公演初日リポート:TOWER OF POWER
大きなアニバーサリーを迎えると、大抵の人間はそこで一区切りをつけてしまうものです。ひとまず落ち着いてしまうものです。
しかしタワー・オブ・パワー(TOP)は違います。先年、結成40周年を迎え、力作『グレイト・アメリカン・ソウルブック』と、盛大なアニバーサリー・ツアーを行なった彼らですが、その意欲、ファンキー度はこの2011年、さらに高まるばかりです。きっと彼らは結成45周年、いや50年に向けて、さらに全力疾走を続けてくれることでしょう。
リーダーのエミリオ・カスティーヨ(テナー・サックス)、“ファンキー・ドクター”ことスティーヴン・ドク・クプカ(バリトン・サックス)、フランシス・“ロッコ”・プレスティーア(ベース)、デイヴィッド・ガリバルディ(ドラムス)、みんなありあまるほどのエネルギーを発揮しています。バンドの礎を築いたといっていいであろう彼らと、その音楽を敬愛する精鋭ミュージシャンが一丸となって、現在進行形の生々しいTOPを目前で繰り広げてくれるのです。
TOPのホーン・セクションは、2本のトランペット、2本のテナー・サックス、1本のバリトン・サックスで構成されています。アルト・サックスが入ればもっと高音が強調されるのかもしれませんし、トロンボーンを加えれば、より柔らかな響きが生まれるかもしれません。しかしこのスピード感に満ちた、とことんまで引き締まったサウンドは、TOP独自の楽器の組み合わせによるところが大きいと思います。今回、トランペットはおなじみのアドルフォ・アコスタとエリック宮城が担当しましたが、エリックはソロでもアンサンブルでも眩しいほどのプレイを展開し、単なる助っ人以上の貢献をしていました。
ホーン・セクション、リズム・セクション、ヴォーカルがすべて強力なバンドは、ありそうでなかなか見つからないものです。乗ってもよし、聴きこんでもよし、踊ってもよし、一緒に歌ってもよし。どんな方法でも楽しめるのが、タワー・オブ・パワーの大きな魅力です。しかも彼らは、各セット、どんどん演目を入れ替えていきます(それほど自信作が多いのです)。1セットとはいわず、2セット、3セットと通いつめても、決して期待を裏切られることはないはずです。
永遠のファンキー野郎のライヴを、ぜひ間近でどうぞ!
(原田 2011 3.10)
● 3.10thu.-3.13sun.
TOWER OF POWER
原田和典の公演初日リポート:TOWER OF POWER
さあ、遂にこの時がやってきました。タワー・オブ・パワーの再登場です。
昨年、めでたく結成40周年を迎えた彼ら。それを記念してブルーノート東京で行なわれた公演は、早くも伝説と化しています。ぼくの回りにいるファンたちも、異口同音に“あのライヴは本当に、ほんっっとおーに凄かった・・・・”と目を細めております。
が、今年のタワー・オブ・パワーも相変わらず凄いです。エンジン全開です。伝説、つくりつづけています。「俺たちは41年間、ソウル・ミュージックをやっている。相変わらずずっとジェームズ・ブラウンに夢中なんだ」。脈打つようなリズム・セクション、押し寄せるホーン・セクション、ハイ・トーンがたまらなくセクシーなラリー・ブラッグスのヴォーカル。これで興奮せずにいられましょうか。
話は飛びますが、ぼくとタワー・オブ・パワーとの一方的なつきあいは35年以上になります。家庭の事情により、ぼくは子供の頃から、さまざまな洋楽を聴いて育ちました。ある日、父親が満面の笑みをたたえて、レコードを買ってきたのです。そして“これはいいぞ、おまえも聴け”といいながら、大音量でそれをかけました。イントロが終わる頃、すでにぼくは圧倒されていました。アルバム・タイトルは『イースト・ベイ・グリース』、タワー・オブ・パワーのデビュー作です。オープニングは「KNOCK YOURSELF OUT」という曲でしたが、文字通り幼いぼくは彼らのサウンドにノックアウトされてしまったのでした。
まだ話を続けさせてください。ぼくが日本語の歌を本格的に聴くようになったのは1980年代に入ってからのことです。なかでもRCサクセションが好きでした(今もです)。彼らの作品を追いかけるうち、『シングル・マン』というアルバムに出会いました。しょっぱなから、ブリブリのホーン・セクションが唸ります。ファンキーです。ソウルフルです。日本のバンドにもこんな音を出せるひとがいるんだ、まるでタワー・オブ・パワーみたいだぜと、ぼくは思ったものです。が、そのサウンド、なにをかくそうタワー・オブ・パワー自身のものでした。彼らが来日したときをとらえて、どこかの粋なスタッフがRCサクセションとのセッションを企画し、それがレコード化されたというわけです。
なので、ぼくにとってタワー・オブ・パワーという存在は実に身近で、彼らの曲を聴くと、自分の短くはない人生にまつわるいろんな事柄をも思い出して、ときに愉快になったり、ときに切なくなってしまったりもします。そして、エミリオ・カスティロ、デヴィッド・ガリバルディ、フランシス・ロッコ・プレスティア、スティーヴン・“ドッグ”・クプカといった重鎮たちは自分の生まれる前から第一線に立ち、ソウル・ミュージックに生涯を捧げているのだなあと思うと、なんだか胸の奥がカーッともしてくるのです。あのデカくて重いバリトン・サックスを首からさげて、跳ねたり踊ったりするクプカの、なんと楽しそうなことでしょう。ミュージシャンが楽しみ、それがオーディエンスに伝わり、さらにそれがミュージシャンにフィードバックされ、またそれがオーディエンスに・・・という“幸せな循環”が、この夜には充満していました。
タワー・オブ・パワーの偉大なソウル・スピリットと、素晴らしいチームワークに乾杯!
そうそう、ソウルといえば、6月後半に公演が予定されている、ラファエル・サディーク!
この人は楽しみです。筋金入りのオーガニック・ソウル・ショーに期待大です。
(原田 2009/5/22)
5/22 fri - 5/25 mon, 5/30 sat. - 5/31
TOWER OF POWER
"Great Amerivan Soulbook"
TOWER OF POWER : 銀河系最強のファンク・バンド
宇宙最高のファンクバンドと言われるタワー・オブ・パワー。
しかし、とある方よりご指摘を受けました。
「宇宙は広い、そして未知。せめて "銀河系で1番" くらいの評価でとどめておいた方がよいのでは」
。。。銀河系でも十分未知ですが。。。
いよいよ、明日からの公演ですが、なぜ宇宙最高とも銀河系最強とも言われるのか、
その歴史と所以を少し垣間みてはいかがでしょうか。
● TOWER OF POWER with CARLOS SANTANA ... 豪華!
● ♪ Oakland Stroke/Havin' Fun - '77 .... しびれます。
● " Soul Train " からの映像:♪ So Hard To Go - '73
● ♪ What is Hip - '73
● HUEY LEWIS and THE NEWS featuring TOWER OF POWER HORNS - '82
● こちら、Rocco のベース・レッスン