【特集Edition Records】Chapter1:BEN WENDEL | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【特集Edition Records】Chapter1:BEN WENDEL

【特集Edition Records】Chapter1:BEN WENDEL

ジャズ界の重要アーティストが続々来日!
UK発の注目レーベルEdition Recordsに迫る

 この10年、ジャズの盛り上がりにはレーベルが貢献してきた。メジャー傘下だったらブルーノートやコンコード、インパルス。インディペンデントだったら、LAのブレインフィーダー、シカゴのインターナショナル・アンセム。これらのレーベルが世界に多くの才能を紹介してきた。これらはすべてアメリカのレーベルだが、ここ数年、急激に勢いを増しているレーベルがイギリスにある。それがEdition Records(以下、Edition)だ。

text = Mitsutaka Nagira

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 2008年に設立したEditionは、もともと地元イギリスのジャズをリリースしていたレーベルだった。ロンドンのジャズ・シーンを出発点に少しずつ人脈を広げ、北欧を含めたヨーロッパにまでレーベルのコミュニティを拡張。フロネシスのヒットなどもあり、2010年代にはヨーロッパの若手を紹介するレーベルとして徐々に知名度を獲得していった。

 転機は2019年。クリス・ポッターと契約し、彼のアルバム『Circuit』をリリースしたことだった。アメリカのトップ・アーティストがイギリスのインディレーベルからリリースしたことは大きな話題になったが、そこからEditionは一気に世界のジャズ・シーンの中心に躍り出る。

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 カート・エリング、デイヴ・ホランド、グレッチェン・パーラト、リオーネル・ルエケ、ベン・ウェンデル、ニーボディ、マーキス・ヒル、ザ・バッド・プラス、ネイト・スミス、マーク・ジュリアナ、ダニー・マッキャスリン、ギラッド・ヘクセルマンらが続々とEditionと契約し、アルバムをリリースした。新たな手法やハイブリッドなサウンドなど何かしらのチャレンジを行っているベテランから若手まで、こぞってEditionを選んだのはこのレーベルがすでにシーンから信頼を得ている証拠だろう。

 2023年のグラミー賞のジャズ部門ではEditionからカート・エリング、グレッチェン・パーラト&リオーネル・ルエケ、ベン・ウェンデルがノミネートされている。Editionがグラミー賞のジャズ部門の主要部門の受賞をするのも時間の問題だ。

20240216_BenWendel_image002.jpg L) 2023 2.1 Mark Guiliana (Photo by Tsuneo Koga) M) 2023 11.5 Gretchen Parlato(Photo by Tsuneo Koga) R) 2023 10.16 Chris Potter/SFJAZZ Collective(Photo by Tsuneo Koga)

 そんなEditionのアーティストが日本でライヴをやるのはいつもブルーノート東京だ。クリス・ポッター、グレッチェン・パーラト、マーキス・ヒル、ネイト・スミス、マーク・ジュリアナ、ダニー・マッキャスリンがブルーノート東京で素晴らしいパフォーマンスを見せてきた。そしてEditionのアーティストは2024年もブルーノート東京で来日公演を行う。

20240216_BenWendel_image003.jpgL) 2023 7.3 Marquis Hill (Photo by Tsuneo Koga) M) 2023 8.31 Donny McCaslin (Photo by Takuo Sato) R) 2023 3.4 Nate Smith +KINFOLK(Photo by Tsuneo Koga)

 2月16日と17日にサックス奏者のベン・ウェンデルが来日する。クリス・ポッターとも並ぶ現代ジャズ・サックスの最高峰プレイヤーだ。ベン・ウェンデルの特徴はその活動の幅の広さ。コンテンポラリー・ジャズのシーンだけでなく、在籍するバンドのニーボディでの活動やテラス・マーティン、ティグラン・ハマシアンとのコラボ、エレクトロニック・ミュージックのプロデューサーであるデイデラスとの交流など、ハイブリッドな音楽にも飛び込み続けている。

Ben Wendel High Heart // Feat. Michael Mayo, Gerald Clayton, Shai Maestro, Joe Sanders & Nate Wood

 Editionとの契約は2020年の『High Heart』から。超絶ヴォーカリストのマイケル・マヨを起用し、彼の器楽的なヴォーカルをシャイ・マエストロやネイト・ウッドら敏腕ぞろいのグループと共存させた傑作だった。そして、2023年には『All One』を発表。テナーサックス、ソプラノサックス、バスーンを自身で演奏して幾重にもオーヴァーダビングしたほぼ管楽器だけの疑似アンサンブルに、豪華ゲストを加えた実験的かつ洗練された音楽はグラミーにもノミネートされた。

