【COTTON CLUB SPECIAL】竹村一哲インタビュー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【COTTON CLUB SPECIAL】竹村一哲インタビュー

【COTTON CLUB SPECIAL】竹村一哲インタビュー

これまで数多くの大御所の期待に応えてきた若手ドラマー
同世代の仲間たちと自由に描く、自身のカルテット

 渡辺貞夫をはじめ日本ジャズ界の実力者たちのグループに次々と加入している辣腕ドラマーが竹村一哲だ。そして、1989年生まれの彼が同世代の井上銘(g)、魚坂明未(p)、三嶋大輝(b)と組んでいるワーキング・グループがめちゃ面白い。アコースティックなリズム隊のサウンドながら、自在に暴れる井上のギター音を介して、その総体は鮮やかに今を駆け抜ける! このカルテットによるアルバム『村雨』をリリースした彼に、その音楽観やライヴについて語ってもらった。

Interview & text = Eisuke Sato

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- 最初の楽器がドラムだったんですか。

「そうですね、ベースとかギターはちょこちょこやっていたんですけど。でも、ちゃんとやったのはドラムですね」

- 最初からジャズは身近なものだったのでしょうか?

「いや、最初はロックとか。巷で流行っているものも聴いてましたし、フュージョンとか親父が聴いているものも耳にしてました」

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- プロといえるような活動を始めたのは何歳ぐらいでしょう。

「中学卒業してからすぐなので、16歳になる年ですね。東京にちゃんと出てきたのは3年前ぐらいなんですが、16、7歳ぐらいから行ったり来たりしていました」

- ぼくが最初に竹村さんの演奏を見たのは2016年、板橋文夫さんのオーケストラで外山明さんとのツイン・ドラムでした。

「板(橋)さんとは長いですね。札幌のライヴ・ハウスで一緒にやらせてもらっていまして。もう、かなり強烈でした」

- それで貞夫さんともやったら、もう怖いものなしじゃないですか。

「いや、今も怖いですよ(笑)」

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- 貞夫さんはリズム隊に関して厳しいですよね。そして、今一番インターナショナルな活動をしているピアニストの藤井郷子さんの東京トリオでも叩いています。そこではベーシストの須川崇志さんとコンビを組んでいますが、2019年暮れに見た時にすごく奇想天外な絡み方をしていて、まだまだピアノ・トリオが進む道はあると思ったんですよ。須川さんとはよくやったりしているんですか。

「そうですね。彼とは峰(厚介)さんのバンドでずっと一緒なんです」

- サイドマンとして活動する一方、自分のグループをやりたいという欲求が出てきて、今のカルテットはあったりするんですか?

「札幌時代にもいろいろ自分の仕切りでやっていたんです。ピアノ・トリオや、サックスとトロンボーンの2管編成なんかも。もともとロックが好きだったのでエレキ・ギターを入れて、ジャズのテイストもありつつロックぽいものをやったこともありました」

- ロックというと、どの辺が好きなんですか。

「(レッド・)ツェッペリンですね。あの辺の人たちを聴いていました。ツェッペリンみたいなバンドがあったら入りたいです(笑)」

- 今回のカルテットは2年ほど続けているんですか。どういう経緯でこういうメンバーになったんでしょう?

「それぞれとはもちろん面識があって、ちょこちょこやったりしていました。東京に出てきてから自分の仕切りでやっていないなあと思い、自分と同世代ぐらいの、"すげぇいい奴だな"という人たちを呼びました。まず、ベースの三嶋と何かやりたいというのがずっとあったんです。それでフロントをどういう編成にしようかとなり、ピアノの魚坂は他のバンドで一緒にやったりしていて、すごく面白い奏者だし、銘ちゃんはもちろん活躍しまくっていていいなと思っていて、この4人だったら楽しいことができると思いました」

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- やはり同世代はやりやすいですか。

「はい、絶対年上は入れたくないなと思いました。気を遣いたくないので、それをしなくていい奴らとやりたかった。それだと何をやっても許されますし」

- 井上さんが入っているのは肝だと思いました。管楽器だと真っ当なジャズになっちゃうところ、代わりにギターが暴れることで清新な風穴がいっぱいできて、今のジャズになると思いました。

