BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , NILE RODGERS & CHIC - - report : NILE RO...

2011/04/13

ナイル・ロジャース - NILE RODGERS
ナイル・ロジャース - NILE RODGERS


公演初日リポート:NILE RODGERS & CHIC @COTTON CLUB

すっかり春の風物詩となった、ナイル・ロジャース&シックのステージ。明日から「ブルーノート東京」公演が始まりますが、それに先立つ4月12日、彼らは「コットンクラブ」で初めてのライヴを行ないました。
しかも、ナイルが病から復活を遂げる姿を祝いに、多くの方が詰めかけました。

場内が暗くなると同時に、ナイルがこれまで発表したヒット・チューンのタイトルが次々とアナウンスされます。“この曲を作ったのもナイルだったのか!”と、その有名曲の多さにため息をついていると、いつの間にかメンバーがバンドスタンドに並んでいます。全員、白を基調としたコスチュームで統一しています。実に、chic(あかぬけている)です。

名プロデューサー、名ソングライター、名ギタリスト、名エンターテイナーであるナイルは、ファンの求めるものを心憎いほど熟知しています。ブルーノート公演はこれからなので曲目については当日の楽しみにしておきますが、「この曲をオープニングで聴きたいな」と思えばその曲でステージが始まり、「アンコール前はこの曲で徹底的に盛りあげてほしいな」と思えばその曲がエンディングに飛び出します。

ナイルはシックを率いるだけではなく、いろんなミュージシャンと組んでメガ・ヒットを出してきました。マドンナ、ダイアナ・ロス、デヴィッド・ボウイ・・・彼らに提供した大ヒット曲も、たっぷりライヴで楽しませてくれるのですから、まさしく出血大サービス級のメニューといえましょう。後半には過去の「ブルーノート東京」公演でもおなじみの、撮影コーナーもありました。念のために説明させていただくと、これはステージ上のナイル&シックを手持ちのカメラ(携帯もOK)で撮影できるという、他のアーティストのライヴでは考えられないような企画です。画像をナイルのホームページに送ると掲載してもらえるということもあって、多くのファンがシャッターを押しておりました。

ライヴ中盤ではなんと、日本が生んだ名曲「上を向いて歩こう」を披露。キンバリー・デイヴィスのソウルフルなヴォーカル(英語詞)をフィーチャーしながら、ゴスペル・バラード風のアレンジで聴かせてくれました。3月11日以降、いろんなひとがいろんなところで「上を向いて歩こう」を歌っているのではと思いますが、ナイル&シックのヴァージョンは、ことさら心に沁みました。彼らは日本を愛し、ぼくら日本のファンは彼らを愛している。この関係は永遠に続くことでしょう。本日4/13wed.、NHK BS1 『エル・ムンド』(出番は23:20頃〜)の生出演も予定しているようで、今回ライヴに脚を運べない方はその姿を是非見てください。

4/18mon. は、15年前ここ日本で亡くなった盟友・バーナード・エドワーズの命日。
「毎年、この季節に来日することに意味がある」と語るナイルですが、ご本人にとってもファンにとっても、今回の来日公演はたくさんの想いが詰まった、永遠に忘れることのないものになるでしょう。
(原田 2011 4.12)


【ON AIR 情報:ナイル・ロジャース生出演】
4/13wed. NHK BS1 『エル・ムンド』(MC : アンドレア・ポンピリオ、マギー)
***出演は23:20頃〜、 生演奏予定あり!
http://www.nhk.or.jp/elmundo/


4/15fri. J-WAVE 『JK RADIO TOKYO UNITED』(MC : ジョン・カビラ)
*** 生演奏予定あり!
http://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/



● 4.14thu.-4.18mon. @BLUE NOTE TOKYO
NILE RODGERS & CHIC

●4.17sun. [1stショウ]20歳未満の方にもご入場いただける特別公演
●4.17sun.:[2ndショウの途中]『シック・ギター・コンテスト 2011ファイナル』を開催





NILE RODGERS & CHIC - ☆ P+M映像 : NILE ...

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☆ NILE RODGERS & CHIC (COTTON CLUB)

ブルーノート東京公演に先駆け、コットンクラブで行われた
ナイル・ロジャース&シックのパフォーマンス&メッセージ映像をアップ!
ブルーノート東京には4.14thu. から登場、
4.17sun.の1stショウは20歳未満の方にもご入場いただける特別公演、
2ndショウの途中では『シック・ギター・コンテスト 2011ファイナル』を開催!
ぜひお見逃しなく。

●4.14thu.-4.18mon.
NILE RODGERS & CHIC



NILE RODGERS & CHIC - ☆ P+M映像 : NILE ...

2010/04/30

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☆ NILE RODGERS & CHIC

“ダンス・ミュージックの帝王” ナイル・ロジャース、そして
数多くの大ヒットを飛ばしたスーパー・バンド、シック。
初日のパフォーマンス&メッセージ映像をアップしました!
ギター・コンテストも公演中開催(決勝は公演最終日の5.2sun.)。
4.30fri. から再び登場、お見逃しなく!




●4.24sat.-4.26mon., 4.30fri.-5.2sun.
NILE RODGERS & CHIC



'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , NILE RODGERS & CHIC - - report : NILE RO...

