BlueNote TOKYO

'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , THE MANHATTAN TRANSFER - - report : THE MAN...

2012/10/25

マンハッタン・トランスファー - THE MANHATTAN TRANSFER
マンハッタン・トランスファー - THE MANHATTAN TRANSFER


公演初日リポート:
THE MANHATTAN TRANSFER



「マンハッタン・トランスファーは、今年で結成40周年なんだ。今日はおなじみの曲から、最近しばらく歌っていなかった曲までたっぷりお届けするよ。最後まで楽しんでいってくれ!」
リーダー格のティム・ハウザーがそう言うと、場内、割れんばかりの拍手と声援が巻き起こります。

マンハッタン・トランスファーの結成時期については諸説ありますが、ティムが“正式な結成”と考えているのは、あくまでもアラン・ポール、ジャニス・シーゲルが加入した1972年であるようです(シェリル・ベンティーンは78年参加)。

彼らが華やかなデビューを飾って以来、いくつもの男女混声グループが「マントラに追いつけ追い越せ」とばかりに登場しました。しかし、誰も追いつけず追い越してもいません。完璧なハーモニー、選曲の面白さに加え、マントラには抜群のエンタテインメント性があります。そしてお客さんに、「ああ、ライヴに来て本当によかった」と言わせずにはいられないホスピタリティがあります。彼らのステージは、ぼくにとってアメリカの華やかさな部分、陽気な部分そのものです。

ぼくが見た初日のセカンド・セットは、クインシー・ジョーンズ・オーケストラのレパートリーだった「MEET BENNY BAILEY」、カウント・ベイシー・オーケストラの定番「CORNER POCKET」、ライオネル・ハンプトン・オーケストラで有名な「AIRMAIL SPECIAL」等、ビッグ・バンドゆかりのナンバーが目立ちました。

あの大編成ならではの分厚いサウンドを、マントラは巧みに四声で醸しだします。たとえば「MEET BENNY BAILEY」では、原曲にあるミュート・トランペットとフルートのユニゾンをジャニスとシェリルが再現し、サックス・セクションとトロンボーン・セクションのパートをティムとアランが歌います。「CORNER POCKET」は、かつてサラ ・ヴォーンが「UNTIL I MET YOU」というタイトルでも歌っていましたが、マントラはそれとは別の歌詞を用いて、ベイシー・オーケストラの名演(1955年)に沿った歌唱を繰り広げました。

いっぽう、ポップス〜ドゥーワップ系レパートリーに持ち味を発揮するのもマントラの魅力です。この日はザ・カプリスの「MORSE CODE OF LOVE」、ジャッキー・ウィルソンの「TO BE LOVED」(ア ランのソロ)等を聴かせてくれました。ほかにも、「BIRDLAND」、「ROUTE 66」、「SPAIN」と、これでもかといわんばかりに名曲が押し寄せてきます。ハーモニーのフルコースをたっぷり味わった満足感に浸りながら、ぼくはクラブをあとにしました。
(原田 2012 10.24)


● 10.24wed.-10.26fri.
THE MANHATTAN TRANSFER
☆ 参考:セットリストはこちら


マンハッタン・トランスファー - THE MANHATTAN TRANSFER


THE MANHATTAN TRANSFER - ☆ P+M映像 : THE M...

2010/03/19

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☆THE MANHATTAN TRANSFER

日本では“マントラ”の愛称でお馴染み、世界最高峰のジャズ・ヴォーカル・
グループ、マンハッタン・トランスファーの公演が開催中。
'69年にティム・ハウザーを中心に結成。'79年からはソロ活動もこなす実力と
人気を誇る現在のメンバーたち、アラン・ポール、ジャニス・シーゲルそして
シェリル・ベンティーンの4人で活動。
今回は昨年発表したアルバム『チック・コリア・ソングブック』発表後 
はじめての来日公演、ステージではファンの皆さんお馴染みの人気ナンバーに
加えてアルバムからの曲も披露。トップにいながら果敢に新境地に挑み、
素晴しいパフォーマンスを披露するスーパー・グループの公演は日曜日まで。


●3.17wed.-3.21sun.
THE MANHATTAN TRANSFER featuring "The Chick Corea Songbook"



THE MANHATTAN TRANSFER - - report : THE MAN...

マンハッタン・トランスファー-THE MANHATTAN TRANSFER
マンハッタン・トランスファー-THE MANHATTAN TRANSFER


report : THE MANHATTAN TRANSFER "Chick Corea Song Book"



この2010年は、マンハッタン・トランスファーと日本のファン双方にとって特別な1年です。
そうです、今年は初来日からちょうど30周年のアニバーサリーにあたるのです。

1970年代後半から、メンバー・チェンジは一度もなし。ティム・ハウザー、アラン・ポール、ジャニス・シーゲル、シェリル・ベンティーンという“黄金の4人”は、ぼくが見た初日のファースト・セットでも、鉄壁のアンサンブルとゴキゲンなハーモニーを聴かせてくれました。

