BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , 松居慶子 - - report : KEIKO M...

2011/12/16

松居慶子 - KEIKO MATSUI
松居慶子 - KEIKO MATSUI


公演初日リポート:KEIKO MATSUI 『THE ROAD...』JAPAN TOUR 2011

「世界を舞台に活動する」という表現が、これほどふさわしい日本人ミュージシャンもいないのではないでしょうか。今年も5週間に及ぶツアーを終えて、松居慶子がブルーノート東京に戻ってきました。移動、演奏、そして移動と目の回る忙しさなのではないかと思いますが、演奏は「せわしなさ」とは無縁。実にメロディアスで、ゆったりしています。そして瑞々しい余韻があります。

新作『THE ROAD...』発表後、初めての日本公演です。ジャキーム・ジョイナーのサックス、ケイタ・マツノのギター、スティーヴ・リードのパーカッション(彼はロシア・ツアー中、オーケストラ・ピットに落ちるアクシデントに見舞われましたが、奇跡的に怪我ひとつ負うことがなかったとのことです)等を含む顔ぶれは、もはやひとつのファミリーであるといっていいでしょう。メンバー間の息の合ったプレイが、ポップなメロディをよりポップに、ダンサブルな曲をよりダンサブルに“ライヴ化”していきます。

ぼくが見たセカンド・セットでは、『THE ROAD...』の国内盤だけに収められている「HIKARI〜旅立った魂と生かされた魂へ〜」も含めて、同アルバムからの大半の曲を聴くことができました。この曲が「静の松居慶子」を表したものだとすれば、「動」の代表するひとつが「NGUEA WONJA」でしょう。意味はカメルーンの言葉で“to be proud to your journey”。リチャード・ボナが命名してくれたのだそうです。

曲名にまつわるMCでは「BOHEMIAN CONCERTO」に関するエピソードも印象に残りました。「ボヘミアン・ラプソディ」というタイトルにしようと思っていたところ、レコード会社側から「クイーンに同名曲がある」といわれ、この題名に変更したとのことですが、ラテンの要素が取り入れられた多彩なリズム、起伏にとんだ曲調には“コンチェルト”というフレーズがぴったりのように、ぼくには感じられました。

公演は本日まで行なわれます。『THE ROAD...』の“...”にはどんな意味がこめられているのか、ぜひ実際のライヴで松居慶子本人のMCを聞いて御確認いただければと思います。
(原田 2011 12.15)


● 12.15thu.-12.16fri.
KEIKO MATSUI 『THE ROAD...』JAPAN TOUR 2011


松居慶子 - KEIKO MATSUI


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , 松居慶子 - - report : KEIKO M...

2010/12/18

松居 慶子 - KEIKO MATSUI
松居 慶子 - KEIKO MATSUI


公演初日リポート:KEIKO MATSUI
-The Second Annual Keiko Matsui Christmas Show-


ワールドワイドに活躍するスムース・ジャズ界のスター、松居慶子のクリスマス・シーズン公演が始まりました。

彼女のウェブサイトを見ると、「よくもまあ、こんなに多くのライヴを!」といいたくなるほど、ツアーを繰り返していることがわかります。このブルーノート東京公演の前にも3週間のヨーロッパ・ツアーに出ていました(そのあたりのエピソードは、ぜひ実際の公演に足を運んで、彼女自身のMCでお楽しみください)。バンドの音がさらに緊密感を増したところで来日してくれた、といっていいでしょう。

1曲目は「MY FAVORITE THINGS」。ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」からのナンバーですね。一時期はJRのテレビコマーシャルでも使われていました。この曲を松居慶子は情熱的なアレンジで演奏します。エッジの立ったアコースティック・ピアノの音が、場内に響き渡ります。続く「DOLL」ではステージ前方に配置されたシンセサイザーを演奏。彼女はその他、曲によってショルダー・キーボードも弾き、客席に乱入してファンを大いに熱狂させました。

中盤では、来年1月25日に全米発売されるニュー・アルバム『THE ROAD...』からのナンバーも演奏されました。前作『MOYO』以来、約4年ぶりのレコーディングになるそうです。ニューヨークとロサンゼルスで録音し、リチャード・ボナとの合作も含むとのことですが、「THE ROAD...」、「AWAKENING」と収録曲が“プレミア演奏”されると、いやがおうにもリリースが待ち遠しくなります。もちろん新作には現在の松居慶子バンドによる演奏もたっぷり収められているとのことなので、こちらも楽しみです。

プログラム後半では、このライヴならではの特別企画としてクリスマス・ソングを演奏。「WE THREE KINGS」、ボサノヴァ調の「SANTA CLAUSE IS COMING TO TOWN」などを立て続けに楽しませてくれました。パーカッションのスティーヴ・リードがいつの間にかサンタクロースの帽子をかぶり、愛嬌をふりまいていたのもよかったですね。数々の小物を取り入れたパーカッション・セットを操るスティーヴのプレイは見ていて愉快、聴いて心地よく、松居慶子バンドのサウンドに深い奥行きを加えておりました。
(原田 2010 12.17)


● 12.17fri.-12.19sun.
KEIKO MATSUI
-The Second Annual Keiko Matsui Christmas Show-


松居 慶子 - KEIKO MATSUI