BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , IVAN LINS , JANE MONHEIT - - report : JANE MO...

2012/04/10

ジェーン・モンハイト - JANE MONHEIT
ジェーン・モンハイト - JANE MONHEIT


公演初日リポート:
JANE MONHEIT with IVAN LINS



「イヴァンの音楽を聴いて私の人生は変わった。デビューの頃から彼の曲を歌い続けているわ。そんなイヴァンと一緒のステージに立てるなんて、今も信じられないの」とジェーン・モンハイトは語り、「ニューヨーク・ブルーノートに出演していたときのことだ。ほぼ毎日、毎セットのように聴きにくる女性がいたんだね。最終日のラスト・セットのとき、“彼女は本当に私の音楽のファンなんだなあ”と思ったけど、それがジェーンだったんだ」とイヴァン・リンスは話しかけます。

現代のジャズ・ヴォーカル・シーンを牽引する歌姫のひとりであるジェーン・モンハイトと、ブラジル屈指のメロディ・メイカーである超大物イヴァン・リンスが日本初共演を果たしました。

互いに敬意を持って接しあうふたりのコンビネーションは、見ても聴いても実に気持ちいいものです。こうした「スペシャル・ゲスト」を呼ぶ公演は、たいていの場合、そのゲストがプログラム後半に登場するのが当たり前です。しかしこの日のステージは違いました。冒頭2曲こそジェーンとバック・バンドのパフォーマンスだったものの、3曲目からイヴァンが登場し、それからアンコールまでふたりの共演が続いたのです。

ふたりはジェーンのアルバム『イン・ザ・サン』、『サレンダー』で顔を合わせていますが、ここまでたっぷりとセッションをしたのは前例がないのではと思います。イヴァンの定番といえる「RIO DE MAIO」、「COMECAR DE NOVO」はもちろんのこと、イヴァンがセルジオ・メンデスの大ヒット・アルバム『ブラジレイロ』に提供した「LUA SOBERANA」(沖縄民謡風のリフレインが、やけに耳に残ります)、さらにアントニオ・カルロス・ジョビンの「SAMBA DO AVIAO」までもが、ふたりのコラボレーションで楽しめるのですから、これはもう、絶対クラブに足を運ぶに限ります。

アンコールではさらに、スタンダード・ナンバーの「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」を披露。ボサ・ノヴァ風に解釈されることも多いナンバーですが、ジェーンとイヴァンはあくまでもジャジーに、4ビートに乗せてデュオを繰り広げます。英語でスイングするイヴァン、ぼくは初めて聴きました。公演は12日まで続きます。
(原田 2012 4.9)


● 4.9mon.-4.12thu.
JANE MONHEIT with IVAN LINS
☆ 参考:セットリストはこちら


JANE MONHEIT - ジェーン・モンハイト


IVAN LINS - ☆ P+M映像 : IVAN ...

2009/03/18

☆ ライブ映像 & メッセージ - IVAN LINS


3/16 mon 公演初日・パフォーマンス映像 & メッセージです。

ブラジル音楽界のみならず、ジャズ・フュージョンやロック・ポップスまで影響を与えてきているメロディーメーカー、イヴァン・リンスは本当に貴重な存在です。
公演は 3/21 sat. まで。

IVAN LINS イヴァン リンス ブラジル BRASIL BRAZIL width=  


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , IVAN LINS - - report : IVAN LI...

2009/03/17

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- 原田和典の公演初日レポート : IVAN LINS


ぼくはブログ・ページ「WHAT’S HAPPENIN’」を読むのが楽しみです。自分のような音楽狂でも知らない超マニアックな情報や、内容の濃いエピソードがさりげなく紹介されているところがまた、食指をそそります。

先日は、「スティングが、かつてマイルスも」とタイトルされた記事に驚かせていただきました。
“ジャズの帝王”と呼ばれたトランペット奏者、マイルス・デイヴィス(1991年死去)がイヴァンの才能をとても高く評価したこと。そして、イヴァン作品集を演奏するプランを持っていたことを、不勉強にして「WHAT’S HAPPENIN’」で初めて知りました。

マイルスは常に美しいメロディを探し求めていたアーティストです。クラシック・ギター用に作曲された「アランフエス協奏曲」をジャズ・ミュージシャンとして(おそらく)最初に取り上げ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ミシェル・ルグラン、“クロスビー、スティルス&ナッシュ”などの曲も見事“マイルス流”に生まれ変わらせました。80年代にはマイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」やシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」を繰り返し演奏していました。そんなマイルスにとって、イヴァンの曲は旋律の宝庫に思えたことでしょう。

