'12 Bloggin' BNT by 原田和典 - - report : SAM MOO...
2010/12/14
公演初日リポート:SAM MOORE
ワン・アンド・オンリーの“ミスター・ソウルマン”、サム・ムーアが元気な姿を見せてくれました。
ホーン・セクション、リズム・セクション、バック・コーラス(みなさん、お綺麗です。サムの好みなのでしょうか)で構成された大所帯を従えての、貫禄あふれるステージです。音楽監督(バンマス)はサム・ファンにはもうすっかりおなじみ、ひょうきんベーシストのイヴァン・ボドリーが担当します。
インストゥルメンタルの「PETER GUNN」等、ノリノリのナンバーが続いたところで、「HOLD ON, I'M COMING」のメロディが演奏されます。途端、客席のボルテージは急上昇。本日のメイン・イヴェント、サム・ムーアのステージが始まるのです。以前の公演におけるサムは、「HOLD ON, I'M COMING」に乗って舞台に現れても、決して歌詞を歌いませんでした。「過去、飽きるほど歌ってきたので、もう歌う気はないんだ」というようなことを語っていたインタビューを読んだことがあります。しかしこの日は、軽くですが、ワン・コーラス歌ってくれました。たったひと声で、サムは観客をひきつけてしまいました。
「I THANK YOU」などサム&デイヴのヒット曲はもちろんのこと、ベン・E・キングの「DON'T PLAY THAT SONG」、レイ・チャールズの「I'VE GOT NEWS FOR YOU」等のR&Bクラシックスもサム流に解釈。ジャコ・パストリアスのアルバムにゲスト参加したときに歌った「COME ON, COME OVER」が出てきたのも嬉しかったですね。イヴァンのベースも、目を閉じて聴けば“伝説の天才”ジャコが弾いているかのように響きます。
サムは、たまにマイクから離れて生声で歌うのですが、これもまた絶品なのです。ゴスペルで鍛え、激動のR&B〜ソウル・ミュージック・シーンを疾走した持ち主の喉は、今も楽器の音を突き破って届いてくるほど鮮やかで、生き生きとしています。
熱いヴォーカルと、見事にまとまったバック・バンド、そしてファンの心を知り尽くした選曲。これまでサムの来日公演に何度も足を運んできた方、そして初めてサムを聴こうという方、両方を満足させてくれる内容だと思います。
(原田 2010/12/13)
● 12.13mon.-12.15wed.
SAM MOORE