'12 Bloggin' BNT by 原田和典 - - report : GEORGE ...
2010/03/13
- report : GEORGE DUKE @ COTTON CLUB
ジョージ・デュークは絶好調です。
プロデューサー、作曲家としても数え切れないほどの栄誉に輝いているジョージですが、やっぱりキーボードを弾いているときの彼は格別です。久々の来日となる今回の公演はずばり、“パフォーマー=ジョージ・デューク”の本領発揮といえるものでしょう。
3月11日と12日には「コットンクラブ」に出演、昨晩は「モーション・ブルー・ヨコハマ」にも登場しました。そして15日月曜、ジョージ・デューク・バンドはブルーノート東京に登場します。ぼくは12日の「コットンクラブ」に行ってきましたが、大変な盛り上がりでした。このテンションを持続して、彼らはブルーノート東京のステージに立つことでしょう。以下は、12日ファースト・セットのリポートです。
「今日は来てくれてありがとう。いろんな種類の音楽をプレイするので、どうか楽しんでいってください」。そういいながら、ジョージ・デュークはキーボードの前に座りました。
それからの約90分間は、ほんとうに「いろんな種類の音楽」の宝庫でした。いわゆる4ビート・ジャズからブラジリアン・ミュージック、サルサ、ファンク、ディスコ、ニューオリンズ風のビート、レゲエ、ブルース、ロックンロール、アフリカン・ミュージックなどの要素を感じさせるナンバーやパッセージが、次々と飛び出してくるのです。
ほかのミュージシャンがたまたま同じようなことをやったとしても、それはとっちらかった、ただ散漫なものになるでしょう。しかしジョージが演奏すると、それはすべて“ジョージ・デュークの音楽”という統一感に彩られます。あらゆる音楽を愛し、プレイしてきた彼だからこそ成しえる離れ業です。ぼくは、いろんなおかずがつまった幕の内弁当を食べるような気持ちで、ジョージのライヴ・パフォーマンスを楽しみました。
もちろん「SWEET BABY」、「SHINE ON」など‘80年代のビッグ・ヒットも取りあげてくれましたし、’76年にビリー・コブハムと組んでいた双頭バンドのレパートリーも聴かせました。自身が育ったサンフランシスコ・ベイ・エリアに捧げた「SAUSALITO」は、サンバのリズムに乗ったアコースティック・ピアノの響きが、ひとあしもふたあしも早い夏を運んでくれたような気分を運んでくれました。
ジョージ・デューク船長が案内する“音楽の航海”。それは本当に気持ちいい体験です。
(原田 2010/3/12)
●3.15mon.
GEORGE DUKE BAND