BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , TAKE6 - - report : "TAKE 6...

2012/02/16

TAKE 6
TAKE 6

photo:K. Miura


公演初日リポート:"TAKE 6 St. Valentine's day Special"
ジャズ&クラシック・ナイト with 新日本フィル
@すみだトリフォニーホール



去る2月14日、「TAKE 6 ジャパン・ツアー2012 "TAKE 6 St. Valentine's day Special" ジャズ&クラシック・ナイト with 新日本フィル」が「すみだトリフォニーホール」で行なわれました。

この公演は当初、昨年5月に開催される予定でしたが、震災の影響で延期されていました。MCの中でメンバーが「2年越しの、待ちに待ったショウだよ」といっていたのは、そのためです。しかし延期されたことにより、ぼくたちファンはバレンタイン・デーというロマンティックな日の夜に、テイク6とオーケストラが織り成す甘美な世界を味わえることになったのです。

第1部はテイク6のア・カペラ・ステージです。彼らが日本のホールに登場するのは約15年ぶりのことだといいます。先日の当ブログでも書かせていただきましたが、現在の6人は誰もがシンガー、パフォーマー、エンターテイナーとして、最高に脂が乗っています。満員のホールに響き渡る歌声の力強さは文字通り、鳥肌ものです。レパートリーは先日の「ブルーノート東京」公演でとりあげたナンバーが中心でしたが、クラブ出演時よりも、よりアクションを大きめにしていたのが印象的でした。

第二部はまさしく“バレンタイン・スペシャル”。新日本フィルハーモニー交響楽団(小松長生・指揮)との共演ステージです。曲によってはキーボード、ベース、ドラムス等も加わりました。ヴォーカル・オーケストラというべきテイク6と、実際のストリング・オーケストラとの共演を体験できる機会は、世界中でも希少です。演目にもアレンジにも趣向がこらされ、「HE NEVER SLEEPS」といった初期の曲から、バス担当のアルヴィン・チーアが書いたという「LULLABY」(途中、「ブラームスの子守唄」が引用されました)、急逝したホイットニー・ヒューストンに捧げた「OVER THE HILL IS HOME」などをしっとりと聴かせてくれました。ホールを埋め尽くしたファンは、“よい音楽にはジャンルの壁などない”ことを、改めて痛感したのではないでしょうか。

3月には新作『ONE』が発売されるというテイク6。「またすぐ日本に戻ってくるよ!」という彼らの言葉を胸に、再会の日を楽しみにしたいものです。

すみだトリフォニーホールでは、フラメンコ界のスーパースター・ギタリスト、ヴィセンテ・アミーゴの公演も予定あり。クラブとホールという2つの異なる環境でライヴの醍醐味を味わえる喜びが、またやってきます!
(原田 2012 2.14)


● 2.14tue.
"TAKE 6 St. Valentine's day Special"
ジャズ&クラシック・ナイト with 新日本フィル
@すみだトリフォニーホール


● 3.16fri. Vicente Amigo @すみだトリフォニーホール


TAKE 6


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , TAKE6 - - report : TAKE 6

2012/02/12

TAKE 6
TAKE 6


公演初日リポート:TAKE 6



待ちに待ったグループの登場です。

ア・カペラ・コーラスの最高峰にして、卓越したエンタテインメント集団であるテイク6が久しぶりに来日してくれました。前身グループの頃から数えると発足30年、テイク6としてのレコード・デビューから数えても25周年になろうという老舗ですが、そのハーモニー、チームワーク、振り付けにはさらに磨きがかかり、「どうしてあんなに見事にハモれるのだろう」、「どうしてあんなにビシッと各メンバーのパートがかみ合うのだろう」と、最初から最後まで驚かされっぱなしでした。

オープニングは、ナット・キング・コールの代表曲である「STRAIGHTEN UP AND FLY RIGHT」。愛娘ナタリー・コールもかつて「ブルーノート東京」で歌っていましたが、こうしたR&B系のスタンダード・ナンバーをサラリとこなすテイク6がまた、なんともいえず粋なのです。目をつぶると、まるでドラマーやベーシストやホーン・セクションもいるように聴こえてきます。しかし目を開けると、そこにいるのは6人の卓越したシンガーたちです。まさしくヴォイス・オーケストラ。すべてを声でまかない、猛烈にスイングし、グルーヴする彼らに降参です。

メンバーそれぞれのキャラクターが立っているのもテイク6の魅力ですが、個人的に釘付けになったのが次の二人です。一貫してベース・パートを担当するアルヴィン・チーアは、ジャズ・ベーシストのクリスチャン・マクブライドに笑顔がそっくり。フレーズ作りも似ているように思いました。

キャップ(帽子)がトレードマークのクリスチャン・デントリーは主に高音パートを歌いますが、その声はむちゃくちゃ艶やかで躍動感があります。しかも無類のモノマネ名人です。ぼくは彼の、“DJがマイケル・ジャクソンのアナログ盤をスクラッチしているところ”のモノマネに、驚き、腹をかかえるほど笑いました。この超絶芸は、彼らを生で見たファンだけが味わえる特典といっていいでしょう。

「SPREAD LOVE」、「SO MUCH 2 SAY」といった初期のレパートリーもしっかり聴かせてくれましたし、名曲満載の近作『The Standard』からミシェル・ルグラン作のバラード「WINDMILLS OF YOUR MIND」も披露されました。デビュー当時なら、彼らがフランス産の歌を取りあげるなんて想像もできなかったに違いありません。しかし今の彼らはそれをごきげんにスイングさせ、見事テイク6・サウンドに料理しています。いったいこのグループは、どこまで凄いエンターテイナーになってゆくのでしょう。

テイク6は本日までブルーノート東京に出演し、14日には「すみだトリフォニーホール」で新日本フィルとの共演を行ないます。「いい歌をとことん味わいたい」、「ハッピーにグルーヴするステージを楽しみたい」という方は、ぜひ足をお運びください。胸がいっぱいになるほどの感動を届けてくれるはずです。「日本のファンに会いたくて、ずっとうずうずしていたんだ」と語るテイク6に、会いに行きましょう!
(原田 2012 2.11)


● 2.11sat.-2.12sun.
TAKE 6
☆ 参考:セットリストはこちら


●2.14tue.
TAKE 6 ジャパン・ツアー2012
"TAKE 6 St. Valentine's day Special"
ジャズ&クラシック・ナイト with 新日本フィル

すみだトリフォニーホールにて公演


TAKE 6