[インタビュー|MY INSTRUMENT]ロイ・エアーズ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ロイ・エアーズ

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ロイ・エアーズ

ロイ・エアーズのエレクトリック・ヴィブラフォン

華麗なヴィブラフォン・プレイとソウルフルなサウンド 強靭なグルーヴを実現するパワフルなエレクトリック楽器"マレットカット"

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 去る3月、"キング・オブ・ヴァイブス"ことヴィブラフォン奏者のロイ・エアーズがブルーノート東京で3年ぶりの来日公演を行ない、パワフルでソウルフルなパフォーマンスで観客を大いに魅了し、幅広い年齢層の客席を熱狂させた。その熱いステージを支えているのが彼の愛用するエレクトリック楽器"マレットカット"である。マレットカットは、ヴィブラフォンのエレキ版にあたる電子楽器で、その歴史はおよそ30年。鍵盤部分がセンサーとなっており、MIDI音源モジュールやPCと接続することで様々な音色やヴィブラフォン特有の表現を鳴らすことができる。

「僕にはこのマレットカットとマレット(ばち)があればもう充分。それだけでどこの国でもショーができるんだよ」

 そう語る彼のセットは非常にシンプルで、マレットカットと音源モジュールのみ。エフェクターや他のプリセットは使用せずにストレートに構成されている。

「この楽器を使ったその音楽のパワーに、客席のみんながびっくりして踊り出してしまうのが本当に面白いんだ。そして僕は長年この楽器とショーをしてきて、完璧にこの楽器を使いこなしているし、僕の声とも相性が良いんだよ」

 通常のヴィブラフォンでは表現することが難しい音圧や微妙なピッチ感、そして音色のコントロールをも実現してくれるマレットカットであれば、世界中でショーを持つ彼の音楽的要求にも応え、且つ機動性にも優れていると言える。

「現メンバーでの"ユビキティ"も凄いパワフルでグルーヴィーなサウンドだろう!そして彼らに負けないくらいの演奏がこの楽器では実現できるんだ。この楽器は僕の師であるライオネル・ハンプトンから紹介してもらったけれど、彼は90歳まで現役だった。だから僕もまだまだ演奏を続けるよ!」

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多様な表現を可能とするマレットカットの鍵盤パットとコントローラー部分。MIDI出力が可能となっている
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音源モジュールには、KORGの名機05R/Wを使用。シンプルな音作りながらパワーと安定感には定評がある

photography = Takashi Yashima
interview & text = Azusa Yamada
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music

ROY AYERS(ロイ・エアーズ)
1940年ロサンゼルス生まれ。60年代から第一線で活動し、71年に自身のユニット"ユビキティ"を結成。大ヒット作を立て続けにリリースし、今もなお多くのアーティストから敬愛を集めるリヴィング・レジェンド。
山田あずさ(やまだ・あずさ)
マリンバ・ヴィブラフォン奏者。自身のグループnouonで4作品をリリース。現在、渋さ知らズ、WUJA BIN BIN等に在籍し、様々なアーティストサポートでも演奏している。

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