公演初日リポート:FOURPLAY
毎年、大人気のラインナップが揃うブルーノート東京のカウントダウン〜ニュー・イヤー公演。今回はスムース・ジャズ〜フュージョン界を代表する名門グループ、フォープレイが2011年と2012年を結びます。
メンバーはボブ・ジェームス(ピアノ)、ネイザン・イースト(ベース、ヴォーカル)、ハーヴィー・メイソン(ドラムス)という20年間不動のラインナップに、チャック・ローブ(ギター)を加えた4人。チャックは2010年に加入したばかりですが、ニューヨーク・エリアでは知らぬ者のない名セッションマンにして、スムース・ジャズ界屈指のプロデューサーです。彼が参加したことによって、グループのサウンドはさらにカラフル、かつ陰影に富んだものになってきたような気がします。
フォープレイの公演はいつも大入り満員ですが、ぼくが見た初日のファースト・セットは、いつもよりさらに輪をかけて熱心なファンが訪れていたようです。場内の明かりが落とされ、メンバー4人が登場するだけで、ものすごい拍手と声援が巻き起こります。あまりの反応の大きさに、メンバー全員が目を白黒させながらステージに上る姿が強く印象に残りました。
ライヴは、フォープレイの数多いレパートリーの中でも、最も伝統的なジャズ寄りといえるナンバー「GENTLE GIANT」から始まりました。それもそのはず、この曲は2010年に91歳で亡くなった伝説的ジャズ・ピアニスト、ハンク・ジョーンズ(ブルーノート東京にも数多く出演ました)に捧げられているのです。ネイザンはエレクトリック・アップライト・ベースを弾き、ハーヴィーが快適にスイングするビートを送ります。
続く「Max-O-Man」からは、1991年に出たファースト・アルバムからの曲です。当時はリー・リトナーがギタリストでしたが、チャックのギターとボブのMIDIピアノの応酬がフィーチャーされた2011年ライヴ・ヴァージョンも実に鮮やかでした。「結成20周年」という言葉を、とくにMCで聞くことはありませんでしたが、この日のステージでは、ほかにも「BALI RUN」、「101 EASTBOUND」なども演奏されたので、新曲を披露するいっぽうで、“チャックを入れて初期の曲をリメイクしてみよう”というコンセプトもあったのかもしれません。
入魂の演奏で本編とアンコールを終えたメンバーは、当然のごとく握手攻めにあっていました。初日のファースト・セットでこの盛り上がりです。いったいカウントダウン&ニュー・イヤー公演はどこまで白熱するのでしょうか。ブルーノート東京史上、最高にヒートアップした年越しになるのではないかと、ぼくは今からワクワクしています。皆さんもボブ、チャック、ネイザン、ハーヴィーと共に、良い年を迎えようではありませんか!
(原田 2011 12.29)
●12.29thu.-2012 1.2mon.(1.1sun. OFF)
FOURPLAY
<2012 NEW YEAR JAPAN TOUR>
1.5thu. NAGOYA
1.6fri. OSAKA
1.7sat. HIROSHIMA