本当に彼らは、あらゆるところで“ハモって”います。歌声自体はもちろんのこと、手拍子、フィンガー・スナッピン(いわゆる指パッチン)、さりげない仕草のひとつひとつまでが、ぴったりと合っています。そしてスイング・ナンバーも、R&Bも、ブラジリアン・ポップスも、フュージョンも、ドゥーワップも、見事に歌いこなします。“そりゃ当たり前だよ、天下のマントラだもの”という声もきこえてきそうですが、考えれば考えるほど、彼らの柔軟性・多様性と、ハイレベルなのにエンターテイメント性抜群のパフォーマンスには驚かされるばかりです。

もちろん「ROUTE 66」、「BIRDLAND」、「JAVA JIVE」など十八番もたっぷり聴かせてくれましたし、メンバーのソロ・コーナー(ぼくがみたときはシェリルとティム)もありました。ティムが歌う「SHE’S FUNNY THAT WAY」も良かったですねえ。ちょっとジャック・ニコルソンみたいな彼が身振り手振りを交えて、“どうして彼女は俺みたいな男に夢中なんだろう、おかしいなー。彼女はもっといい男のところに行ったほうがいいんだ。俺と一緒にいたらダメになってしまうんだよ”と歌うと、なんともいえない暖かみと哀愁が伝わってきて、ぼくは“ああ、アメリカン・エンタテインメントって沁みるなあ!”と改めて思ったのでした。

お待ちかねの最新作『チック・コリア・ソングブック』からは「SPAIN」、「ONE STEP CLOSER」(チックは「THE ONE STEP」というタイトルで演奏)、「500 MILES HIGH」等を披露。これはもう、実際にライヴを聴いて体感してください、というしかないですね。4人とも、格別に気迫のこもったヴォーカルを聴かせてくれました。

彼らが成功を収めて以来、音楽界は数多くのフォロワーを生み出しました。混声ヴォーカル・グループがデビューするたびに、いったい何度“マントラの再来”という言葉が使われたことでしょう。しかし今なお精力的な活動を続け、世界を楽しませているのは“本家”マンハッタン・トランスファーをおいてほかにはありません。
(原田 2010/3/17)




● 3.17wed.-3.21sun.
THE MANHATTAN TRANSFER
featuring "The Chick Corea Songbook"

マンハッタン・トランスファー-THE MANHATTAN TRANSFER


'12 Bloggin' BNT by 原田和典 , THE MANHATTAN TRANSFER - - report : THE MAN...

2009/01/23

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いま午前1時半を少しまわったところです。
まだ、わくわくしています。からだが暖かいです。
超一流の、豪華で、洒脱な、極上のアメリカン・エンタテインメントを満喫してしまったなあ、という興奮と満足感がこみあげて止まりません。

マンハッタン・トランスファー。もちろん世界最高峰のコーラス・グループです。日本でもとても高い人気があります。
が、どういうわけか、ぼくは彼らのライヴに接する機会にこれまで恵まれなかったのでした。自分でも不思議ですが・・・・。
なので今日はなんだか、長いあいだ慕い続けてきた人にばったり会ってしまったような気持ちなのです。

ぼくがはじめてマントラを聴いたのがいつだったか、あいにく覚えていませんが、初めて“見た”のはテレビの中でした。
月曜日、午後8時から放映されていた「ザ・トップテン」という番組です。
ようするに売れている歌謡曲(当時はまだJポップという言葉はありませんでした)の上位10曲を、その歌手本人がナマで歌うという内容なのですが、この番組は一時期よく、海外のシンガーをゲストに招いていました。マントラが出たのは、デビュー間もない頃のワム!(ジョージ・マイケルがいた男性二人組)が出演した翌月か翌々月のことだったと思います。ウィスキーのテレビCMに使われていた「アメリカン・ポップ」という曲を、フリ付きで披露してくれたのでした。

マンハッタンというグループ名、アメリカンという曲名。まだ田舎の洟垂れ小僧だったぼくにとっての“USA”が、そこにありました。

それからもう25年が経ってしまいましたが、マントラは今も不動のメンバーのまま、鉄壁のハーモニーで楽しませてくれます。

演目については、もう、「満漢全席状態」とだけいっておきましょう。ノスタルジックなスイング・ナンバー、ブラジルもの、ブルース、ロックンロール、ヴォーカリーズ(ジャズメンのアドリブ・ソロに歌詞をつけて歌う)、メンバーのソロ・コーナー、そしてもちろんア・カペラも。見事なチームワーク、キラリと光るユーモアのセンス(MCがまた、うまいのですよねえ)、オーディエンスとの一体感・・・・心から敬意をこめて、“芸人ばんざい!”といわせていただきたいものです。

きくところによると、最新アルバムのリリースも間近いとか。マンハッタン・トランスファーの冒険旅行は、まだまだ続きます。



THE MANHATTAN TRANSFER , blog - ☆ P+M映像 : THE M...

2009/01/22

公演初日の模様 & メッセージが届きました。

ジャズ・コーラス界のトップに君臨するヴォーカル・グループ 、
マンハッタン・トランスファーが2年半ぶりにブルーノート東京のステージヘ本日から登場。
卓越したハーモニーと華やかなパフォーマンスでジャズ・エンターテインメントの世界へ誘います。

公演初日のパフォーマンス、そしてメンバーからビデオ・メッセージが届きました。
公演は 1/29 Thu. まで、お見逃しなく!



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