BlueNote TOKYO
ARCHIVE 2011/11

2011/11/28

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , ROY HAYNES , SAVION GLOVER - - report : ROY HAY...

ロイ・ヘインズ - ROY HAYNES
ロイ・ヘインズ - ROY HAYNES


公演初日リポート:
ROY HAYNES FOUNTAIN OF YOUTH BAND
Jammin' with SAVION GLOVER



ジャズの豊かな歴史を象徴するドラマー、ロイ・ヘインズとタップ・ダンスのカリスマ、セヴィアン・グローヴァー。「ブルーノート・ニューヨーク」でも大評判を呼んだ二人の共演が、いま東京で実現しています。

会場はもちろん超満員。幅広い層のオーディエンスは、両者のファンがこぞってかけつけた結果でしょう。ステージはまず、ヘインズ率いる“ファウンテン・オブ・ユース・バンド”の演奏から始まりました。ジャリール・ショウ(サックス)、ジョン・サリヴァン(ベース)は近年のレギュラー・メンバーですが、今回はここにベテラン(といってもヘインズとは親子ほど歳が離れていますが)のデヴィッド・キコスキーがピアニストとして参加します。いまから20年ほど前、ぼくがヘインズのライヴを初めて見たとき、そこでピアノを弾いていたのが若き日のキコスキーでした。ヘインズは彼のピアノが大好きなのでしょう。

セロニアス・モンクの「TRINKLE,TINKLE」や「GREEN CHIMNEYS」を演奏した後、いよいよスペシャル・ゲストであるセヴィアン・グローヴァーが登場します。以前マッコイ・タイナー・ビッグ・バンドと共に「ブルーノート東京」に出演したことをご記憶のファンも多いことでしょう。「ジョン・コルトレーンの音楽は自分にとってバイブルのようなもの」と語るセヴィアンにとって、コルトレーンとの共演経験を持つマッコイやヘインズと共演することは、言葉にできないほどの喜びであるに違いありません。

セヴィアンはただタップを踏むだけではなく、まるでジャズ・ミュージシャンのように自由自在に即興をします。ヘインズとのデュオでは、まず互いのフレーズをドラムとタップで真似しあうところから始まり、やがて一体となって猛烈にスイング、最後にはチャーリー・パーカー(ヘインズは20代の頃、彼のバンドで演奏していました)の書いた「MOOSE THE MOOCHE」へとたどりつきました。ドラムとタップだけで、あの起伏に富んだメロディが表現されるのは、文字通りの驚きです。

続いて“ファウンテン・オブ・ユース・バンド”とセヴィアンのセッションで、やはりパーカーの「CONFIRMATION」、パット・メセニーの「QUESTION AND ANSWER」がプレイされます。セヴィアンのフットワーク、そしてタップ音が4人の演奏に溶け込み、当夜はさらなるクライマックスを迎えました。

「アメイジング!」とセヴィアンを紹介するヘインズ、そして最敬礼でヘインズに応えるセヴィアン。「まだ演奏を続けたいんだ」といわんばかりに、名残惜しそうにステージを去るヘインズの姿も印象に残りました。彼らのコラボレーションは30日まで続きます。ジャズ・ファン、ドラム・ファン、タップ・ファンの皆様、お見逃しなく!
(原田 2011 11.28)


●11.28mon.-11.30wed.
ROY HAYNES FOUNTAIN OF YOUTH BAND
Jammin' with SAVION GLOVER


ロイ・ヘインズ - ROY HAYNES


ROY HAYNES - ☆ パフォーマンス...

御年86歳にして、ますます精力的な活動を展開。
「過去は振り返らない。ひたすら前進あるのみ」と豪語するジャズ・レジェンド、
ロイ・ヘインズの公演にタップダンス界のトップ・スターである
セヴィアン・グローヴァーが特別参加。
現代最高峰タップダンサーの足さばきと、ロイのパワフルなドラム・プレイが
どのようにカルテットのサウンドと融合し、調和するのか。
初日のパフォーマンス映像をご覧ください。
公演は11.30wed. まで。

●11.28mon.-11.30wed.
ROY HAYNES FOUNTAIN OF YOUTH BAND Jammin' with SAVION GLOVER



2011/11/25

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , ALFREDO RODRIGUEZ - - report : QUINCY ...

