【JAM vol.227】SÍLVIA PÉREZ CRUZ
text = Kenichi Aono
多くの人が待ちわびたカタルーニャ音楽を代表するシンガー
三度目のブルーノート東京公演
2012年の『11 De Novembre』でアルバム・デビューを果たして以来、カタルーニャを代表する音楽家として確固たる地位を築いてきたシルビア・ペレス・クルス。2018年には日本とスペインの国交樹立150周年を記念した初来日公演をブルーノート東京で行い、弦楽五重奏をバックに情感豊かな歌声で観客を魅了した。その翌年にはスペイン・バレアリス諸島のひとつメノルカ島出身のピアニスト、マルコ・メスキーダとのデュオでふたたびブルーノート東京のステージに。三度目のブルーノート東京公演となる今回は、昨年リリースされた現時点での最新アルバム『TODA LA VIDA, UN DÍA』をフォローするような内容になるという。
『TODA LA VIDA, UN DÍA』は全21曲、5楽章からなる作品。アルバム・タイトルは日本語だと「人生のすべて、ある日」といったところであり、それに準じて人生のパートを各楽章に割りあてている。最終楽章が「RENACIMIENTO(ルネサンス、再生、復活)」であることから、ひとりひとりの人生だけでなく、すべての人の営みが循環し歴史を作っていることをも視野に入れているかのようである。このアルバムには、アルゼンチンのフォルクローレ歌手の代表格であるリリアナ・エレーロ、スペイン音楽、フラメンコの大御所ぺぺ・ハビチュエラ(ギター)、カルレス・ベナベント(ベース)、カルメン・リナレス、ディエゴ・カラスコ(ともにヴォーカル)、メキシコのシンガー・ソングライター、ナタリア・ラフォルカデ、アカ・セカ・トリオの一員としても知られるアルゼンチンのシンガー・ソングライター、フアン・キンテーロらがゲスト参加。彼、彼女たちとシルビア・ペレス・クルスの持ち味が触発しあって、楽曲バラエティに富みつつ同時にシルビア・ペレス・クルスの個性が際立つ"濃い"アルバムとなった。
今回のブルーノート東京公演は、2018年の初公演にも参加したカルロス・モントフォート(ヴァイオリン、トランペット、パーカッション)と、マルタ・ローマ(チェロ、トランペット、シンセサイザー)、ボリ・アルベロ(コントラバス、シンセサイザー)が脇を固める。シルビア・ペレス・クルスはヴォーカルとギターのほか、シンセサイザーも奏でるという。『TODA LA VIDA, UN DÍA』の多彩な楽曲群がこの編成でどのように演奏されるのか、期待はふくらむばかりだ。
RELEASE INFORMATION
SÍLVIA PÉREZ CRUZ『Toda la vida, un día』
(Sony Music Entertainment España)
LIVE INFORMATION
SÍLVIA PÉREZ CRUZ presents "Toda la vida, un día"
2024 4.7 sun., 4.8 mon.
4.7 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
4.8 mon.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/silvia-perez-cruz/
<MEMBER>
シルビア・ペレス・クルス(ヴォーカル、ギター、シンセサイザー)
カルロス・モントフォート(ヴァイオリン、トランペット、パーカッション、バックヴォーカル)
マルタ・ローマ(チェロ、トランペット、シンセサイザー、バックヴォーカル)
ボリ・アルベロ(コントラバス、シンセサイザー、バックヴォーカル)