BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2010/06

2010/06/14

- - report : PAT MET...

PAT METHENY
PAT METHENY


- report : PAT METHENY ORCHESTRION @ すみだトリフォニーホール



2008年から2009年にかけて行なわれた"グループ"でのブルーノート東京公演も記憶に新しいパット・メセニーが、この6月11日と12日に「すみだトリフォニーホール」でコンサートを開催しました。最新作『オーケストリオン』からのナンバーを中心としたステージです。

オーケストリオンとは何か。それを説明するには19世紀のヨーロッパまでさかのぼらなければならず、さらに膨大な文字数を必要とするのですが、この場合は“無人オーケストラ”と考えてよいのではないでしょうか。自動演奏装置のついたドラムス、木琴、ピアノ等と一緒にメセニーが演奏し、アンサンブルをつくりあげていくのです。

前半は無伴奏のソロ・パフォーマンスで構成されていました。いわゆる通常(というのも変ですが)のエレクトリック、アコースティック・ギターのほか、バリトン・ギター(より低い音が出る)、ピカソ・ギター(42弦)などを曲ごとに持ち換えながらの熱演です。メセニーの後方には、なにか巨大な山のようなものがあるようなのですが、布がかかっていて中身は見えません。

舞台が暗転し、布が取り払われると、いよいよオーケストリオンとの共演がスタートします。とたんにあがった「ウワー!」という歓声は、「ついに新作のナンバーが始まった」という喜びと、「なんだ、この装置は?」という驚きがミックスしたものでしょう。“架空の共演者”たちの楽器は、商品棚のような設備の中に整列されています。ドラム・セットは解体されて横並びになり、ステージ左右に配置された鉄琴や木琴の鍵盤の間では、色とりどりのマレットが上下します。ステージ上は、楽器店というより、金物店のようです。両翼には理科室の試験管のようなものにオイルを入れて鳴らす "笛" のようなサウンドのものなど、興味は尽きません。

メセニーはエレクトリック・ギターを弾いて弾いて弾きまくります。ぼくは十数回、彼のライヴを見ていますが、ここまで熱く弾きまくった姿を見るのは初めてです。しかし、その一方で、彼は自動演奏装置を巧みに(クールに)扱わなければならない役割も自身に課しているのですから、まったく驚くべき多重人格ぶりではあります。ぼくが見た12日は、『オーケストリオン』収録曲のほかに、メセニーがこよなく敬愛するオーネット・コールマンの曲(「ターンアラウンド」、「ブロードウェイ・ブルース」)なども“架空の共演者”たちと聴かせてくれました。鳴り止まないスタンディング・オベーション応え、アンコール、再アンコール、そして再々アンコールとなった最後の曲は、完全にその場のインプロビゼーションによる楽曲だったと後で聞いたときは驚嘆でした。

オーケストリオン・プロジェクトを考えてからというもの、メセニーは何度も「アー・ユー・クレイジー?」と訊ねられたそうです。また、メセニーは、「このオーケストリオンまだまだ未開拓で、さらにさらに色々なことができるんだ」と周囲に語っていたそうで、 40年近くのキャリアを持ち、数々の栄誉に輝くビッグ・スターである彼が、今もますます“クレイジー”に磨きをかけているということは、本当に素敵です。これからも世界中のクレイジーなファンに、クレイジーな音を届け続けてほしいなあ、と心から思いました。
(原田 2010/6/14)




PAT METHENY

photo:K. Miura



2010/06/12

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 - - report : "To Gro...

ザ・ミュージック・オブ・グローヴァー・ワシントンJr.-The Music of Grover Washington Jr.
ザ・ミュージック・オブ・グローヴァー・ワシントンJr.-The Music of Grover Washington Jr.

