上原ひろみ、シェフにインタビュー! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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上原ひろみ、シェフにインタビュー!

上原ひろみ、シェフにインタビュー!

音楽と食事を楽しむ。
これまで当たり前だった日常が姿を消した2020年の夏。
二人の挑戦が始まった。

  上原ひろみが"SAVE LIVE MUSIC"を掲げてブルーノート東京に帰ってくる。16日間、4種のプログラムが披露される本公演は、コロナ禍に苦しむライヴ業界の救済に向けて、ライヴの場を何よりも重視してきた彼女が世界に発信するチャレンジだ。

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  渾身のプレイとともにブルーノート東京を彩ってきたもう一つの物語は「食」。サービスが制限されるなか、上原が考案したのは、公演のテーマに沿ったテイクアウトのディナーボックス。初の試みに挑むシェフ長澤に、なんと上原本人がインタビューを敢行!音楽と食事を楽しむ、これまで当たり前だった日常が姿を消した2020年の夏。二人の挑戦が始まった。


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上原  海外のミュージシャンとブルーノート東京の話をすると、みんな食とサービスのことを言いますね。時差もあり、なかなか観光などもままならないなか、またここに戻ってきたなって思わせてくれるのは食事なんです。

長澤  ありがとうございます。

上原  今回の企画でお料理を作っていただけることになりましたので、お話をうかがいたいのですが、まず、前代未聞のこの状況ですけど、何ヶ月くらい店舗を閉めていらしたんですか?

長澤  2月の終わりくらいからこの状況が始まり、3月には3日間だけ公演を行なって、その後お客様を迎えることができたのは6月20日でした。

上原  その間はどうでしたか?

長澤  コロナの影響で人が集まれない状況になって、これまでやってきたことを奪われた感じでしたね。人が集まるところに食事があって、音楽があったわけだけど、それがなくなって。自分のテンションも下がってしまったけど、僕らは料理を作って、食べてもらって、それが仕事になり、感動にも繋がっていくわけで。だから少しでも作る、作らなきゃいけないと思ったんです。

上原  すべてを奪われたような気になりましたね。

長澤  食事の楽しいところが全部奪われてしまった。自分自身では何もできない。でも、みんなが少しずつでもやっていけば、前に進んでいくこともわかってきて。作る側の一人として、作らないといけない。ほんの少しでも料理で表現できれば。僕がブルーノートに20年いる理由は、プロの音楽家の姿に感動するからなんです。こんなにすごい人が、あんなにリハーサルをして、あれだけ真剣に弾くって。ミュージシャンってお客さんの前に出るときにスイッチが入って、ビッと変わるじゃないですか。あれを見ると、僕らも新しい気持ちにスイッチが入る。しんどいときでも、ミュージシャンのそういう姿を見ると、イメージも湧いてくる。音楽と料理のリズムが合わさって、自分たちもコラボしているように思えるんです。それが面白いというか、ここにいる理由ですね。

上原  シェフも作るモードに切り替わるスイッチってあるんですか?

長澤  ありますね。最初のオーダーが入るまではとても緊張します。キッチンにオーダー表がプリントされる音がするまでは緊張感マックスです。でもひとつ目のオーダーが入ったら、自然と身体が動きます。そしたら緊張が溶けて、どんどん動ける。新人たちもみんなそう言いますね。でもそれはとてもいいことだと思うんですよ。オーダーが入るまではドキドキです。

上原  ブルーノート東京は季節でメニューが変わりますが、シェフが決めていらっしゃるのですか?

長澤  季節のメニューはそれぞれのシェフと一緒に考えます。グランドメニューもそうです。そこに少しずつ自分のエッセンスが入るようにしていますね。季節の物を考えるのは好きですよ。日本料理の巨匠の言葉に「料理は季節が教えてくれる。迷ったらその季節の旬を使う」ってあるんです。

上原  それは日本に四季があるからですよね。世界にはなかなか季節を感じさせる料理はありません。

長澤  そうですね。この感覚は日本に生まれた特権ですね。

上原  ブルーノート東京の料理は視覚的にもきれいで、この空間も含めて五感で楽しむ感じですね。

長澤  社内でも色彩には注文があって(笑)。エンターテインメントな感覚にも気をつけています。

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上原  自分が自信を持って作ったのに、受け入れられないことってあるんですか?

