable that we’re safe taking those chances. So I’m happy with the trio.
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その後1年が経ち、ドラマーのアー二ー・アダムスが少しの間ヨーロッパに行きたいと言い出した。アル・ディ・メオラから、9〜10ヶ月に渡る長いツアーに誘われたんだ。そういうわけで新たなドラマーを捜していると、ラリーがレオン・ジョイスを見つけてきた。それ以降ラリーとレオンの2人は、もう10〜11年ほど私と一緒にプレイしている。私はその自由さが好きなんだ。私は一人でピアノを弾くのも好きだから、時にはライブの途中で2人に休憩を取ってもらい、私がソロを弾くこともある。でもラリーとレオンと一緒にプレイする楽しさは、お互いの音楽を知り尽くしている仲間として、色々なことを試せるし、それを安心して試すことが出来るという点にあるんだ。だから私はトリオを組んでとても幸せだよ。

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Q.2
今お話の中で登場した、CHUCHO VALDES の魅力とは?

☆ RL :
Chucho Valdes is a great technician. But not only does he have a lot of technique, he has a big soul, a big heart, and is a big man! But he’s a wonderful musician and I always enjoy listening to him play.
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チューチョ・ヴァルデスは素晴らしい技術の持ち主だ。でも彼は技術だけでなく、大きな魂と大きな心を持った偉大な男だよ!もちろん素晴らしいミュージシャンでもあり、私は彼のプレイを聴くことが大好きなんだ。

CHUCHO VALDES

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Q.3
青少年の育成にも力を注がれていると聞いております。その活動についてお聞かせ下さい。

☆ RL :
I formed The Ramsey Lewis Foundation with my wife Jan about three years ago. And the whole idea of the foundation was to encourage young people to stay in school. And we found that a great hook to get them interested was music! And I’m a musician. So, we use music in that way. Many of the kids were interested in music and some of them went on to stay in the music field. Some of them used their knowledge in music to enjoy and be an educated consumer and they went on to be doctors or lawyers. But last year I had a bought with my health and I was in the hospital for some time. The work of the foundation is big, so the foundation is no longer that active. But however, my wife Jan and I still make through the foundation major contributions to schools and organizations that promote student well-being through music.
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私と妻のジャンは3年ほど前にラムゼイ・ルイス基金を設立した。その目的は、若い人達がより長い間学校で学ぶことを奨励することだ。私は音楽が彼らの興味を惹く大きな手掛かりであると気付いた。そして私自身もミュージシャンだ。だから音楽をその手段に利用することにしたんだよ。子供達の多くは音楽に興味を持っていて、その中の一部はその後も音楽の分野に留まっていった。他にも、音楽を楽しみ、音楽の知識を消費者として生かしながら、医者や弁護士の道に進む者もいたよ。ところが昨年、私の健康上に問題が起きてしばらく入院していたんだ。基金の仕事は負担も大きいため、今は少し活動を控えている。それでも妻のジャンと私は、今でも基金を通じて学校や団体に対し、音楽を通して生徒達の心身を向上させるために多大な貢献をしているんだ。

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Q.4
『JAZZ』ということばを聞いて、どのようなイメージがわきますか。
また、そのあなたの中で浮かんだ『JAZZ』は、例えば 10年後にどのようにあってほしいですか?

