【JAM vol.221】MAYU KISHIMA × TAKESHI OHBAYASHI
text = Kenichi Aono
ふたりのパッションが
クロスオーヴァーするところに生まれる
見たことのない新たな景色
2015年秋にケルン音楽大学大学院を満場一致の首席で卒業し、ドイツの国家演奏家資格を取得。現在は日本とヨーロッパを拠点に精力的に活動を続けるヴァイオリニスト、木嶋真優がブルーノート東京を舞台に展開するライヴ・シリーズの第3弾が開催される。
今回は、世界30カ国を超えるフェスティバルやジャズ・クラブでの演奏歴を有し、2016年には日本人として初めて「ジャクソンヴィル・ジャズ・ピアノ・コンペティション」で優勝、近年ではMISIAのバンド・マスターをはじめますます活動の幅を広げているピアニストの大林武司を迎えたデュオ公演だ。6月の「MAYUフェス vol. 1」で共演は果たしているものの、ふたりだけでの本格的な演奏は7月8日に「札幌芸術劇場 hitaru」で行われるコンサートと、このブルーノート東京公演が初。今回のために大林が書き下ろした楽曲も用意されているというから期待は膨らむばかりである。
木嶋真優は過去2回(2021年、2022年)のブルーノート東京公演では伊賀拓郎(ピアノ)と一本茂樹(コントラバス)、そして松永貴志(ピアノ)と共演し、瑞々しくも情熱的な演奏を聴かせてくれた。そこでは記譜された作品を演奏で表現するクラシック演奏家としての側面だけでなく、自身の感性を大切にした即興演奏というジャズ的なアプローチでも観客を魅了した。そんな木嶋と、ジャズの本場・ニューヨークを拠点に活動する百戦錬磨のピアニスト、大林の音が交わる瞬間を想像するだけでゾクゾクしはしないだろうか。クラシックとジャズのクロスオーヴァーは古くから実践されてはいたが、それぞれのジャンルから飛び出すような新しい音楽はそう多くはなかったといえる。まさに「言うは易く行うは難し」なのである。しかしながら、このふたりならそのハードルを見事に越えて、新たな景色を見せてくれるはず。聴く側は構えずに「いい音」を期待していこう。
LIVE INFORMATION
木嶋真優 x 大林武司
2023 7.16 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/mayu-kishima/
<MEMBER>
木嶋真優(ヴァイオリン)
大林武司(ピアノ)