【JAM vol.221】MARQUIS HILL | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.221】MARQUIS HILL

【JAM vol.221】MARQUIS HILL

text = Kenichi Aono

気鋭のトランペッター、
マーキス・ヒルが新作を携えて来日
ドラムにはケンドリック・スコットが参加

 2014年の「セロニアス・モンク・コンペティション」で優勝し、2016年の『The Way We Play』でメジャー・デビュー。『Modern Flows Vol. 2』(2018)、『LOVE TAPE』(2019)、『Soul Sign』(2020)、ケンドリック・スコットやジョエル・ロス、ウォルター・スミス3世らが参加したライヴ・アルバム『New Gospel Revisited』(2022)といったソロ作品のほか、グレッグ・スピーロ、マカヤ・マクレイヴン、ジョエル・ロス、ジェフ・パーカーらとのコラボレート作『The Chicago Experiment』(2022)も話題となったシカゴ出身のトランペット奏者、マーキス・ヒル。

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 7月5日にリリースされる最新作『Rituals + Routines』(日本盤CDはCORE PORTより発売。CDは日本のみ)はスポークン・ワードを全篇に配したメディテーティヴかつスピリチュアル、それでいてジャズ特有のスリリングさも存分に感じられるコンセプト・アルバムだ。ブラクストン・クック(ヴォーカル、アルトサックス)、ジョエル・ロス(ヴィブラフォン)、G. トーマス・アレン(ヴォーカル)、フィーリックス(ヴォーカル)、エアリーズフールムーン(ヴォーカル)をフィーチャーしたこのアルバムは、近年のジャズのキーワードのひとつであるヒップホップのフィーリングに傾きすぎることなく、どちらかといえばかつてのシカゴ音響派ともリンクするようなエフェクト感たっぷりの幻想的な美しさを有する内容である。そんなユニークでオリジナリティあふれる作品を引っさげて、マーキス・ヒルが7月3日、4日の両日、ブルーノート東京に登場する。

 今回の公演メンバーは、シオ・クローカーのバンド・メンバーであり『Rituals + Routines』にも参加している鍵盤奏者のマイケル・キング、同じくアルバムに参加し、また4月のマカヤ・マクレイヴンの公演でも素晴らしいプレイを披露してくれたベーシスト、ユニウス・ポール、そして若くしてケニー・ギャレットやパット・メセニー、ゲイリー・バートンらと共演を果たし、自身のグループ「オラクル」も人気の現代ジャズにおけるトップ・ドラマーのひとり、ケンドリック・スコットが名を連ねる。

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 先に記したように『Rituals + Routines』には複数のフィーチャリング・アーティストがクレジットされているが、今回のブルーノート東京公演はカルテット編成ということで、同アルバムの楽曲がどのように演奏されるのかは興味深いところであり、またこの公演で演奏された曲のアルバム・ヴァージョンをあとから聴いてみて違いを見出すのも一興だろう。そしてエフェクトを効かせて空間を創造する音響的アプローチも聴きどころのひとつ。いずれにせよクリエイティヴィティあふれるこの公演は、ジャズ・ファンだけでなくこれまでジャズに触れる機会のなかったひとも楽しめるはずである。

LIVE INFORMATION

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マーキス・ヒル

2023 7.3 mon., 7.4 tue.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/marquis-hill/

<MEMBER>
マーキス・ヒル(トランペット)
マイケル・キング(ピアノ)
ユニウス・ポール(ベース)
ケンドリック・スコット(ドラムス)

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