長澤  ああ、それはもう...毎回、自分なんて毎回ですよ。でも、これはちょっと...ってなったら、それはお客様に合わなかったってことで、また勉強ですね。

上原  それもチャレンジだと。

長澤  そうです。今回の企画もチャレンジです。たとえば以前、エドマール(・カスタネーダ)さんとひろみさんが出演された時にお出しした"タマル"とかね。

上原  コロンビアの!

長澤  タマルって全然知らないし、どうしようと思ったんですけど、食べてみてこれはおいしい!と。社内の仲間とコロンビア料理を食べに行ったりもしました。

上原  いいですね!探究心あふれるチームというか。さて、今回4公演やるので、公演に沿った4種類のテイクアウト・ボックスを作っていただきました。

長澤  「スペクトラム」は色の放射というイメージなので、彩りのいいサンドウィッチで。野菜の色で艶やかなグラデーションが断面から見えるようにしたいですね。付け合わせはお肉やカクテル風のエビなんかも、パンを摘みながら食べてもらうのにいいかも。ボックスを開けた時に色がたくさんある感じにしたいですね。

上原  「スペクトラム」はピアノの鍵盤の白黒からさまざまな色が飛び出していくことをイメージして作ったアルバムなので、聴覚でその世界を楽しんでもらった後に、味覚と視覚でさらに味わえるのは嬉しいです。

長澤  紫いものペースト、赤ピーマンのマリネやにんじん、黄色はズッキーニとかね。

上原  カラフル! 続いて「プレイス・トゥー・ビー」。2009年に出したピアノソロ・アルバムです。

長澤  これはもう白と黒で。ここでイカスミを使わせてもらおうかなと思ってます。

上原  私は白黒だと、のり弁くらいしか思いつかない(笑)。「スペクトラム」とは真逆ですね。

長澤  そうですね。イカスミのパエリアにイカのマリネを鍵盤状にしようかなと。

上原  すごい!美味しそう!イカスミのパエリアってブルーノート東京のイメージです。

長澤  イカはレモンでマリネして爽やかに。黒いパエリアに白いイカのマリネの鍵盤。これを持ち帰った後で、どうおいしく食べてもらうか考えないといけない。

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上原  楽しみです。次は「バラード」。私はワインが好きなので、ワインに合うしっとりとしたお料理がいいかなと。

長澤  これは大人のおつまみセットです。ワインが進む自家製のレーズンバターサンドとか。

上原  わあ!レーズンバター大好きです!

長澤  デーツやプルーンにレモンクリームをつめたものとか。何かリクエストありますか?

上原  私、チーズが好きなので。

長澤  あ、そうそう。ブリーとトリュフで鍵盤みたいにしても面白そう。

上原  またまたハードルの高い!

長澤  これはよくやるんですよ。パルメジャーノの塩サブレもいいですね。ひろみさん、ワインは何が好きですか?

上原  ボルドーが好きです。ボルドー地方に公演が入ると嬉しくて(笑)。

長澤  なんか爽やかなブルゴーニュのイメージだった!

上原  まろやかなワインが好きです。でもせっかくなので、ハウスワインに合うものをお願いします(笑)。さて最後は「Since 2003」。エビカツです。これはもうリクエストで(笑)。エビカツとパン、オーロラソース、キャベツの千切り。これがほんと好きで。

長澤  それ、どっちかというと得意なやつ(笑)。

上原  嬉しいです!この公演は2003年から作ってきたアルバムの中から、いま弾きたい曲をやろうと思っているので、コンセプトは"私の好きなもの"です。

長澤  好きな物をたくさん入れちゃいましょう!

上原  では、この公演にかける意気込みを!

