【JAM vol.220】ANDREA MOTIS "Loopholes"
text= Kazunori Harada
バルセロナのジャズ・ヒロインが
エレクトリック路線の話題作を携えて新章を拓く
進化・発展を続けるスペイン・バルセロナ出身のトランペッター&ヴォーカリスト、アンドレア・モティスが4年ぶりに登場する。7歳から演奏を始め、12歳でマルチ・ミュージシャンのジョアン・チャモロに師事すると共に、彼が率いるサン・アンドレウ・ジャズ・バンドに参加。2012年、大物プロデューサーのクインシー・ジョーンズに認められて世界的な注目を浴びるようになった。
彼女が、師のジョアン・チャモロと共にブルーノート東京に初登場を果たしたのは2017年のこと。この時はスタンダード・ナンバー中心のプログラムだったが、アルバム『もうひとつの青』を携えて行なわれた19年の公演では一転、ブラジル音楽にフォーカスした内容でオーディエンスを魅了した。
そして今回は、エレクトリック・サウンドを探求した最新作『ループホールズ』を携えての公演だ。ギタリストのクリストフ・マリンジャーとベーシストのステファン・コンダートを共同プロデューサーに迎えた同作には、BIGYUKIやグレゴリー・ハッチンソン(元ロイ・ハーグローヴ・クインテット)も参加。"ロバート・グラスパーもジャック・ジョンソンもファッツ・ウォーラーもブルースもラテン音楽も同じように愛する"柔軟な感性の持ち主であるアンドレアの、ファンクやネオ・ソウル方面、エレクトリック・サウンドへの愛情が注ぎ込まれた。楽曲も「アイ・ハド・トゥ・ライト・ア・ソング・フォー・ユー」、「ループホールズ」をはじめ、逸品ばかり。アンドレアの歌声や吹奏が途方もなく生き生きしていることにも、聴いていて大きな喜びがあふれた。
来日公演にはもちろんマリンジャーとコンダートも参加、ヨーロッパ屈指のジャズ・ファンク・バンド"ファスト3""ファット・フレッド"で濃厚なオルガンを弾きまくっていたアレシオ・スミスのプレイにも注目したい。『ループホールズ』の世界観が、観客の反応を得て、さらに白熱する3デイズ。"新生"アンドレアを見逃すわけにはいかない。
LIVE INFORMATION
アンドレア・モティス
2023 5.13 sat., 5.14 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
2023 5.15 mon.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/andrea-motis/
<MEMBER>
アンドレア・モティス(ヴォーカル、トランペット)
クリストフ・マリンジャー(ギター、ヴァイオリン、マンドリン)
アレシオ・スミス(キーボード)
ステファン・コンダート(ベース)
ミゲル・アセンシオ(ドラムス)