|
生涯現役を貫き続ける85歳。超人的な身体能力と白熱のグルーヴでジャズ界を刺激し続けるロイ・ヘインズが、若手ミュージシャンとの最新ユニットで登場する。’40年代から本格的な活動を開始し、アート・ブレイキーやマックス・ローチと並ぶトップ・ドラマーの座に。チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、チック・コリア、パット・メセニー等、数多くの名手を鼓舞しながら、ジャズ史に輝かしい足跡を記してきた。「過去は振り返らない。ひたすら前進するのみ」と豪語するロイが、いったいどんなパフォーマンスで魅了してくれるのか。トニー・ウィリアムス等、数多くの後進に影響を与えた神技のすべてを至近距離で体感したい。
●1926年3月13日、マサチューセッツ州ロックスベリー生まれ。レスター・ヤングやカイ・ウィンディングらと活動後’49年にニューヨークに出て、チャーリー・パーカー・クインテットに加入。天才アルト奏者のひらめきと気まぐれにもまれながら腕を上げ、『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』など歴史的名作にその名を残す。’53年から’58年までサラ・ヴォーンの伴奏を務める一方で、バド・パウエルやスタン・ゲッツらと共演を積み、’54年に初リーダー作『Bushman's Holiday』を録音。渡欧中のパリでは、バルネ・ウィラン、マーシャル・ソラール、アンリ・ルノーらフランスの実力派とアルバム制作し、ヨーロッパへのルートもつなげた。それからの’50年代は、セロニアス・モンクやジョージ・シアリングなどスタイルの異なるピアニストとのセッションを掛け持ち、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンと共演するなどしてキャリアアップを果たしていった。アート・ブレイキーやマックス・ローチらと肩を並べるトップ・ドラマーとなった’60年代は、『ジャスト・アス』のレコーディングを皮切りに、ピアノ・トリオやカルテットを率いてリーダーシップを発揮。奏者としても腰の据わったシャープなビート感覚で、スタン・ゲッツやゲイリー・バートンらの進化系マナーにも貢献。さらに、ゲッツ・グループから独り立ちするチック・コリアなど若手に手を貸すほか、’60年代末からジャズ・ロック・グループを主催するなど、広い守備範囲の隅々を巧みなドラミングで彩っていく。’70年代は名実共にドラム・マスターの席に着くも、デューク・ジョーダンやハンク・ジョーンズらビ・バップ期の僚友とのセッションに終始。チャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンの追悼イヴェントに欠かせぬ存在としても光彩を放った。それがマスターの真価を改めて発揮するのは、’80年代はじめにチック・コリアと再演後、ミシェル・ペトルチアーニやパット・メセニーとのレコーディングやツアーによって。その一方、父親と同じドラマーの道に進んだ長男のクレイグ、次男でトランペッターのグレアムの成長に伴いファミリー・バンドによる活動もスタート。’90年代に入るとフランスのジャズ・レーベル“Dreyfus”と手を組み、パット・メセニーとの『テ・ヴ!』などの快作をリリース。’01年の『ア・トリビュート・トゥ・チャーリー・パーカー』がグラミーにノミネートされるなどして、’70代の半ばを過ぎてから加速度を上げてきた。最新作は、若手や中堅を従えたバンド“ファウンテン・オブ・ユース”による『Whereas』(キングインターナショナル)と、アンソロジーにDVDを添えた4枚組の『Life in Time:The Roy Haynes Story』。昨年は、スペインで特別功労賞を受賞している。来日するのは、’09年6月の当店公演以来1年2ヶ月ぶり。
ROY HAYNES 85
& THE FOUNTAIN OF YOUTH BAND
ロイ・ヘインズ85
&ザ・ファウンテン・オブ・ユース・バンド
2010 8.13fri.-8.16mon.
8.13fri.-8.15sun.
[1st] Open3:00p.m. Start4:00p.m.
[2nd] Open6:00p.m. Start7:00p.m.
8.16mon.
[1st] Open5:30p.m. Start7:00p.m.
[2nd] Open8:45p.m. Start9:30p.m.
Roy Haynes(ds)
ロイ・ヘインズ(ドラムス)
Martin Bejerano(p)
マーティン・ベヘラーノ(ピアノ)
Jaleel Shaw(sax)
ジャリール・ショウ(サックス)
David Wong(b)
デヴィッド・ウォン(ベース)
¥8,400(税込)
約70年にわたり、力強いジャズ・ビートを刻み続けているロイ・ヘインズ。近年は若手ドラマー、マーカス・ギルモアの祖父としても知られている。ヘインズの初リーダー・セッションは1954年、滞在先のパリで録音された。’58年には歴史的名盤として名高い『ウィ・スリー』を制作し、’62年の『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』では鬼才サックス奏者、ローランド・カークと圧倒的なコラボレーションを展開。‘70年代には“ヒップ・アンサンブル”というグループを率いてジャズ・ファンク的な音作りにも挑戦した。
そんなヘインズが近年、最も力を入れているのが“ファウンテン・オブ・ユース”(若さの秘訣)という別称でも知られるカルテット。祖父と孫ほど年の離れたメンバーを揃え、生き生きとしたアコースティック・ジャズを楽しませてくれる。スタンダード・ナンバーから、かつてヘインズが共演してきた偉大なジャズメンのオリジナル曲まで、レパートリーの幅広さも大きな魅力。今度のステージでは、いったいどんな名曲が、ヘインズたちの手によって生まれ変わるのだろうか。
I’m looking forward to playing at the Blue Note Tokyo and I hope Japan is looking forward to seeing the Roy Haynes Fountain of Youth Band. I’ve loved Japan since the first time I performed there in the 1970’s and I’m really excited to be coming back!
Roy Haynes
ブルーノート東京でライブをするのが本当に楽しみだよ。日本のみんなも“ロイ・ヘインズ・ファウンテン・オブ・ユース・バンド”のライブを楽しみにしてくれていたら、嬉しいね。'70sに初めて日本で演奏をした時から日本のことが大好きだし、また行けることがとても嬉しくてエキサイトしてるよ!
ロイ・ヘインズ