'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , RUFUS , SLY STONE - - report : RUFUS f...
2010/01/17
公演初日リポート:RUFUS featuring SLY STONE
ルーファス、そしてスライ・ストーン。ファンクの2大伝説が、ここ東京でステージを共にしています。考えれば考えるほど、信じられないことです。
プログラムはまず、ルーファス単独のパフォーマンスから始まります。いまなおチャカ・カーン在籍時代の人気が圧倒的に高いルーファスですが、現在のヴォーカル陣の充実ぶりこそ、はっきりいって史上最高といっていいのではないでしょうか。4人の女性シンガーいずれもリード・ヴォーカルOK、コーラスばっちりという超実力派揃いなのです。とくに、前回の登場でも客席を沸きに沸かせたマダム・ディーの絶好調ぶりには耳が吸い寄せられました。マダムの熱唱を聴くと、まず誰もが並外れた声量に圧倒されることと思いますが、もちろん彼女はただの大声シンガーではありません。抜群のリズム感、ピアノ〜フォルテの絶妙なコントロールを伴った上での、岩をも崩すようなシャウトなのです。グループの中心人物であるトニー・メイデンとケヴィン・マーフィーは、本当に得がたい歌い手を見つけたものです。
「TELL ME SOMETHING GOOD」、「SWEET THING」、各シンガーをフィーチャーしたシットリ系のメドレーなどなど、もう何もいうことはありません。
やがてバンドが「DANCE TO THE MUSIC」のイントロを演奏します。いよいよお待ちかね、スライ・ストーンの登場です。2008年に彼がスライ&ザ・ファミリー・ストーンを率いて来日したとき、誰もが自分の目を疑ったはずです(日本に来ることはもちろん、カムバック不能であるとすら思われていたのですから)。ぼくもその公演を目撃しましたが、実際のところ“動くスライ”を観て興奮しているうちに時間が経ってしまった、というのが正直なところです。したがって今回は、つとめて落ち着いて楽しもうと心がけたのですが、やっぱりどうしても冷静にはなれません。みんな彼の再来日を待っていたのでしょう、オーディエンスの盛り上がりも爆発的です。スライは確実に前回より調子を取り戻しているように思いました。ルーファスのサポートも、スライに対する敬意が感じられるものでした。
ルーファス&スライ。前代未聞の両者のコラボレーションは、日を追うに従って、さらにファンキーでタイトになってゆくことでしょう。
(原田 2010/1/16)
● 1.16sat.-1.23sat.(1.18mon.OFF)
RUFUS featuring SLY STONE