'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , LARRY CARLTON - - report : LARRY C...
公演初日リポート:LARRY CARLTON QUARTET
featuring GREG MATHIESON, ABRAHAM LABORIEL & KEITH CARLOCK
フュージョン〜コンテンポラリー・ジャズ・ファン垂涎のプログラムが、ただ今おこなわれています。不滅の人気を誇るギター・ヒーロー、ラリー・カールトンが、なんと’70年代後半〜’80年代前半のレパートリーを目の前で演奏してくれるプレミア級のライヴです。
クルセイダーズから独立したカールトンは、1978年に『夜の彷徨』をリリース。この中の「ROOM 335」が大ヒットを記録し、彼の名は大きく広まりました。その後も『ストライクス・トワイス』、『夢飛行』といった快作を連発。どれもがフュージョンの金字塔といっていいでしょう。
場内はもちろん、立錐の余地もないほどの満員。カールトンがステージに歩み寄るだけで、ものすごい声援と拍手が響き渡ります。いきなりガンガン盛り上げていくのかと思ったら、最初は無伴奏ソロから始まりました。客席はシーンと静まり返り、ギターの美しい音色がクラブを満たしてゆきます。そして次に彼自身がベースのエイブラハム・ラボリエル、キーボード奏者のグレッグ・マティソンといった“戦友”たち、そしてドラムスのキース・カーロックを紹介して、4人揃ってのセッションが始まります。
“おや、この聴き慣れたイントロは?”と思うやいなや、オーディエンスは大騒ぎ。そうです、「ROOM 335」の最新ヴァージョンです。「335がなければカールトンのライヴは成立しない」といわれるほどの定番ナンバーですが、マティソンやラボリエルと一緒にプレイするこの曲をナマで聴けるとは、まさか思いませんでした。
その後も、愛娘に捧げた「SONG FOR KATIE」(この日が誕生日だったそう)、「RIO SAMBA」、「SLEEPWALK」(もともとは’50年代にサント&ジョニーという二人組が流行らせたナンバーで、’80年代にカールトンがリバイバル・ヒットさせました)等の定番から、通好みのナンバーまで次々と登場します。あれから30年が経ち、カールトンもマティソンもラボリエルも、外見上はそれなりに年齢を重ねています。しかし曲やプレイの鮮度はまったく失われていません。最年少(1971年生まれ)のカーロックは、これまでスティング、ダイアナ・ロス、リチャード・ボナ等と共演し、スティーリー・ダンのツアー・メンバーも務めたことのある凄腕です。彼の的確で無駄のないドラム・プレイも、このステージの大きな聴きどころでした。
公演は31日まで続きます。また9月にはカールトンの盟友であるボブ・ジェームスが、やはり’70年代のレパートリーに的を絞ったスペシャル・ライヴを「ブルーノート東京」で行ないます。こちらもぜひチェックしてください!
(原田 2012 7.28)
<LARRY CARLTON QUARTET JAPAN TOUR スケジュール>
● 7.28sat.-7.31tue.【東京】Blue Note Tokyo
●8.2thu.【名古屋】Nagoya Blue Note
●8.3fri.【福井】Heartopia Harue
8.4sat.【富山】Mirage Hall
8.6mon.【大阪】Umeda Club Quattro