BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , ERIC BENET - - report : ERIC BE...

2012/05/17

ERIC BENET - エリック・ベネイ
ERIC BENET - エリック・ベネイ


公演初日リポート:
ERIC BENÉT



自身のレーベル、Jordan House Recordsから発表された最新アルバム『ザ・ワン』も大好評。現代R&B界を牽引する大エンターテイナー、エリック・ベネイが日本に戻ってきてくれました。

開演前から、場内は押すな押すなの大盛況。女性リスナーやカップルのお客様が多めなのも彼のライヴの特徴ですが、この日はいつもよりも外国人のオーディエンスがさらに多かった気がします。バンドの演奏が始まり、観客の間を縫ってエリックが登場すると、もうすでにスタンディング・オヴェイションの嵐です。ベスト・ドレッサーとしても知られる彼は、今回もスーツとネクタイでビシッとキメています。

2002年のブラック・リール賞に輝いた「LOVE DON'T LOVE ME」を歌った後、“最初のアルバムからの曲だ”といいながら「SPIRITUAL THANG」、“この曲を、とくに女性の皆様に捧げたい”と「CHOCOLATE LEGS」を熱唱。いずれもエリックのライヴでは欠かせないナンバーで、ぼくも何度かナマで聴いたことがありますが、この日の歌唱はお客さんの熱狂的な反応を受けてか、以前にも増してエネルギッシュでエモーショナルだったように感じられました。

続くMCで、エリックはこんなフレーズを口にしました。“公園を歩いていて、季節が春に変わることに気づいたとき。暗闇を歩いていて、恋人たちの仲むつまじい姿が見えたとき。そんなとき、ぼくはこんな気持ちになる。フィール・ライク・メイキン・ラヴ”。

外国人オーディエンスの間からすかさず“キャーッ!”という声があがります。ロバータ・フラックやマリーナ・ショウでおなじみ、「FEEL LIKE MAKING LOVE」のカヴァーです。10年ほど前にはディアンジェロもとりあげていましたが、エリックのヴァージョンも極上の出来。ほんとうに彼は“ラヴ”という言葉が似合います。

その後も新作からの「Harriet Jones」、「Real Love」、アース・ウィンド&ファイアー、オージェイズ、バーケイズ等の大先輩たちに敬意を表した「FEEL GOOD」、すべてのオーディエンスがコーラスで参加したといっても過言ではない「DON'T LET GO」など黄金のナンバーが続きます。“結婚式でよく歌われているんだよ”という前置きで始まった「SPEND MY LIFE WITH YOU」(1999年、R&Bチャート第1位)は、デニース・ジャネイとのツイン・ヴォーカルで聴かせてくれました。

伸びやかな地声、“本当に男性の声なのだろうか?”と不思議になってしまうほど美しく透き通ったファルセット、そしてセクシーでダンディなパフォーマンス。エリック・ベネイは今夜も、完璧なステージで「ブルーノート東京」を大いに沸かせてくれることでしょう。
(原田 2012 5.16)


● 5.16wed.-5.17thu.
ERIC BENÉT
☆ 参考:セットリストはこちら


ERIC BENET - エリック・ベネイ


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2011/09/18

エリック・ベネイ - ERIC BENET
エリック・ベネイ - ERIC BENET


公演初日リポート:ERIC BENÉT @Motion Blue yokohama



しばらく延期になっていたエリック・ベネイの公演が、今、最高のテンションで行なわれています。「名古屋ブルーノート」での初日を経て、丸の内「コットンクラブ」でのステージを大成功させたエリックは、昨日「モーション・ブルー・ヨコハマ」に出演。本日から「ブルーノート東京」に登場します。なにしろ満を持しての来日です。「ぜんぶの会場で聴く」というファンも多いのではないでしょうか。

ぼくは「モーション・ブルー・ヨコハマ」で彼の“現在”を味わってきました。土曜日のファースト・セットは午後5時30分から始まります。クラブの窓から見える外の風景はまだ明るいのですが、エリックが登場し、パフォーマンスが進んでいくにしたがって陽が落ちてきて、アンコールの頃にはすっかり夜になっています。エリックの歌に酔いしれながら、日没を迎える・・・・たまらなくいい気分です。

ステージにあらわれたエリックは相変らずダンディです。歌いながらステージの隅から隅まで動き、ファンが差し伸べた手を優しく握り返します。前列だけではなく、最後方の客席にも絶えず目を配り、クラブ全体を盛り上げます。全オーディエンスが、エリックの世界に包み込まれてゆく感じといえばいいでしょうか。

