公演初日リポート:-Love for Japan-
Andrea Pompilio presents "HOPE AT SUNRISE PROJECT"
CESARE PICCO featuring HAJIME MIZOGUCHI
アンドレア・ポンピリオ・プレゼンツ "HOPE AT SUNRISE PROJECT"の初日が、大盛況のうちに終わりました。
あの3.11が起こったとき、アンドレアは海外でのバケイションを終え、成田空港に戻るところでした。しかし飛行機は空港に入ることなく旋回を続け、グアムに到着しました。何が起きたのか知ったアンドレアは愕然としました。やがて、友人のピアニスト、チェーザレ・ピッコから安否を尋ねる電話がありました。そしてさらに数日後、彼からひとつの音源が送られてきました。曲には「HOPE AT SUNRISE」というタイトルがつけられていました。
オープニングを飾るのは、そのチェーザレ・ピッコの無伴奏ソロです。ピアノだけではなく、ピアニカを用いたり、マレットでピアノ内部の弦を叩くなど、けっこうアグレッシヴなパフォーマンスを見せてくれましたが、音楽は常にメロディアスでロマンティック。そこが彼のいいところですね。ラフに着こなした白いシャツと、黒いグランド・ピアノの対比も鮮やかです。鍵盤の上を指が駆け巡っているかのようなアップ・テンポ曲「NESSUNO COME TE」にも興奮させられました。
続いて、チェロ奏者の溝口肇が登場します。彼のオリジナル「SEASON'S GREETINGS」の後、今回のライヴ・イヴェントのテーマ曲である「HOPE AT SUNRISE」が演奏されました。このふたり、数日前に出会ったばかりとのことですが、何年も一緒に共演してきたかのような呼吸で旋律を奏でるあたり、さすがプロ中のプロです。
後半は溝口と、4人の若手チェロ奏者による演奏が続きます。チェロ・クインテットというよりは、“チェロのアカペラ”と呼びたくなるものでした。溝口がリード・ヴォーカルで、ほかのメンバーがバック・コーラスをつけているという感じです。チェロの音って人間の声に似ているな、と思いながらアコースティック楽器の響きを堪能させていただきました。バッハの有名な「無伴奏チェロ組曲第1番」が“伴奏つき”で演奏されたのにも驚きましたし、溝口を代表する作品である「世界の車窓から」(同名テレビ番組のテーマ・ソング)を生で聴けたのも、うれしかったですね。ラストには再びチェーザレが登場、溝口との即興演奏も聴かせてくれました。
"HOPE AT SUNRISE PROJECT"、本日は古武道のステージです。明日は大貫妙子が登場します。このプロジェクトの発展を願ってやみません。
(原田 2011 5.30)
● 5.30mon.
-Love for Japan-
Andrea Pompilio presents "HOPE AT SUNRISE PROJECT"
CESARE PICCO featuring HAJIME MIZOGUCHI
● 5.31tue.
-Love for Japan-
Andrea Pompilio presents "HOPE AT SUNRISE PROJECT"
KOBUDO -古武道-
● 6.1wed.
-Love for Japan-
Andrea Pompilio presents "HOPE AT SUNRISE PROJECT"
TAEKO ONUKI
● 7.12tue.
-Love for Japan-
Journey back Home
-音楽と朗読でお連れする「こころの旅」-
音楽:溝口肇、谷川賢作、石井聖子
朗読:谷川俊太郎、レイチェル・チャン