マイルス・プレイズ・イヴァンは残念ながら幻に終わりましたが、’96年、興味深いプロジェクトが完成します。人気ジャズ・トランペッター、テレンス・ブランチャードとイヴァンの共演です。アルバム『ハート・スピークス』(グラミー賞にノミネートされました)は、イヴァンとテレンス双方が、お互いに出会えた喜びをかみしめながらプレイしているような、なんとも実に心暖まる1枚でした。今回のイヴァンの公演にいらっしゃる方は、今月26日から行なわれるテレンスのステージもチェックされてはいかがでしょうか。

イヴァンは、なにしろ40年の活動歴を誇るシンガー・ソングライターです。レパートリーも何百曲とあることでしょう。僕はいつも、彼のライヴに接するたびに、いったいどんな曲が登場するかのと、わくわくすることをやめられません。初日のファースト・セットから、イヴァンは酔わせてくれました。2008年発表のアルバム『Saudades de Casa』からの曲を核に、「Daquilo Que Eu Sei」、「ジ・アイランド」(「Começar de Novo」)などの定番を交えたステージは実にハートウォーミング。客席からハミングや手拍子が広がっていきます。

バック・バンドでは名手テオ・リマが今回もドラムスの椅子に座り、小気味良いプレイを聴かせてくれました。ぼくは彼がアントニオ・アドルフォのバンドで吹き込んだ70年代の演奏も好きなのですが、一打一打の気持ちよさ、音色の粒立ちは生で体験するとさらに「すごさ」が実感として伝わります。このドラムスに乗って演奏したり歌ったりするミュージシャンは、至福の快感を味わっているのではないでしょうか。

美しく雄大なメロディ、見事にまとまったバンド・サウンド、オーディエンスを愛するステージ・マナー。イヴァン・リンスの音楽は、心に春を運んでくれます。
(原田 2009/3/16)

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IVAN LINS - - スティングが、か...

2009/03/01

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IVAN LINS イヴァン リンス ブラジル BRASIL BRAZIL width=



スティングが、かつてマイルスも


リオデジャネイロが生んだ天才シンガー・ソングライター、イヴァン・リンス。

彼の音楽はクインシー・ジョーンズ、デイヴ・グルーシン、リー・リトナー、バーブラ・ストライザンド、マンハッタン・トランスファー、サラ・ヴォーン、ジョージ・ベンソン等、あらゆるアーティストから愛されています。

2000年に発表されたアルバム『イヴァン・リンス・トリビュート(A Love Affair)』には、スティング、チャカ・カーン、ヴァネッサ・ウィリアムス、ブレンダ・ラッセル、ダイアン・リーヴス、マーカス・ミラー、マイケル・ブレッカー等、錚々たる大物アーティストが結集。イヴァン自身も素晴らしいパフォーマンスを聴かせています。スティングが歌った「シー・ウォークス・ジス・アース」(原曲は「Soberana Rosa」)は、同年度グラミー賞のベスト男性ポップヴォーカルパフォーマンス部門を受賞しました。
IVANLINSloveaffair.jpgSting - A Love Affair - The Music of Ivan Lins
このアルバムはまた、マイルス・デイヴィスにも捧げられています。マイルスはイヴァンの才能をとても高く評価していて、イヴァン作品集に取り組むことを構想したまま亡くなったそうです。
数々の才人を魅了するイヴァンの世界を、親密感溢れるクラブでお楽しみください。


● ♪ Ai Ai Ai Ai Ai
アルバム『AWA YIO(アウア・イオ)』収録の超人気ナンバー。多彩なキーボード・プレイにもご注目ください。






● ♪ NOVO TEMPO
歴史的名盤『Novo Tempo』(’80年)のタイトル曲をライヴ・ヴァージョンで。「Beyond The Storm」という英題でも知られています。






● ♪ Depois dos temporais
1983年発表のアルバムのタイトル・チューン。






● ♪ Harlequin, with GRP ALL STARS
イヴァンを大きくフィーチャーし、彼の名前を世界のジャズ〜フュージョン・ファンにも広めた、デイヴ・グルーシン&リー・リトナーのアルバム『Harlequin』の表題曲を、ライヴでお楽しみください。ショルダー・キーボードを弾きながら熱唱するイヴァンが若い! ギターはもちろんリトナー、ベースはエイブラハム・ラボリエル、ドラムスはカルロス・ベガです。






● ♪ Beyond The Storm, with LEE RITENOUR
グラミー賞作品『Harlequin』に収められていた人気曲を、イヴァン、リトナー、グルーシンが約20年ぶりに再演。彼らの円熟したコンビネーションが味わえます。