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'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , PEABO BRYSON - - report : PEABO B...

2011/02/02

ピーボ・ブライソン - PEABO BRYSON
ピーボ・ブライソン - PEABO BRYSON


公演初日リポート:PEABO BRYSON with special guest CHANTÉ MOORE



1年で最もロマンティックな時期であるバレンタイン・シーズンに、今年もピーボ・ブライソンはラヴ・ソングの花束を持ってきてくれました。「ピーボのライヴを見なければバレンタインの来た気がしない」と、息せききってこの公演に駆けつけた常連ファンのみなさんも多いのではないでしょうか。

もちろんオープニング・ナンバーでは恒例の“全員握手”がおこなわれます。全米No.1ヒットを持つグラミー・ウィナー、大スターのピーボが、客席をくまなくまわって握手してくれるのです。その大きく暖かい手には、彼がいままで身につけてきたさまざまな音楽経験がしみこんでいるかのようです。オーディエンスはもちろん大喜び、握手の後は熱唱につぐ熱唱でクラブの熱気をどんどん高めていきます。

毎年、心のこもったショウを聴かせてくれるピーボですが、彼は登場ごとにガラリと音楽性を変えるようなアーティストではありません。自分の心から愛する曲を厳選し、長い時間をかけてじっくり歌いこんでゆくタイプです。スティングの「SET THEM FREE」、シャーデーの「KING OF SORROW」あたりはここ数年、必ずとりあげているナンバーですが、その熟成された歌唱はカヴァー・ヴァージョンの域を超えています。まさしくピーボは、こうした曲を自分の血肉としているのです。

“デュエットの達人”ピーボは毎回、素敵な女性シンガーを連れてきてくれます。今回、パートナーを務めたのはシャンテ・ムーアです。ピーボとは2世代ぐらい離れているのではないかと思いますが、実力者どうしのコンビネーションに年齢の差は感じられません。シャンテはソロ・ナンバー「LOVE'S TAKEN OVER」でトレードマークといえる超高音を響かせ、ピーボの十八番「TONIGHT, I CELEBRATE MY LOVE」でも、オリジナル・ヴァージョンで歌ったロバータ・フラックとは一味ちがう軽やかな歌声で見事なハーモニーを聴かせました。

アップ・テンポのナンバーで観客を乗せ、ギターの弾き語りで酔わせ、バラードでうっとりさせ、デュエットで心を奪い去るピーボ。今回も彼の心憎いほどのエンタテインメントに、120%の満足を味わいました。
(原田 2011 2.1)


● 2.1tue.-2.5sat.
PEABO BRYSON with special guest CHANTÉ MOORE


ピーボ・ブライソン - PEABO BRYSON