公演初日リポート:Celebrating The Music of Grover Washington Jr.
"To Grover with Love"



ミュージック・シーンの“裏方”として絶大な信頼を得るキーボード奏者&プロデューサーが、今から10数年前に亡くなったサックス奏者のレパートリーを演奏する。
もちろんその“裏方”がジェイソン・マイルスで、サックス奏者がグローヴァー・ワシントンJr.なのですから、充実したプログラムにならないわけがありません。しかし、この来日が発表されたとき、正直言ってぼくはこうも思いました。

「これはまた、ずいぶん渋いステージだな。ジェイソンは、日本ではまだ有名ミュージシャンになろうとしている途中だし、若いリスナーはグローヴァーの現役時代を知らないはずだ。お客さんがいっぱい来てくれるといいけれど」。
ぼくの余計な思いは、クラブに入った瞬間に杞憂となりました。超満員の大熱狂です。演奏の高まりにあわせるように、観客がグワッと盛り上がります。オーディエンスが、バンド・メンバーの一員となったかのように一体化しています。

ぼくは「ジェイソン、グローヴァー、ごめんなさい」と、ただちに考えを改めました。ジェイソンはすでにここ日本で十分な人気アーティストであり、グローヴァーの音楽はしっかり受け継がれ、聴き継がれていました。このライヴにつめかけた幅広い客層や、イントロが飛び出すだけで湧き上がる拍手と声援に接して、それをはっきり認識しました。

サックスは、エリック・ダリウス(グローヴァーの死と入れ替わるようにシーンに登場しました)と、アンディ・スニッツァーが担当しました。ふたりとも決してグローヴァーのコピーをせず、自分のスタイルを貫いていたのも好感が持てました。メタル・マウスピースを使って鋭い音でブロウするエリックのアルト・サックス、細かいフレーズを使いながら次第に“アウト”していくアンディのテナー・サックス、どちらも「すがすがしい」という言葉がピッタリのパフォーマンスでした。スペシャル・ゲストのラルフ・マクドナルドは決して派手なプレイをしませんでしたが、ステージの後方に彼の姿があるだけでバンド全体の重心が下がるような気がします。ラルフとバディ・ウィリアムスがリズムを引き締めてくれるから、サックス奏者もジェイソンもギター奏者のニック・モロックも、奔放に演奏できるのでしょう。

これまでジェイソンは『グローヴァー・ワシントンJr.・トリビュート』、『イヴァン・リンス・トリビュート』、『ウェザー・リポート・トリビュート』等のアルバムを発表しています。しかしこれはみんな邦題、英文タイトルにはトリビュートのトの字もありません。かわりに記載されているのはLoveやCelebratingといった単語。この日のジェイソンたちはたしかに、偉大なるグローヴァーの音楽をいっぱいの愛と共にセレブレイトしていました。
(原田 2010/06/11)




● 6.11fri.-6.14mon.
Celebrating The Music of Grover Washington Jr.
"To Grover with Love"
starring Jason Miles, Andy Snitzer, Eric Darius, Nick Moroch, Gerald Veasley & Buddy Williams with special guest Ralph MacDonald

ザ・ミュージック・オブ・グローヴァー・ワシントンJr.-The Music of Grover Washington Jr.


2010/06/08

'11 BNT : What's Happenin' ! - ツイッター “ブル...

ツイッターブルーノート東京リツイートキャンペーン

ツイッターのブルーノート東京オフィシャル・アカウントから、
6.8tue.13:15頃に発信したツイートをRT(リツイート)
していただいた方のなかから抽選で、2組4名様を
現在開催中のリシャール・ガリアーノ・フレンチ・タッチ・トリオ
公演にご招待します(6.10thu.1st & 2nd、各1組2名様ずつ)。
※発表は当選者ご本人への連絡をもってかえさせていただきます。

ツイッター ブルーノート東京オフィシャルアカウント
@BlueNoteTokyo  ★ハッシュタグ:#bntokyo


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 応募方法:メールでお申し込みください。
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【応募締切】
 2010 6.9wed. 17:00まで

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 ブルーノート東京リツイートキャンペーン応募

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2010/06/07

RICHARD GALLIANO - ☆ P+M映像 : RICHA...

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☆ RICHARD GALLIANO FRENCH TOUCH TRIO

フランスの大衆音楽である“ミュゼット”をジャズ、タンゴ、
ブラジル音楽、ラテンを融合させてワン&オンリーのサウンドを
生み出してきたボタン・アコーディオンの第一人者、
カンヌ出身のリシャール・ガリアーノ。
“フレンチ・タッチ・トリオ” 公演の
初日のパフォーマンス&メッセージ映像をアップしました!
公演は6.10thu. まで。




●6.7mon.-6.10thu.
RICHARD GALLIANO FRENCH TOUCH TRIO



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , RICHARD GALLIANO - - report : RICHARD...

