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不滅の名唱「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」で世界中のファンを魅了。今なおジャズ・ヴォーカルの第一線に立ち続ける“ニューヨークのため息”、ヘレン・メリルが待望の再登場を果たす。14歳のときに故郷N.Y.のクラブでデビューし、‘54年録音のアルバム『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』に収められた「ユード・ビー〜」が記録的なロング・セラーに。繊細にして情熱的なハスキー・ヴォイスは、マイルス・デイヴィスやクインシー・ジョーンズから人気ロック・バンド、レディオヘッドのトム・ヨークまで、多くのミュージシャンに愛されてきた。日本通としても知られる彼女ならではの優しく暖かなパフォーマンスを、心ゆくまで味わいたい。
●1929年6月21日ニューヨーク生まれ。本名はイェレーナ・アナ・ミルツェティッツ(両親が旧ユーゴスラヴィアからの移民)。ニューヨークで若き日のマイルス・デイヴィス、バド・パウエル、J.J.ジョンソンらと共演しながらジャズを学び、’54年にエマーシー・レコードと契約。クリフォード・ブラウンと共演した『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』などがヒットし、アニタ・オデイらに続く白人女性ジャズ・シンガーとしての評価を確立。同アルバム中の〈帰ってくれれば嬉しいわ〉は、日本で爆発的にヒットしてからたびたびコマーシャル・ソングに使用され、息の長い人気を誇っている。’60年代の来日時には、渡辺貞夫クインテットとの『ボサノヴァ・イン・トーキョー』、猪俣猛との『シングス・スクリーン・フェイヴァリッツ』などを録音。東京に起居するなどして日本の人気を決定的なものにした。その後’70年代中盤まで第一線を離れるが、’77年に“モダン・ジャズ・カルテット”のピアニスト、ジョン・ルイスと来日公演を行ない現役復帰。自身のアルバム制作に打ち込むのに並行して、プロデュースにも乗り出し、トミー・フラナガン、ローランド・ハナ、アル・ヘイグらのアルバムをプロデュース。以来、ギル・エヴァンスとの『コラボレイション』、ロン・カーターとの『デュエッツ』など話題作のリリースを続け、日本公演もほぼ毎年のように実施。’94年には、初めて過去を振り返ったアルバム『ブラウニー〜クリフォード・ブラウンに捧げる』を、ロイ・ハーグローブやトム・ハレルらの後身と録音。スイングジャーナル社の「最優秀ヴォーカル賞」を受賞するなど内外で高い評価を引き寄せた。それに続く『あなたと夜と音楽と』でも、菊地雅章、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンなど、普段は器楽の演奏が中心の名手を迎え、既成曲に新風を吹き込んだ。さらに最近作『ヘレン・メリル』でも、自分史をひもとく創作で新境地を見せ、各方面からの賛辞を集めている。最新作は、チェコのオーケストラをバックにバラードを歌った『ライラック・ワイン』(ユニバーサル ミュージック)で、フランス語詞でも歌うほか、“レディオヘッド”のナンバーも取り上げた意欲作。“レディオヘッド”の〈ユー〉には、息子さんのアラン・メリルがギターと歌で参加している。昨年来、ニュー・アルバム制作の準備中で、プロデューサーは日系の人気実力派カーク・ヤノになる模様。来日するのは、’09年5月の当店公演以来約1年ぶり。オフィシャル・サイトは「http://www.helenmerrill.com/」。
HELEN MERRILL
ヘレン・メリル
2010 4.2fri.-4.8thu.(4.5mon.OFF)
4.2fri.,4.6tue.-4.8thu.
[1st] Open5:30p.m. Start7:00p.m.
[2nd] Open8:45p.m. Start9:30p.m.
4.3sat., 4.4sun.
[1st] Open5:00p.m. Start6:00p.m.
[2nd] Open8:00p.m. Start8:45p.m.
Helen Merrill(vo)
ヘレン・メリル(ヴォーカル)
Ted Rosenthal(p)
テッド・ローゼンタール(ピアノ)
Steve LaSpina(b)
スティーヴ・ラスピナ(ベース)
Terry Clarke(ds)
テリー・クラーク(ドラムス)
¥8,400(税込)