☆ RL :
Well, when I hear the word “jazz” the first thing that comes to my mind is improvisation and creativity. First thing that comes to my mind when I hear the word “jazz” is spontaneity. When I hear the word “jazz,” I think of being in the moment, and allowing yourself to play what you feel in that moment. When I hear the word “jazz” I think of those people who came before us, Louis Armstrong and Duke Ellington and Charlie Parker and Dizzy Gillespie, and the list just goes on – it’s a little longer than that – and what they started. And jazz has grown and split and splintered into different segments and styles and genres and that’s good, it’s all about self-expression. But, along the way jazz lost some audience, and I would like to come up with a way to get that back. There was a time when jazz was included not only as an art form but as a form of entertainment. Now many musicians prefer not to be the entertainment side, they wanna just be the art side. And sometimes the music is a little complex. And we lose some of the audience that are not as well-adept, not as well-educated, in the music to understand what a lot of the complexities are. And the music evolves. Ten years from now, for me, it would be great if jazz once again became the music of the people. At one time jazz was the music of “the people”. People danced to it, people made love to it, they had dinner to it. Jazz was the background music – the soundtrack, if you will – of a lifestyle. Maybe it’s only wishful thinking, but I would love if jazz once again became America’s popular music. If not only America’s popular music, but the world’s popular music. It’s probably one of the most important art forms – in fact, it’s the only art form – that is exported from the United States. Everything else from the United States – classical music, opera, and ballet – all came from Europe. But Jazz originated in the United States. Of course now you hear it everywhere and it’s played by everybody from every ethnic background, which is wonderful! But I would like to see it once again become very popular.
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“ジャズ”という言葉を聞いて私の頭にまず思い浮かぶのは、即興と創造性だね。そして心のままに反応するということだ。“ジャズ”という言葉を聞くと、その時と空間の中に自分の身を置いて、そこで感じるままにプレイすることを想像する。私は“ジャズ”という言葉を聞くと、ルイ・アームストロングやデューク・エリントンやチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーなど、挙げればきりがない程続く先代のミュージシャン達の名前を思い浮かべ、彼らが生み出したものの偉大さを思う。その後ジャズは成長し、枝分かれをして異なる分野やスタイルやジャンルを派生させていった。結局それは全て自己表現であり、どれも素晴らしいものだ。でもその成長の途中で、ジャズはある部分の観客を失ったことも事実で、私は彼らを取り戻す手段を考えたいんだ。ジャズには、芸術の形としてだけでなく、ひとつのエンターテイメントの形として認識されていた時代があった。今では多くのミュージシャン達が、エンターテイメント性を好まずに、ただ芸術という面だけに固執している。音楽とは時に複雑にからみあった要素を持つものだ。そして、音楽の複雑さを作り出す要素のほとんどを理解できるほどの教養を持った人はそう多くはないから、そうでない観客を失ってしまうんだ。更に、音楽は常に進化している。今から10年後に、再びジャズが人々のための音楽になることが出来たら、それは素晴らしいと私は思うよ。ジャズには“人”のための音楽だった時代がある。ジャズの音楽に乗って人々は踊り、愛し合い、食事を共にした。ジャズは人生のBGM、言うならばサウンドトラックのようなものだったんだ。希望的な観測かもしれないが、私はジャズが再びアメリカのポピュラーミュージックになってくれればと思っている。アメリカだけに留まらず、全世界のポピュラーミュージックにね。ジャズは世の中で最も重要な芸術形式のひとつだと言えるだろうし、実際のところアメリカが海外に輸出した唯一の芸術でもあるんだ。例えばクラシック音楽、オペラ、バレエなどは、すべてヨーロッパから来た芸術だ。でもジャズというのはアメリカで誕生したものだ。今では全世界で聞かれているし、どんな人種的背景を持つ人でもプレイしているという事実は、実に素晴らしいじゃないか!とにかく、私はジャズがもう一度全世界のポピュラーミュージックに返り咲く日を自分の目で見てみたいよ。

RAMSEY LEWIS

I just think of myself as a piano player. And I think that it’s important to have a rapport with the audience. I think it’s important for the audience to feel that you are happy they came to see you. That you owe them that. That if you don’t appreciate the money that they’re spending to sit there or the money they’re spending to buy your albums, then you might as well sit home and play in your closet. But any time numbers of people spend dollars or yen to come and see you or buy your CD, then you owe them the respect to acknowledge them in a pleasant way.
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私は自分のことをピアノ奏者だと思っている。そして、観客との間に親密な関係を築くことが大事だと思っているんだ。自分のプレイを見に来てくれた人々を見てプレーヤーが得る喜びを、観客も感じ取れることが大事だと思う。私達には観客に対してその義務があるんだ。彼らはお金を払ってまで、私達のプレイを見に来たり、アルバムを買ってくれたりしている。そのことに感謝をしないプレーヤーは、家から出ずにクローゼットの中に篭もってただ引いていればいいんだよ。私達のプレイを見るためやCDを買うために、実際にお金を支払ってくれている人達が大勢いるのだから、彼らに対して敬意を払い、良い気分になってもらえるように努力するのは当然のことなんだ。

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