「そうですね。それは僕が求めたところです。そうしてくれるだろうなと思って銘ちゃんに声をかけ、好き勝手やってもらっています」

- このカルテットのライヴを見て、一人一人の顔が演奏からちゃんと見えて、いいライヴ・バンドだなと思いましたね。ベースの三嶋さんは身長があって、そんな人が太い歌心のある音を出していて、やはりベーシストは大きいといいなと思いました。魚坂さんも正統派の部分もあれば、もっと閃きで流れていくようなところも見え隠れして瑞々しいと感じました。

「みんな僕より身長がでかいんです。生意気ですね(笑)。このグループはライヴで聴いてほしいです。僕もライヴの方がテンション上がりますしね」

- 新作を出して各所をライヴで回って、その最後の公演がコットンクラブになるわけですね。

「貞夫さんでしかお世話になったことがないハコで、レジェンドや外国のミュージシャンが出ているイメージだったので、感慨はあります。まさか自分のバンドで声をかけてもらえるとは思っておらず、それは嬉しいですね。単純に親とか喜んでいるかもしれないです。コロナじゃなかったら、呼ばなくても来そうですね(笑)」

- 実際の演奏に関しては、これまでのギグやレコーディングで得たものを素直に出すという感じですか。

「そうですね。できたら新曲もやりたいですね。アルバム以外の曲もやろうと思っています。セットリストは当日決めると思うので、臨機応変に行きたいです」

- ライヴだと、スタンダードを演奏する時もあるのでしょうか。

「基本的にはやっていないです。でも、たまにアンコールとか、1曲足りないとかで、何度かやったりはしています」

- トランペッターのジャック・ワルラスがチャールズ・ミンガスに書いた曲「ブラック・バッツ・アンド・ポウルズ」もアルバムやライヴで取り上げています。でも、あれは誰もやっていないような曲ですよね。

「誰もやっていないなということで取り上げました。ミンガスは大好きです。彼は強烈なので、いじりようがないというか、誰がやってもミンガスの匂いがしてしまう。でも、あの曲はミンガスが書いた曲じゃないし、ギターでやると雰囲気が変わっていいんじゃないかと、昔から好きでやっていた曲なんです」

- 30歳代前半の一番イキのいい世代の、覇気に満ちた今のジャズが聴きたいんだったら、このカルテットはおすすめだと、ぼくは切に思いますね。

「そう言っていただけると嬉しいです。元気だけが取り柄なんですが、どんどん仲良くなっていって、やるたびに喜びや発見を覚えますね」

- やっぱり、俺たちの世代のジャズを聴かせるぞと言う意気込みはありますか。

「何も考えてないんですよ。俺がやりたいことをやって、それに付いてきてくれる奴らがいて、という感じです。とにかく、その場の演奏を楽しくやりたいんです」

- そして、9月にはタップダンサーのSAROさんとピアニストの和久井沙良さんとの3人で、またコットンクラブで公演があります。これは、今年のJAZZ AUDITORIAでの共演がきっかけになっているんですね。

「はい。SAROさんとはすごい前に札幌のイべントで一緒にやったことがあるんですが、そのときは他にもダンサーの方がいたんです。それで、この間ふたりでやって、すごく楽しかったねとなりました。僕は沙良ちゃんと一緒にやったことはないんですが、板橋さんのライヴに来ていたんですよ。まだ高校生で制服を着て、一番前に座っていました。今、活動しているのは知っていて、共演するのが楽しみです」


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竹村一哲
『村雨 / Murasame』
(Days of Delight)
※2021年7月1日発売

LIVE INFORMATION

【コットンクラブ】
竹村一哲カルテット

ITTETSU TAKEMURA QUARTET

2021. 8.12.thu
[1st.show] open 3:00pm / start 4:00pm
[2nd.show] open 5:45pm / start 6:30pm

<Member>
竹村一哲 (ds)
魚返明未 (p)
井上銘 (g)
三嶋大輝 (b)

公演詳細はこちら→ http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/ittetsu-takemura/

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【コットンクラブ】
SARO × 竹村一哲 × 和久井沙良
"First SESSiON"

SARO × ITTETSU TAKEMURA × SARA WAKUI

2021. 9.15.wed
open 5:30pm / start 6:30pm
※1日1.showになります。

<Member>
SARO (tap)
竹村一哲 (ds)
和久井沙良 (p)

公演詳細はこちら→ http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/saro/

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