"Tenderly" feat José James & Ben Wendel

 キャリアの絶頂期にあるベンをこのタイミングで観られることは幸運というほかない。しかも、今回の編成は『High Heart』に参加のシャイ・マエストロとネイト・ウッドに加え、NY現代ジャズの名ベーシスト、ハリッシュ・ラガヴァンも帯同する。この組み合わせならば、世界最高レベルのコンテンポラリー・ジャズのセッションになることは間違いないだろう。

〜COMING SOON! Chapter2:The Bad Plus〜




柳樂光隆(なぎら・みつたか)
1979年、島根県出雲市生まれ。音楽評論家。21世紀以降のジャズをまとめた世界初のジャズ本「Jazz The New Chapter」シリーズ監修者。共著に鼎談集「100年のジャズを聴く」など。鎌倉FM「世界はジャズを求めてる」でラジオ・パーソナリティも務める。
★Edition Recordsのレーベル・オーナー Dave Stapletonのインタビューはnoteに掲載
https://note.com/elis_ragina/n/ndbb0f80918d8

公演に向けて期待高まるコメントが到着!


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For BEN WENDEL & SHAI MAESTRO
桑原あい(Pianist)

 なんてワクワクするメンバー!!!ベンには6年前の私のアルバムにゲストで参加していただきました。時差ぼけで疲れているなか、深夜のRecに来てくださり、数分で曲を理解し、スーパープレイを残してくれました。どんな時もベンの香りがする、彼が響かせる"音"が大好きです。シャイとは7年前に一度だけ2台ピアノをやらせていただきましたが、スタンダード曲への解釈や視点がとても面白く、美しく、感動したことを覚えています。そしてピアノの表現が細部までコントロールされ圧倒的で魅せられてしまいました。今回のライヴは、音楽がどこまで、どんなところまで行ってしまうのか、絶対に見逃せない貴重なライヴかと思います。東京にお住まいの皆様、必見です!そして感想のレポをお待ちしてます笑!



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For BEN WENDEL
馬場智章(Saxophonist)

 ベンが現代ジャズサックスにおいて、最も演奏技術が卓越しているプレイヤーであることは間違いありません!僕が最初にベンの生演奏を聴いたのはNY Jazz Galleryで、エリック・ハーランド・グループの公演でした。その圧倒的な技術と音色に驚き、公演後はベンのリーダー作はもちろん、彼が参加するあらゆる音源を聴きました。なかでもティグラン・ハマシアン、ルイス・コール・ビッグバンドでは、それぞれのサウンドを尊重しつつ、彼のスタイルを反映させている演奏がとても素晴らしく、僕が音楽に向き合う上でも大きな糧となりました。 そんなベンが今回自分のバンドで来日するということで、技術はもちろん、その演奏を存分に生かした繊細かつ破壊力抜群のオリジナル曲を聴くことができるのはとても楽しみ。一緒に来日するメンバーも強烈です。ジャンル問わず音楽好きの方は絶対観た方が良い!



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For HARISH RAGHAVAN
須川崇志(Bassist)

 ハリシュ・ラガヴァンは現代NYジャズ・シーンの名手たちから厚い信頼を受ける同世代ベーシストとして注目しています。力強く独特のタッチは、彼と同郷のレジェンドWilbur Wareを想起させますし、感情的かつ正確無比な楽器コントロールの裏には、音楽に対する強い意志がマグマの如く流れていますね。これはライヴで生音を聴かないと!




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For NATE WOOD
松下マサナオ(Drummer)

 ネイトと初めて会ったのは、彼がウェイン・クランツのトリオで来日したとき。友達だってハッタリ決めて楽屋に忍び込んでワッツアップしたら、その瞬間からホントに友達になってくれた。Kneebodyでの快進撃が始まった頃だ。LA的バイブスと現代的な解釈の完璧なバランスのハイブリッド・ドラマーであり、プロデューサー、シンガー、エンジニア。どのワークスにも彼だけの音がなっている。空間があるんだよね。忙しくならない。今回は無双サックス・プレイヤー、ベンのバンドで最強メンツと来日。最高の音場ブルーノート東京でアレを体感できるなんて、みんな日本に住んでてよかったね!


LIVE INFORMATION

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BEN WENDEL GROUP
with Shai Maestro, Nate Wood & Harish Raghavan


2024 2.16 fri., 2.17 sat.
2.16 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
2.17 sat.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm

https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/ben-wendel/

<MEMBER>
ベン・ウェンデル(サックス)
シャイ・マエストロ(ピアノ)
ネイト・ウッド(ドラムス)
ハリシュ・ラガヴァン(ベース)

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