リシャール・ガリアーノ-RICHARD GALLIANO
リシャール・ガリアーノ-RICHARD GALLIANO


公演初日リポート:RICHARD GALLIANO FRENCH TOUCH TRIO



“1秒たりとも聴き逃せない”とは、こういうステージに対して使う表現なのだと思います。
溢れんばかりの美しすぎるメロディ、メロディ、メロディ。そして奥行きのあるハーモニーとリズム。そこにユーモアと洒落た風格(これが本物のエスプリというものなのでしょう)が加わった世界は、まさしくワン&オンリー。万雷の拍手に包まれながら高揚した面持ちでステージを降りるリシャール・ガリアーノに、ぼくは“ブラボー、マエストロ!”と声をかけたくなりました。

ガリアーノが演奏するのはボタン式アコーディオンです。大抵のアコーディオン奏者は椅子に座ってプレイします。しかしガリアーノは、楽器をより心臓(ハート)に近づけるかのように、楽器を抱えながら立って演奏します。アコーディオンはもともと大変に形状の美しい楽器です。それがガリアーノの手にかかると、魔法の道具にも変化します。すべての指が自由自在に楽器の上を動き、すべての音が彼の“声”となって客席に伝わります。ボタン式鍵盤は遠目から見ると真珠のようにキラキラと光っています。

もちろん“フレンチ・タッチ・トリオ”の構成員であるギターのジャン・マリー・エカイ、ベースのジャン・フィリップ・ヴィレも密度の濃いプレイを聴かせてくれました。ヴィレはコントラバス・アンサンブル“オルケストラ・ド・コントラバス”での超絶的なアルコ(弓弾き)でも知られていますが、この日はピチカート(指弾き)を中心に痛快にスイングしていました。エカイはフュージョンもロックも何でもこなす奏者ですが、この日はアコースティック・ギターに専念し、ロマンティックなプレイでガリアーノのアコーディオンを引き立てておりました。

ステージはトリオ演奏のほか、ギターやベースとのデュオ、無伴奏アコーディオン・ソロ、口笛とのユニゾン、そして“歌口のついたそろばん”と形容したくなる珍しい楽器=アコーディーナによるパフォーマンスなど、多彩な内容で構成されていました。ガリアーノは、あのアストル・ピアソラにも賞賛された巨匠です。もっと偉そうに振舞っても、誰も文句のいえないレベルに達した存在です。しかし彼は本当に謙虚そのもの、オーディエンスひとりひとりの心に届くように誠心誠意、演奏します。

実をいうとぼくがガリアーノのライヴに接したのはこれが初めてです。何度か来日している人気アーティストなのに、なぜか生を見る縁がなかったのです。だけど今回、ステージを体感できて本当によかった。ますますガリアーノの音楽が好きになりました。こういうことがあるから、ライヴ・ウォッチングは本当にやめられません。公演は10日まで続きます。皆さんもぜひ、ガリアーノの魔術に酔いしれてください!
(原田 2010/6/7)

 
● 6.7mon.-6.10thu.
RICHARD GALLIANO FRENCH TOUCH TRIO


リシャール・ガリアーノ-RICHARD GALLIANO


2010/06/02

MIKE STERN , RICHARD BONA - ☆ P+M映像 : MIKE ...

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☆ MIKE STERN BAND featuring RANDY BRECKER, RICHARD BONA & DAVE WECKL

最強のメンバーたちが繰り広げる、白熱のセッション!
マイク・スターン・バンド・フィーチャリング・ランディ・ブレッカー、
リチャード・ボナ&デイヴ・ウェックル公演、
初日のパフォーマンス&メッセージ映像をアップしました!
公演は6.6sun. まで。




●6.1tue.-6.6sun.
MIKE STERN BAND featuring RANDY BRECKER,
RICHARD BONA & DAVE WECKL



'11 BNT : What's Happenin' ! - ツイッター “ブル...

ツイッターブルーノート東京リツイートキャンペーン

ツイッターのブルーノート東京オフィシャル・アカウントから、
6.2thu.8:00p.m.頃に発信したツイートをRT(リツイート)
していただいた方のなかから抽選で、2組4名様を
現在開催中のマイク・ スターン・バンド公演に
ご招待します(6.4fri.と6.6sun.、各日1組2名様ずつ)。
※発表は当選者ご本人への連絡をもってかえさせていただきます。

ツイッター ブルーノート東京オフィシャルアカウント
@BlueNoteTokyo  ★ハッシュタグ:#bntokyo


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