2010/04/25

ナイル・ロジャース-NILE RODGERS
ナイル・ロジャース-NILE RODGERS


公演初日リポート:NILE RODGERS & CHIC


とても4月とは思えなかったここ数日の寒さがウソのように、きのうの東京は晴れ渡りました。
ナイル・ロジャース&シックのゴキゲンなファンキー・サウンドを迎えるのに、これほどふさわしい気候はなかったのではないでしょうか。

昨年は“ジャズ・クラブでお花見を”というコンセプトのもと、特別に持ち込まれた桜の木をバックにハッピー&ダンサブルなセッションを繰り広げてくれた彼ら。しかし今年は、ミュージシャン自身が暖かな春を運んできてくれたようです。

今回のツアーは、「LE FREAK(おしゃれフリーク)」、「GOOD TIMES」をはじめとする泣く子も踊り出す大ヒット曲や、恒例の“ギター・コンテスト”(ライブ中にアーティストから参加を呼びかけられた時に立候補して、「LE FREAK(おしゃれフリーク)」をバンドと一緒に弾く。各セットの優勝者は5月2日に行なわれる決勝大会に出て、そこで勝利したひとにはナイルのサイン入りギターがプレゼントされる)に加え、もうひとつ大きな目玉があります。ナイルの音楽生活を総括したボックス・セットの発売予告を兼ねて、彼が手がけた数々の歴史的ナンバーが、シック名義で日本初披露されたのです。今回、新たにメンバーに加わったメキシコ出身のメリッサ・ヒメネスがマドンナの定番「LIKE A VIRGIN」を歌い、ドラマーのラルフ・ロールはデヴィッド・ボウイのビッグ・ヒット「LET'S DANCE」でソウルフルな喉を響かせます。

そのほかにも、知ってる曲が出るわ出るわ・・・・。プログラムのおしまいで、ナイルは「今夜やった曲は全部オレが書いてプロデュースしたんだぜ! 信じられるかい?」とオーディエンスに語りかけていましたが、本当に彼の才能には驚かされるばかりです。しかもそれが決してお高くとまった芸術的なものではなく、常にダンサブルでハッピー、庶民的なのですから本当に嬉しくなってしまいます。長年にわたって誰もが口ずさむような曲を書き続けているナイルのようなミュージシャンのほうが、小難しいことをやって一部にありがたがられる向きよりもよほど高度で尊い。ぼくはそう思います。

白を基調にしたメンバーのコスチュームも実にお洒落でした。見ても聴いても踊っても最高。やっぱり彼らはとことんchicな連中です。
(原田 2010/4/24)




● 4.24sat.-4.26mon., 4.30fri.-5.2sun.
NILE RODGERS & CHIC


ナイル・ロジャース-NILE RODGERS


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2009/04/04

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- 原田和典の公演初日リポート : CHIC featuring NILE RODGERS


ああ、楽しかった!
これに尽きます。シック・フィーチャリング・ナイル・ロジャース公演。モーレツに盛り上がりました。ステージ両脇には大きな桜の花が飾られ、ミラーボールもぐるぐる回転。エンディングでは撮影タイムまでありました(カメラを持って会場にいらっしゃった方、本当に良かったですね)。まさに、出血大サービスです。

ナイル・ロジャースの名前をご存じないという方も、必ずどこかで彼の創り出した音に接しているはずです。「レッツ・ダンス」(デヴィッド・ボウイ)、「ザ・リフレックス」(デュラン・デュラン)、「シーズ・ザ・ボス」(ミック・ジャガー)などなど。マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』のメイン・プロデューサーでもありました。ダイアナ・ロスの「アップサイド・ダウン」、シスター・スレッジの「ウィ・アー・ファミリー」もナイルのプロデュースですね。

しかし、ナイルは敏腕プロデューサーであると同時に“ライヴ大好き人間”でもあるのです。それが本当によくわかるのが、彼のマザーシップといえるユニット“シック”によるステージ。シルヴァー・ローガン・シャープ、フォラミ・トンプソンなど歌姫たち、踊るパーカッション奏者ジェラルド・ヴェレスを始めとする各メンバーも目と耳の両方を楽しませてくれましたが、サウンドの司令塔は言うまでもなくナイルです。ギターを持ち、ジョークを飛ばし、シンガーと共にリフレインを歌う彼の、なんと嬉しそうなことでしょう。もちろん得意技“カッティング”もたっぷり聴かせてくれました。

“カッティング”とは、いってみれば、音楽の専門用語です。と書くと、ちょっと難しく感じられるかもしれませんが、ようするにギターの和音をドラムのように演奏することです。ぼくはこう、簡単に簡単に解釈しています。だからリズム感、切れ味が命です。おいしいトンカツ屋のオヤジが刻むキャベツの千切りのように、音を歯切れよく、小気味よく刻まなければならない。ナイルのカッティングは天下一品です。この“刻み”のひとつひとつが、ぼくらファンの心と体を弾ませるのです。

ステージ後半では、今やすっかり恒例となったコーナー“君も今日からナイル・ロジャース!”(←ぼくが勝手につけたタイトルです)も開催されました。腕に覚えのあるお客さんがステージにあがりギターを借りて、ナイルの目前で「おしゃれフリーク」のイントロを弾くわけですね。ぼくが見た日は6人のお客さんが、なりきりナイル・ロジャースしていましたが、皆さん本当にうまい。しかも堂々としています。本物のシックを伴奏にギターを弾く・・・・気持ちいいだろうなあ。しかも目前にナイル・ロジャース御本人。すごいですよ、これは。孫の代まで誇れますよ。

演奏曲は、“オール・リクエスト大会”といいたくなるほど良く知られたものばかり。「ダンス・ダンス・ダンス」、「おしゃれフリーク」、「グッド・タイムス」、ダイアナ・ロスで流行った名曲「アイム・カミング・アウト」も楽しませてくれました。ライヴというよりもパーティという言葉が似合う、飛び切りにぎやかな夜をありがとう!
(原田 2009/4/3)


4/3 fri - 8 wed, CHIC featuring NILE RODGERS


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1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。
著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム)
『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、
『世界最高のジャズ』(光文社新書)、
『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。
共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、
監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。



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