'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , RON CARTER - - report : RON CAR...
2010/05/04
公演初日リポート:RON CARTER with RUSSELL MALONE & JACKY TERRASSON - THE GOLDEN STRIKER TRIO -
“ミスター・ベース”、ロン・カーター率いるゴールデン・ストライカー・トリオの公演が始まっています。
重鎮、巨匠、名手などなど、彼を形容するフレーズには限りがありません。が、ぼくはここに“超人”という言葉を敬意と共に付け加えたいと思います。スケジュールを見ると、ロンは5月1日までスティーヴ・キューン(ピアノ)のバンドでニューヨークの「バードランド」に出演していました。“ゴールデン・ストライカー・トリオ”の「ブルーノート東京」における初日が昨日5月3日。ニューヨークと東京の間には約14時間の時差がありますから、「バードランド」での公演を終えたロンはただちに飛行機に乗って成田空港に到着、「ブルーノート東京」のステージに立ったことになります。
これを超人といわず何といいましょう。しかし彼は本当にタフです。キューンのバンドとはまったく音楽性の違うゴールデン・ストライカー・トリオで、とても初日とは思えないほど、よくまとまり、よくなじんだ音の会話を聴かせてくれました。まさしくプロフェッショナル中のプロフェッショナルです。
これまで『ゴールデン・ストライカー』、『イッツ・ザ・タイム』というアルバムを発表しているゴールデン・ストライカー・トリオですが、今回の公演はCDと違ってロン、ラッセル・マローン(ギター)、ジャッキー・テラソン(ピアノ)という顔合わせです。もちろんこの3人が日本で揃って共演するのは初めて。クラシック畑での経験も豊富なテラソンの起用は、とくにスロー・バラードで効果をあげていました。超満員のオーディエンスが、文字通り物音ひとつたてずにシンと静まり、達人たちの妙技に酔いしれたのです。
本日5月4日はロンの誕生日です。我々ファンにとっても、ロン自身にとっても、忘れられないバースデイ・コンサートになることでしょう。また5月5日は、「Real Jazz Experience for Children」と題する家族向けのプログラムが予定されています。かつて息子に「First Trip」という曲を書いたことのあるロンです。ハートウォーミングなステージになることは間違いありません。
親日家としておなじみのロンですが、来日するたびに、彼と日本のファンの距離はより近くなっているようです。
(原田 2010/5/3)
● 5.3mon.-5.8sat.
RON CARTER with RUSSELL MALONE & JACKY TERRASSON - THE GOLDEN STRIKER TRIO -