クリスマスはニッキー・ヤノフスキーの歌声とともに | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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クリスマスはニッキー・ヤノフスキーの歌声とともに

クリスマスはニッキー・ヤノフスキーの歌声とともに

クインシーも惚れ込む才能!
年に一度のクリスマスに
天才シンガーの歌声がクラブを包み込む

 25歳の美しい女性になったニッキーとの再会。溌剌としたスキャットがまた聴ける喜びと、初めてのクリスマス公演に期待するロマンティックな歌。美味しいディナーとともにたっぷり堪能したい。

text = Noriko Hattori
photo by Takuo Sato

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 2009年の日本デビューから早くも10年が経つ。 15歳の溌剌とした愛らしい少女も25歳になり、素顔は今もあどけない雰囲気だけれど、エイミー・ワインハウス風のアイメイクをすると、たちまちミステリアスな美女に変貌する。そんな大人になった彼女との再会が叶うことになった。ブルーノート東京のステージに立つのは2014年以来になる。その時も彼女のエンターテイメント性が高く評価された。

 カナダ・モントリオール出身のニッキーは、1994年生まれながら、1960年代のカルチャーに憧れて、あらゆるポップ・ソングを聴いて育つなかで、初恋の相手がジャズだった。リスペクトするのはエラ・フィッツジェラルド。幼い彼女が"魔法の赤い箱"と呼んだCDプレイヤーのループ機能を活用して、エラのヴォーカル・テクニックを真似るところから始めた。当時のニッキーにとって、スキャットはジャズの世界で自由にはばたく歌の翼となった。そして、いま即興のスキャットは、ソングライティングのインスピレーションになっているという。

 そんな彼女が12歳の時に、地元のジャズ・フェスティバルに出演して、一躍脚光を浴びた。天才少女と絶賛される一方で、人生経験が乏しい12歳にジャズが歌えるわけがないと言われたりもした。そのなかでいち早く彼女の才能を認めたのがクインシー・ジョーンズだった。14歳の時に彼の豪邸に招かれて、「いつか一緒にやろう」と言われて、実現したひとつが2013年のブルーノート東京のクインシー・ジョーンズの特別公演での共演だった。翌年には彼がエグゼクティヴ・プロデューサーとして関わったアルバム『リトル・シークレット』がリリースされた。

 その発売時のインタビューで、ニッキーは、「クインシーは、今のジャズに必要なのは新しい息吹と考えていて、その手伝いを私が出来ると思ってくれているみたい」と語った。さらに「でもね」と、「だからと言って、私は、ジャズ・シンガーではないの。音楽は、何でも好きだし、何でもチャレンジしていきたい。ジャンルを限定するのは、いろいろ試すチャンスを自ら否定しまうこと。それはしたくない」と付け加えた。これは、今も変わらぬ彼女のスタンスになっている。

 ニッキーの今を見ると、ジャズのスキルがあって、感性は今の時代にフィットしていて、ジャンルの境界線を待たず、ソングライティングに積極的に取り組んでいる。そして、パフォーマンスはますます溌剌として、声そのものにたくましき生命力が感じられて、元気をもらえる。

 夢中で取り組み続けているソングライティングでは、共作のパートナーに選ぶのは世代やジャンルを超えて、ニッキーに刺激をもたらしてくれる幅広い人たち。アルバム『リトル・シークレット』からサンプリングなどを駆使した、オリジナル楽曲を歌う機会が増えている。

 12歳の頃は、人生経験が乏しいなんて言われたけれど、25歳になった今は、きっといくつもの恋の経験をしているはずだ。と書きながら、15歳の時のインタビューを思い出した。スタンダード・ソングは、古い時代の歌詞ゆえに共感しにくいことがあると思うけれど、そういう時はどうするの?と言う質問に、「そういう歌の場合は、自分がブロードウェイの舞台に立つ女優になったつもりで演技するように歌う」と答えた言葉と表情に、聡明さと芯の強さ、音楽に対する無限の探求心が感じられて、とても微笑ましい気持ちを抱いた。

 少女から大人の女性に成長し、前回の来日からも5年以上が経つなかで、身を焦がすような恋をしたかもしれない。25歳の美しい女性になった彼女がどんな解釈と表現で、スタンダード・ソングを歌うのだろうか。それがひとつの楽しみだ。

 しかも今回は、日本で初めてのクリスマス公演になる。聖歌やファミリー向けの名曲以外に、クリスマス・ソングにはロマンティックな歌がいっぱいある。そのなかからどんな選曲で観客を楽しませてくれるのか。さらにエラ・フィッツジェラルドの名曲やオリジナル・ソングなど、幅広いレパートリーを誇るし、音楽に対する冒険心も大いに持つので、即興のスキャットで攻めつつ、高いエンターテイメント性を発揮する、ラブリーで、ハッピーなステージにきっとなるだろう。






天才的な歌唱力はもちろん、エンターテインメント性あふれるパフォーマンスもニッキーの魅力。しっとり歌い上げる『Blowin' Smoke』、そして『Big Mouth』ではスタイリッシュに。豊かな表現力も是非ステージで堪能して欲しい。ニッキー・ヤノフスキーYouTubeチャンネルでパフォーマンスをチェック! →http://youtube.com/user/nikkiyanofsky

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音楽界を代表するプロデューサー、クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子としてデビューしたのが12歳の時。ブルーノート東京では2013年に共演。

服部のり子(はっとり・のりこ)
レコード会社勤務を経て、音楽ライターになる。現在 毎日新聞や女性誌『マリソル』( 集英社) などで執筆。またJFN のラジオ番組『 アスリート・ママ』の企画・構成、JAL 機内オーディオの番組制作等もしている。

Christmas Evening with NIKKI YANOFSKY
Christmas Evening with ニッキー・ヤノフスキー
2019 12.22 sun., 12.23 mon., 12.24 tue., 12.25 wed.

12.22 sun.
 [1st]Open4:00pm Start5:30pm [2nd]Open7:30pm Start8:30pm
12.23 mon., 12.24 tue., 12.25 wed.
 [1st]Open5:00pm Start6:30pm [2nd]Open8:30pm Start9:30pm

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公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/nikki-yanofsky/

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12.22 sun., 12.23 mon., 12.24 tue.
全席クリスマス・ディナーコース付
[グラスシャンパーニュ/アミューズ/前菜/メイン/デザート]
1名様(ミュージック・チャージ + ディナーコース) ¥19,979(税サ込)


12.25 wed.
アラカルトのみでもお楽しみいただけます。ディナーコースをご希望の方は、1名様 ¥11,979(税サ込/ミュージック・チャージ別)

Menu
[アミューズ] 雲丹と百合根のムース コンソメのジュレ
[前菜]平目と帆立貝のサラダ仕立て キャビアを添えて
[メイン]フランス産鴨肉のロティ ソース・レザン
[デザート]ホワイトチョコといちごのショートケーキ ア・マ・ファソン

※12/19(木)~12/21(土)公演のティル・ブレナーでもクリスマス・ディナーコースをご用意しています。
1名様 ¥9,680(税サ込/グラスシャンパーニュ別/ミュージック・チャージ別)
※ご予約はインターネット(ブルーノート東京オフィシャルウェブサイト)もしくはお電話(03-5485-0088)で、前日の20時まで承ります。※開演30分前までにご来店ください。

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