アルフレッド・ロドリゲス - ALFREDO RODRIGUEZ
ジョー・サンプル-JOE SAMPLE


公演初日リポート:
QUINCY JONES PRESENTS
ALFREDO RODRÍGUEZ TRIO



マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィス、フランク・シナトラ等とコラボレーションを繰り広げてきた“アメリカ音楽界のボス”、クインシー・ジョーンズが今、最も力をこめて売り出している存在がアルフレッド・ロドリゲスです。

キューバのハバナ生まれ。幼少の頃からピアノをはじめ、名門音楽院を卒業後、2006年にはスイスの世界的ジャズ祭、モントルー・ジャズ・フェスティヴァルに出演。絶賛を博し、2009年からはアメリカを拠点に世界的な活動を繰り広げています。そんなロドリゲスの最新トリオによる初来日公演が今、ブルーノート東京で行なわれているのです。

ステージにあらわれた彼は、いきなり長時間のソロ・パフォーマンスを展開しました。クラシック〜現代音楽への深い造詣をうかがわせるような、広がりのあるハーモニーと超絶的なテクニックがクラブに響き渡ります。やがてベースのレイニエ・エリザルデ、ドラムスのヘンリー・コールが入り、インプロヴィゼーションにさらに熱が加わります。

ぼくがロドリゲス・トリオのプレイを生で聴いたのは今回が初めてなのですが、まっさきに思い浮かべたのは、どんなラテン系ピアニストの演奏よりも、ボブ・ジェームスのファースト・アルバム『ボールド・コンセプション』でした。そういえばボブもクインシーに認められてレコード・デビューを果たしたひとりです。ロドリゲスもボブ同様、多くのひとに長く愛されるアーティストに成長してゆくのでしょう。

2曲目には大スタンダード・ナンバー「QUIZAS, QUIZAS,QUIZAS」が演奏されました。先日のブルーノート東京でJUJUがヴォーカル・ヴァージョンを聴かせてくれたばかりですが、ロドリゲスはドラマティックに、ときに原曲のハーモニーを変えながらこの曲をプレイします。まるでシンフォニーを聴いているような気分になってくるのですが、このあたりのアレンジ能力もクインシーのお気に召したのかもしれません。

いっぽう、「CU-BOP」では、セロニアス・モンク作「エヴィデンス」に基づく即興演奏が行なわれます。ロドリゲスのプレイにはますます熱が入り、前のめりの姿勢になって、椅子の脚を浮かせながら一心不乱に鍵盤に指を走らせます。ドラムスのヘンリー・コールはシンバルをこすったり、その表面をスティックで強く押しつけるように叩く等、いろんな手法を使って音色にニュアンスを加えていました。

高度なテクニック、恵まれた容姿、いまやトレードマークとなった髪の毛の後ろ結び。輝かしい未来が約束されたも同然のアルフレッド・ロドリゲスは、すでに巨匠への一歩を踏み出しているのかもしれません。要チェックの公演は明日まで続きます。
(原田 2011 11.24)


●11.24thu.-11.26sat.
QUINCY JONES PRESENTS
ALFREDO RODRÍGUEZ TRIO


アルフレッド・ロドリゲス - ALFREDO RODRIGUEZ


2011/11/24

ALFREDO RODRIGUEZ - ☆ パフォーマンス...

カウント・ベイシーやフランク・シナトラの編曲、マイケル・ジャクソンやパティ・オースティンの
プロデュースを担当した“アメリカ音楽界のマエストロ”、クインシー・ジョーンズ。
彼が現在、「最も注目すべき才能」と賞賛している逸材が、ピアニストのアルフレド・ロドリゲスだ。
この秋には、クインシーのQwestレーベルから待望のファースト・アルバムを発表予定。
クインシーをノックアウトした若き才人の、日本初のクラブ・ギグ、
初日のパフォーマンス映像をアップしました!
公演は11.26sat. まで。

●11.24thu.-11.26sat.
QUINCY JONES PRESENTS ALFREDO RODRIGUEZ TRIO



2011/11/23

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , GROOVE CONNECTION - - report : Blue No...

グルーヴ・コネクション - GROOVE CONNECTION
グルーヴ・コネクション - GROOVE CONNECTION


公演初日リポート:
Blue Note Tokyo presents GROOVE CONNECTION
featuring Neal Evans, Eric Krasno (Soulive), Louis Cato (DMS),
Ohyama "B.M.W" Wataru & Kadota "JAW" Kousuke (PE'Z)
with special guest Orianthi



超豪華セッションが昨日と本日の「ブルーノート東京」を彩ります。

題して、グルーヴ・コネクション。ソウライヴのニール・エヴァンスとエリック・クラズノーの“ぜひ日本でスペシャル・セッションを行ないたい”という呼びかけに応えて、PE'ZのOhyama“B.M.W”WataruとKadota“JAW”Kousuke、マーカス・ミラー・バンド他で活動するルイス・カトが終結、さらに公演直前になって“マイケル・ジャクソン、最後のリード・ギタリスト”として脚光を浴びたオリアンティがスペシャル・ゲストとして参加することが決まりました。このメンバーが集まれば、ノリノリでダンサブル、火の出るようなセッションになることは150%確実です。

