結成は2011年。タンクを中心にオープン・マイクでの集まりがバンドに発展した。2013年には、代表曲のひとつ「Boxes And Squares」を含むデビュー・アルバム『Think Tank』を自主リリース。初期からのコア・メンバーは、タンクのほか、メレル・バーケット(キーボード)、ジョシュア・ジョンソン(ドラムス)、ノーマン・スペンス(ベース/キーボード)、そして2014年に加わったアルバート・アレンバック(サックス&フルート)。ヴァーヴ・フォアキャストからのメジャー初アルバム『グリーン・バルーン』(2019年)では、この5人にサブ・メンバーやゲスト・ミュージシャンを加えて録音。現在はメレルを除く4人で活動しているようだ。
ネオ・ソウル路線の「Smoke.Netflix.Chill」をはじめ、タンクの人生経験を反映したリアリティのある歌詞も共感を得た『グリーン・バルーン』は、タイニー・デスク・コンサートでタンクとの掛け合いを見せたアンジェリカ"ジェリー"ジョセフ、ラッパーのペルといった地元仲間の参加もあるが、制作陣にはメンバーに加えて、ジャック・スプラッシュ、ゼイトーヴェン、マーク・バトソンといった地元以外のプロデューサーも起用。ロバート・グラスパーもジャジーなムードの醸成に貢献し、アレックス・アイズレー(アーニー・アイズレーの娘)が客演したジャック・スプラッシュ制作の「Hot Air Balloons」にもグラスパー的なサウンドの影響が及んでいる。つまりニューオーリンズにとどまらない音楽的な広がりが感じられるわけで、そうした越境性はタンクが様々なフィールドのアーティストと共演、交流していることからも明らかだ。例えば、彼らのファンを公言するノラ・ジョーンズは、2019年に発表した2曲のシングル「Take It Away」と「Playing Along」でタンクをフィーチャー。ここではジャズと向き合うタンクの淑やかなヴォーカル(後者ではラップも)を聴くことができる。ノラは2016年の〈ニューポート・ジャズ・フェスティバル〉における自身のステージでもタンクをバック・コーラスに起用しており、それもバンドの知名度アップに貢献したことだろう。
地元クラブでのライヴを収めた『The Big Bang Theory: Live At Gasa Gasa』(2014年)、ヴァーヴ・フォアキャストとの契約後に出した『Live Vibes』(2018年)や『Live Vibes 2』(2019年)といったライヴ盤の内容からも、演奏やパフォーマンス力の高さは実証済み。特に親密度の高い小さいクラブでのショウは、もともとポエトリー・スラムのシーンで活動していたタンクを中心とするバンドだけに相性が良く、ブルーノート東京のステージが似合うこと請け合いだ。
The EXP Series #34 TANK AND THE BANGAS The EXP Series #34 タンク・アンド・ザ・バンガス
2020 1.31 fri., 2.1 sat.
1.31 fri.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:15pm Start9:00pm
2.1 sat.
[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm