BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , INCOGNITO - - report : INCOGNI...

2012/08/09

インコグニート - INCOGNITO
インコグニート - INCOGNITO


公演初日リポート:
INCOGNITO with special guest LEON WARE



ブルーノート東京に欠くことのできない存在、ブルーイ率いるインコグニートが今年も最高にハッピーでファンキーなステージを届けに来てくれました。

思えば昨年3月の震災後、公演をキャンセルすることなく日本にやってきて、音楽の力で多くの人々を勇気づけたのもインコグニートでした。そしてブルーイ自ら数多くのミュージシャンに呼びかけて、チャリティ・ソング「Love Will Find A Way」を完成させました。彼の中には、常に“LOVE”というキーワードがあります。音楽に対する愛、人々に対する愛、地球に対する愛・・・その“愛”に共感する人々は今なお増える一方。立錐の余地もないほどの超満員の中、最新のインコグニート・サウンドが響き渡りました。

メインはもちろん、ニュー・アルバム『SURREAL』からのレパートリーです。まだ22歳の若さというパーカッション奏者、ジョアン・カエターノを含むバンドのノリはどこまでも磨きぬかれ、ブルーイのリズム・ギターも相変わらず冴え渡っています。モー・ブランディス、ヴァネッサ・ヘインズ、ナタリー・ウィリアムスという3人のシンガーたちはソロで歌っても、ハーモニーを聴かせても極上。あらためてブルーイのタレント・スカウト能力の高さに感心させられます。

そして、今回のライヴには、マイケル・ジャクソンやマーヴィン・ゲイに曲を提供し、ソロ・シンガーとしても数多くの名盤を発表しているリオン・ウェアがスペシャル・ゲストとして参加。ブルーイはリオンを「音楽の天才」と賞賛し、「彼と共演することがインコグニート全員の夢だった」と興奮を隠しません。そしてアンコールでは、リオンがマーヴィン・ゲイと共作した名曲中の名曲「I WANT YOU」が披露されました。リオンとインコグニートは、まるで何十年もの知り合いだったかのように、まとまりのあるアンサンブルを聴かせます。ブルーイは続けて、こう言いました。「この曲を、世界中でいろんなひとが歌い、演奏してきたと思う。だけどその作者と一緒に、しかも同じステージでプレイできるチャンスは、めったにない。夢が東京で叶ったんだ!」。

公演は11日まで続きますが、リオンは12月に再びブルーノート東京に戻ってきて音楽生活50周年記念ライヴを開催します。スペシャル・ゲストはシャンテ・ムーア。今からわくわくしてくるじゃないですか。
(原田 2012 8.9)


● 8.8wed.-8.11sat.
INCOGNITO with special guest LEON WARE
☆ 参考:セットリストはこちら


インコグニート - INCOGNITO