オープニングはニール、エリック、ルイスによる“変形ソウライヴ”というべき演奏で始まりました。ニールがキーボードから放つ左手のベース・ラインはますます図太く超人的なものとなり、エリックはチョーキングを交えたプレイで場内を盛り上げます。ソウライヴでデビュー当初は帽子を目深にかぶり、椅子に座って演奏していましたが、現在の彼は帽子をとり、上体を大きく揺らしながら立ってギターを弾きます。ニールとエリックの間に位置するルイスは、ふたりのプレイに絶えず視線を送りながら、タイトなビートを送り出していきます。音色のエッジが立っていて、リズムがうねっています。なるほど、マーカス・ミラーやジョージ・デュークに愛されるわけです。

続く「IS THAT IT?」からはPE'Zのふたりも参加します。これはニールの自作ですが、曲調は、マニアックな言い方を使わせていただくと“ブルーノート4300番台、プレスティッジ10000番台”的な、とことんファンキーなもの。1960年代後半から70年代前半にかけてのアメリカン・ブラック・ミュージックへのリスペクトを感じさせるメロディに、ホーン・セクションの響きがよく似合います。

オリアンティは「CAUSE WE'VE ENDED AS LOVERS」から登場。スティーヴィー・ワンダーの作曲、というよりもジェフ・ベックの名演でおなじみのナンバーですね。彼女はメロディをほぼストレートに奏でながら、しだいにタッピング、アーミング等の技も織り交ぜてゆき、やがて驚きの超絶フレーズ(速すぎて、まるで指が止まっているように見えました)を連発、この曲を自身の色に染め上げました。

エリックとオリアンティ。世界有数のギタリストがふたりいるのですから、どうしてもバトルを期待したくなってしまいます。ラストの「GET BACK」では二人のギターが火を噴きました。一音一音を確実にピッキングするエリックと、一回のピッキングでどれだけ多くの音を出すかを追求しているようなオリアンティ。そのプレイのコントラストが最も際立ったのが、このビートルズ・ナンバーでした。演奏中、互いのギター・フレーズに寄せたエリックとオリアンティの笑顔が、このグルーヴ・コネクションの大成功を象徴していたように、ぼくには感じられました。
(原田 2011 11.22)


● 11.22tue.-11.23wed.
Blue Note Tokyo presents GROOVE CONNECTION
featuring Neal Evans, Eric Krasno (Soulive), Louis Cato (DMS),
Ohyama "B.M.W" Wataru & Kadota "JAW" Kousuke (PE'Z)
with special guest Orianthi


●11.25fri. はモーション・ブルー・ヨコハマにて公演
 ※オリアンティは出演いたしません。

GROOVE CONNECTION - グルーヴ・コネクション


2011/11/22

GROOVE CONNECTION - ☆ パフォーマンス...

ジャズ・ファンクのNo.1ユニット“ソウライヴ”のニールとエリックを中心に、
人気ミュージシャンが集結するスペシャル・セッションを開催!
“DMS”のドラマーとして注目を浴びるルイス・カト、
“PE'Z”のOhyama "B.M.W" WataruとKadota "JAW" Kousuke。
そして、マイケル・ジャクソン・バンドの最後のリード・ギタリストをつとめた
オリアンティという豪華なメンバーによる公演、
初日のパフォーマンス映像をアップしました!
公演は11.23wed. まで。

●11.22tue.-11.23wed.
Blue Note Tokyo presents GROOVE CONNECTION
featuring Neal Evans, Eric Krasno (Soulive), Louis Cato (DMS),
Ohyama "B.M.W" Wataru & Kadota "JAW" Kousuke (PE'Z)
with special guest Orianthi



2011/11/18

JACO PASTORIUS BIG BAND , RICHARD BONA - ☆ パフォーマンス...

☆ パフォーマンス映像 : JACO PASTORIUS BIG BAND

超人的なベース・プレイと作編曲でジャズ〜フュージョンに革命を起こした
天才ミュージシャン、故ジャコ・パストリアス。彼の生誕60年を記念して、
ジャコ存命中の頃から指揮者を務め、ジャコが築いたサウンドを継承している
ピーター・グレイヴスのビッグ・バンドが登場。
スペシャル・ゲストとして、大のジャコ・フリークとして知られる
リチャード・ボナ、ウェザー・リポートでジャコと鉄壁のリズム・セクションを
組んだピーター・アースキンが参加。
初日のパフォーマンス映像をアップしました。
公演は11.20sun. まで。


●11.17thu.-11.20sun.
JACO PASTORIUS BIG BAND -Celebrating 60th Birthday-
with special guest RICHARD BONA & PETER ERSKINE
and introducing DAMIAN ERSKINE



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