【JAM vol.225】PATTI AUSTIN
text = Kenichi Aono
パティ・オースティン4年半ぶりの公演は
華やかで祝祭感に溢れたクリスマス仕様
わずか4歳でニューヨーク・ハーレムの名門「アポロ・シアター」のステージに立ち、10代の頃にはイギリスのノーザン・ソウル・シーンでも人気を博した「The Family Tree」などの7インチ・シングルをリリース。70年代に入るとソウル、R&Bだけでなくさまざまなジャンルのアーティストのアルバムにバックグラウンド・ヴォーカルとして参加しキャリアを重ねたシンガー、パティ・オースティン。この時代の仕事はアル・クーパー『Naked Songs』やロバータ・フラック『Feel Like Makin' Love』といったアルバム、ポール・サイモンの「50 Ways to Leave Your Lover」などで聴くことができる。1976年のデビュー・アルバム『End Of A Rainbow』をはじめ、名門〈CTI〉から数作をリリースしたのち、かのクインシー・ジョーンズのレーベル〈QWEST〉と契約し、アルバム『Every Home Should Have One』(1981)を発表。煌びやかなアーバンR&B/ソウルを展開し確固たる地位を築くこととなった。ジェームズ・イングラムとのデュオ曲「How Do You Keep The Music Playing」などこれまで6回のグラミー賞ノミネートがあり、ジョージ・ガーシュウィンを取り上げたアルバム『Avant Gershwin』(2007)で晴れてベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞している。
これまで何度かブルーノート東京に登場しているパティ・オースティン。2013年の公演ではジャズ、R&B、ソウル、2017年には自身もトリビュート・アルバム『For Ella』(2002)をリリースしているエラ・フィッツジェラルドの生誕100年を記念したステージ、そして2019年はR&B、AORと、毎回テーマを設けたステージだったが、今回はホリデー・シーズンにちなんでクリスマス・チューンを披露してくれるという。キャリア初期から変わらない伸びやかさに、うちから滲み出るような迫力が加わりますます磨きのかかったヴォーカルで歌われる、このシーズンだけの音楽のスペシャル・ギフト。これは楽しみでしかない。煌びやかで祝祭感に溢れたステージになることうけあいの本公演、足を運ぶ方はいつもより少しドレスアップして出かけてみてはいかがだろうか。パティ・オースティンの歌声とオーディエンスの雰囲気が呼応して、最高に華やかなクリスマス・シーズンの思い出になるはずである。
LIVE INFORMATION
PATTI AUSTIN
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/patti-austin/
2023 12.15 fri., 12.16 sat., 12.17 sun., 12.18 mon.
12.15 fri., 12.18 mon.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
12.16 sat., 12.17 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
<MEMBER>
パティ・オースティン(ヴォーカル)
キム・ハンセン(キーボード)
ノリコ・オリング(キーボード)
ジェイムス・ハラー(ギター)
エリック・シットナー(ベース)
ランド・リチャーズ(ドラムス)
後援:J-WAVE