【公演直前インタビュー】Katsina Session
シーンの最前線で活躍する凄腕プレイヤーが集結
その瞬間、その場所でしか生まれない究極のセッション
タブゾンビ、日向秀和、伊澤一葉、柏倉隆史によるKatsina Session。大阪のライヴハウスでのセッションをきっかけに、2016年に結成された彼らは、卓越した技術と奔放な創造性を併せ持った、日本屈指のセッション・バンドと言っていいだろう。凄腕プレイヤーが集結しながらも、未だベールに包まれたこのスーパーバンドの魅力を、タブゾンビの言葉とともに解き明かす。
interview & text = Tomoyuki Mori
live photo = Yamashita Takafumi
SOIL&"PIMP"SESSIONSのメンバーにして、RADWIMPS、ストレイテナー、雨のパレードなどの作品で客演しているタブゾンビ(tp)、ストレイテナー、Nothing's Carved In Stoneのベーシストとして強烈な存在感を示す日向秀和(b)、自身のグループ、あっぱのほか、東京事変、the HIATUSの鍵盤奏者でもある伊澤一葉(key)、そして、toe、the HIATUSのメンバーであり、木村カエラ、黒木渚など、数多くのアーティストをサポートしている柏倉隆史(ds)。ジャンルを超え、日本の音楽シーンを支え続けるミュージシャンが揃ったKatsina Sessionは、不定期にライヴを重ね、広大な音楽の海を縦横無尽に行き来するような刺激的なアンサンブルを生み出してきた。そのポテンシャルの高さは、「いろいろやりたいことはあるんだ。このバンドならなんだって可能だからね」というタブゾンビのコメントからもはっきりと伝わってくる。
「Katsina Sessionは今のところすべてセッションだから、楽曲制作というものはないんだ。大事なのは、その場の振動をキャッチすること。テレパシーって知ってるかい?ソレなのさ!我々の振動がアストラル体に共鳴するのさ」
ジャズ、ロック、R&Bなどの要素が肉体的に混ざり合い、高いテクニックと自由なアイデアに裏打ちされたフレーズが行き交う4人の音楽は、その場でしか味わえない刺激的な即興性と、聴き手の感情に強く刻まれる普遍性が共存している。メンバー全員がプロデューサー的な資質を持っていることも、このグループの音楽的な奥行きにつながっているのだろう。
そして9月9日には、ブルーノート東京での初ライヴも決定。「とてもスペシャルな夜になるはずさ。オレたちはいつだってそうだから」という言葉通り、この日だけの特別なステージが繰り広げられるのはまちがいない。
今後の活動についても、「いろいろ考えてあるんだ。面白い展開になっていくと思うよ。もしよければSNSのカチナをフォローしてくれよ」と強い意欲を見せている。その瞬間、その場所でしか生まれないセッションを軸にしたKatsina Session。その魅力をぜひ、ライヴという場所で体感してほしい。ところで"Katsina"とは、ネイティブアメリカンが信仰する精霊のこと。この言葉をバンド名に冠した理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「カチナドールって知ってるかい? どことなくメンバーに似てるんだぜ」
森朋之 (もり・ともゆき)- 1999年から音楽ライターとして活動をスタート。ポップス、ロック、ジャズなど幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』など。
LIVE INFORMATION
Katsina Session
2021 9.9 thu.
[1st]Open4:00pm Start5:00pm [2nd]Open6:45pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/katsina-session/
<Member>
タブゾンビ [SOIL&"PIMP"SESSIONS](トランペット)
日向秀和 [ストレイテナー, Nothing's Carved In Stone](ベース)
伊澤一葉 [the HIATUS, 東京事変, あっぱ](ピアノ)
柏倉隆史 [toe, the HIATUS](ドラムス)