概念にとらわれず、今の音楽を
大胆にブッキングしていこうという
懐の広さを感じます
去る8月、アフロビート・バンド“aTak”を率いて登場した黒田卓也。2016年から毎年ブルーノート東京で公演し、輝かしいトランペット・プレイと進化し続ける音作りでオーディエンスを熱狂させてきた。
「十代の頃から、ブルーノート東京のステージに立つことは大きな夢のひとつでした。光栄なことに2016年からオファーをいただいて、いろんなプロジェクトで演奏してきましたが、音響、照明、マネージメント、全部にわたって本当にプロフェッショナルなサポートをしてくれます。毎回、世界でも類を見ないレベルの高さのホスピタリティだと思いますね」
35年もの歴史を持つ場所であるにもかかわらず、攻めの姿勢を失っていないところにも共感するという。
「“ブルーノート=ジャズ”という概念にとらわれず、今の音楽を大胆にブッキングしていこうという懐の広さを感じます。自分の音楽もアルバム『RISING SON』(2014)の頃からクロスオーバーし続けて、ビートの強いものになっていきましたが、その見せ方や打ち出し方も含めて、毎回の公演が特別です。MISIAが僕のステージで歌ってくれたこともありますし、コロナ禍のときのライヴではステージをめちゃくちゃ大きくして、ビッグバンドをやったり、ジャム・セッションをしたり・・・・ブルーノート東京で初めて一緒に演奏したミュージシャンもいます。僕にとってここは出会いの場所でもあるんです」