「TRUE TO MYSELF」、「SPIRITUAL THANG」、「DON'T LET GO」等、おなじみのナンバーが次々と歌われていきます。タミアとのデュエットで大ヒットした「SPEND MY LIFE WITH YOU」も、ソロ・ヴァージョンとして披露。“サルサやメレンゲの要素も取り入れた曲”という「SPANISH FLY」では、女性ファンをステージにあげて、一緒にダンスするシーンもありました。もちろん新作『ロスト・イン・タイム』からのナンバーも、ナンバー・ワン・ヒット「SOMETIMES I CRY」をはじめ、たっぷり聴かせてくれました。エリックほど持ち歌が多くなると、どの曲を入れてどの曲を外すか、取捨選択も大変かと思われますが、この日のプログラムはまさしく「オール・アバウト・エリック・ベネイ」というべきもので、どのオーディエンスも大いに満足したに違いありません。

「日本を離れるとき、ぼくはいつも淋しい気持ちになるんだ。だってここは、ぼくのセカンド・ホームなんだから」。そう語ってくれたエリックの公演は21日まで開催されます。
(原田 2011 9.17)


● 9.18sun.-9.21wed. @BLUE NOTE TOKYO
ERIC BENÉT



ERIC BENET - ☆ P+M映像 : ERIC ...

2011/09/16

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☆ ERIC BENET(コットンクラブ公演)

ニュー・アルバム『ロスト・イン・タイム』もベスト・セラーを記録中。
乗りに乗っている現代R&B界のヒーロー、エリック・ベネイ。
9.15thu.にコットンクラブで行われた公演の
パフォーマンス&メッセージ映像をアップしました。
ブルーノート東京公演はいよいよ9.18sun.から。

●9.18sun.-9.21wed.
ERIC BENET @BLUE NOTE TOKYO



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2009/12/22

エリック・ベネイ-ERIC BENET
エリック・ベネイ-ERIC BENET


公演初日リポート:ERIC BENET


にぎやかで、あわただしい年末。そんなときだからこそ、じっくりと暖かな歌声に耳を傾けたいものです。
ブルーノート東京の今年のクリスマス・シーズンは、“ミスター・ロマンス”ことエリック・ベネイの歌声で彩られています。ロマンティックな夜を、飛び切りスウィートなヴォーカルを味わいながら過ごす。からだじゅうが満たされる瞬間です。

CDではソフトでスウィートな面が強調されている感がなくもないエリックですが、ライヴの彼は、とにかく熱い! 全身全霊で繰り広げられるパフォーマンスは文句なしにエキサイティングで、興奮につぐ興奮を与えてくれます。幅広い声域、豊かな声量、グイグイと聴き手を引っ張っていくようなリズム感もさることながら、後部座席のひとりひとりまで視線を送りながら歌う姿に、ぼくは彼のエンターテイナーとしての凄さを感じました。あの瞳で見つめられ、ラヴ・ソングを歌われたら女性ファンはみんな彼のとりこになってしまうことでしょう(男のぼくも、エリックはセクシーだなあと思いながら聴いていました)。リピーターが多いというのもうなずけます。

バック・バンドの編成はキーボード、ベース、ドラムスというシンプルなものでしたが、各人が大変な凄腕のため、音の薄さはまったく感じられませんでした。とくに20歳を迎えたばかりというドラマー、スティックスの切れ味には脱帽です。ベースのグレゴリー・コリアーはまた、歌もうまい! もともと歌を歌うつもりがなかったけれど、エリックのアドバイスを受けて歌うようになったそうです。つまりシンガーとしては新人なのですが、まさしくプロ・シンガーはだしの歌声で楽しませてくれました。

演目は、これぞオープニングといった感じの「LOVE DON'T LOVE ME」、ラテン・テイスト満載の「SPANISH FLY」、本人曰く“エラ・フィッツジェラルドやナット・キング・コールが歌いそうな古典的な曲”「THE LAST TIME」など、盛りだくさん。もちろんR&Bチャートでトップに輝いた「SPEND MY LIFE WITH YOU」も聴かせてくれましたし、シーズンにちなんだ「THE CHRISTMAS SONG」も嬉しい贈り物でした。“ほとんどリハーサルしてないんだよね。間違わなきゃいいんだけど”というようなことを言いながらクリスマス・ソングを歌いだしたエリックですが、それは彼のテレでしょう。もちろん結果は大成功、エリックはオーディエンスの心に火をともしながら、さっそうとステージを去ってゆきました。

公演は25日まで続きます。スペシャル・カクテル「WHITE ROMANCE」(エリックが命名した)やクリスマス・スペシャル・ディナー・コース(23日、24日)と共に、至高の歌声に酔いしれてください。
(原田 2009/12/21)


● 12/21mon.-12/25fri.
Special Christmas Evening with ERIC BENET

エリック・ベネイ-ERIC BENET