【JAM vol.223】BLUE NOTE TOKTYO 35th presents In Concert at Sumida Triphony Hall
text = Kazunori Harada
ジャズ・ピアノとラージ・アンサンブルにスポットを当てた、
意欲的なホール・コンサート2公演が10月に開催
ブルーノート東京の35周年イヤー関連企画として、すみだトリフォニーホールで二つの特別公演が開催されることが決定した。まさにこの日この時限りの、すこぶる意欲的なダブルビル・コンサートである。
10月13日に行われる公演のタイトルは、「JUNKO ONISHI solo & TIGRAN HAMASYAN "StandArt"」。今春アルバム・デビュー30周年を迎えた大西順子、ジャズやミュージカルの歴史的ナンバーに独自の装いを施したアルバム『StandArt』が好評のティグラン・ハマシアンという、ワールドワイドな活動を続けるふたりのピアニストにスポットライトが当たる。トリオからオーケストラまで多彩なフォーマットで活動を続ける大西だが、ソロ・パフォーマンスではストライド奏法やモダン・ジャズ以前の楽曲も多く導入。ジャズ・ピアノの豊かな歴史も体感できるプログラムとなりそうだ。ティグランはハリシュ・ラガヴァン(b)、ジェレミー・ダトン(ds)とのトリオ編成によるステージ。母国アルメニアの古典音楽の再解釈から、マスロック、エレクトロニカ的な音作りでも瞠目される鬼才が、ひとりのアコースティック・ジャズ・ピアニストとして、どんな楽曲を彼ならではの手法でスウィングし、ドライヴさせてゆくのか、想像するだけでも気持ちが高まる。大西とティグラン双方が持つジャズへの愛、ピアノという楽器へのアプローチも含め、興味と感動の尽きないひとときとなるのは間違いないところであろう。
昨今のジャズ界でますます重要な位置を占めているラージ・アンサンブルの魅力に徹底的に迫ることのできる一夜が、10月15日に行われる「SFJAZZ COLLECTIVE & BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO」。SFジャズ・コレクティヴは2004年、サンフランシスコの非営利ジャズ機関"SFジャズ"の呼びかけで結成され、過去ジョシュア・レッドマン(初代音楽監督)、ブライアン・ブレイド、ボビー・ハッチャーソンなど錚々たるメンバーが在籍。2021年からはクリス・ポッターが音楽監督を担当、このたび最新ラインナップでの来日が実現することになった。「ジャズの伝統を讃え、更新すること」をコンセプトとする音作りは、継承と開拓の快いバランスに満ちており、来年の結成20周年を前に、ひときわ充実した演奏を届けてくれるのは約束されたも同然だ。いっぽう、今年の5月に発足10周年を迎えたブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラは、これまでパット・メセニー、マーカス・ミラー、デヴィッド・サンボーンらトップ・アーティストたちと共演。ブルーノート東京をホームグラウンドとする彼らが、どんなプレイでホールを満たすのかにも期待は高まる。
ワンマン形式の充実感と、フェスの華やかさを併せ持つダブルビル・コンサートの世界。秋の夜長に、ジャズの醍醐味を感じたい。
LIVE INFORMATION
BLUE NOTE TOKTYO 35th presents In Concert at Sumida Triphony Hall
JUNKO ONISHI SOLO / TIGRAN HAMASYAN "StandArt"
2023 10.13 fri.
すみだトリフォニーホール
OPEN : 18:00 / START : 19:00
https://www.bluenote.co.jp/jp/lp/in-concert/junko-onishi-tigran-hamasyan/
BLUE NOTE TOKTYO 35th presents In Concert at Sumida Triphony Hall
SFJAZZ Collective / Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra directed by Eric Miyashiro
2023 10.15 sun.
すみだトリフォニーホール
OPEN : 17:00 / START : 18:00
https://www.bluenote.co.jp/jp/lp/in-concert/sfjazzcollective-bntasjo/