長澤  え!僕からですか!? 今は店内で料理も出しにくい状況ですが、 今回はお題をいただいて、僕らは作って、お客様が持って帰って召し上がる。このような機会がもらえたので、一生懸命やりたいです。しっかりチーム一丸となってお客様に満足していただけるようにやっていきたいです。

上原  なんか演奏とディナーでダブルアンコールみたいですね。それから、配信でしかご覧になれない方のために、新たに「STAR TABLE」というサービスで、ディナーセットの宅配を始めたそうですね?

長澤  ブルーノート・ジャパンのグループ全店のシェフで考案して作った、スタッフ全員の想いが詰まったセットです。店が開けられない、お客様も来られない状況にあっても、やっぱり料理を届けたいし、我々も作るのをやめたくない。ご自宅で大切な人と過ごす時間や繋がり、喜びを「STAR TABLE」を通して共有してもらいたい。そのお役に立てるといいなと思います。

上原  遠方にお住まいの方で、今この状況のなか、お店に来られない方もたくさんいらっしゃるので、その方たちにライブ配信を見ながらブルーノート東京の雰囲気を味わっていただけるなんて素敵な試みだし、今できることを最大限に模索されている姿勢にとても共感します。私たちもできることなら生で演奏を届けたい。シェフだって出来立ての料理を食べてほしいですよね。だけどそれができないからって、想いを届けることを諦めたくありません。何ができるのか常に試行錯誤しながら、今はほんとチャレンジの連続だと思います。私もがんばります!

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長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート・ジャパン グループシニアシェフ'91年に渡仏。各地方の名店で経験を積み、帰国後も現地の料理人や生産者との交流を大切にし、影響を受ける。日本の文化や伝統食材なども積極的に取り入れ、日々食と音楽の繫がりを追求している。

上原ひろみが"SAVE LIVE MUSIC"を掲げて
ブルーノート東京に帰ってくる。
16日間、4種のプログラム

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"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi ~Spectrum~
"SAVE LIVE MUSIC" 上原ひろみ ~Spectrum~
2020 8.25 tue., 8.26 wed., 8.27 thu., 8.28 fri., 8.29 sat.
8.25 tue., 8.26 wed., 8.27 thu., 8.28 fri.
 [1st]Open5:15pm Start6:00pm [2nd]Open8:00pm Start8:45pm
8.29 sat.
 [1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm

※8.28 fri. 2ndショウのみインターネット配信(有料)実施予定
※アーカイブ配信視聴期間:8.30 sun. 0:00amまで

公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara-spectrum/



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"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi ~PLACE TO BE~
"SAVE LIVE MUSIC" 上原ひろみ ~PLACE TO BE~
2020 9.4 fri., 9.5 sat., 9.6 sun., 9.7 mon.
9.4 fri., 9.7 mon.
 [1st]Open5:15pm Start6:00pm [2nd]Open8:00pm Start8:45pm
9.5 sat., 9.6 sun.
 [1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm

※9.7 mon. 2ndショウのみインターネット配信(有料)実施予定
※アーカイブ配信視聴期間:9.9 wed. 0:00amまで

公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara-placetobe/



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"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi ~BALLADS~
"SAVE LIVE MUSIC" 上原ひろみ ~BALLADS~
2020 9.10 thu., 9.11 fri.
[1st]Open5:15pm Start6:00pm [2nd]Open8:00pm Start8:45pm

※9.11 fri. 2ndショウのみインターネット配信(有料)実施予定
※アーカイブ配信視聴期間:9.13 sun. 0:00amまで

公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara-ballads/



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"SAVE LIVE MUSIC"
Hiromi ~Since 2003~
"SAVE LIVE MUSIC" 上原ひろみ ~Since 2003~
2020 9.12 sat., 9.13 sun., 9.14 mon., 9.15 tue., 9.16 wed.
9.12 sat., 9.13 sun.
 [1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open7:00pm Start8:00pm
9.14 mon., 9.15 tue., 9.16 wed.
 [1st]Open5:15pm Start6:00pm [2nd]Open8:00pm Start8:45pm

※9.16 wed. 2ndショウのみインターネット配信(有料)実施予定
※アーカイブ配信視聴期間:9.18 fri. 0:00amまで

公演詳細はこちら → https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara-since2003/



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