【JAM vol.230】RON CARTER GOLDEN STRIKER TRIO | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.230】RON CARTER GOLDEN STRIKER TRIO

【JAM vol.230】RON CARTER GOLDEN STRIKER TRIO

text= Kazunori Harada

御年87歳の"Mr.ジャズ・ベース"が自身のトリオで登場
エレガントな室内楽ジャズに包まれる一夜

 1950年代後半から第一線に立ち続けるリヴィング・レジェンドの、雄姿をふたたび見られることになった。本年1月に開催されたパット・メセニー、ジョー・ダイソンとのトリオでも満場の観客を魅了したことも記憶に新しい重鎮ベーシストのロン・カーターが、この夏、20数年間続く人気ユニット"ゴールデン・ストライカー・トリオ"を率いてブルーノート東京に帰ってくるのだ。

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 10歳からチェロを学び、ハイスクール在学中にベースに転向。1959年にドラマーのチコ・ハミルトン率いるバンド(時代は異なるがチャールス・ロイドや渡辺貞夫が在籍していたこともある)で本格的なプロ入りを果たし、演奏活動のかたわらイーストマン音楽院やマンハッタン音楽院で学んだ。1963年から68年まではマイルス・デイヴィスのバンドで演奏し、ハービー・ハンコック(ピアノ)やトニー・ウィリアムス(ドラムス)と黄金のリズム・セクションを構成。『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』、『ネフェルティティ』など数多くの名盤に貢献した。現在までの総レコーディング・セッション数は2200を超え、その中にはギル・スコット=ヘロンの『ピーシズ・オブ・ア・マン』、ビリー・ジョエルの『ザ・ブリッジ』、ア・トライブ・コールド・クエストの『ザ・ロウ・エンド・セオリー』、エルメート・パスコアールの『スレイヴス・マス』等も含まれている。いかにロンの演奏がジャンルやカテゴリーを超えて求められているか、ということであろう。

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 独自に考案したメロディ楽器"ピッコロ・ベース"をフィーチャーしたロン・カーター・ノネット、躍動的なモダン・ジャズを演奏するニュー・フォーサイト・カルテット等、いくつものユニットを軌道に乗せているロンだが、このたび来日するゴールデン・ストライカー・トリオは、管楽器やドラムを廃した室内楽的な音作りが特徴。ユニット名は、やはり室内楽的なジャズを探求したピアニスト/作曲家のジョン・ルイスが書いた楽曲「ザ・ゴールデン・ストライカー」に由来する。2002年にラッセル・マローン(ギター)、マルグリュー・ミラー(ピアノ)を迎えてスタートし、2013年にミラーが他界して以降はロン、ラッセル、そしてケニー・バロンに学んだ精鋭ピアニストであるドナルド・ヴェガの3人で、トリオ・サウンドに一層の磨きをかけ続けてきた。これまでのステージではロンの入魂のオリジナル・ナンバーに混じり、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」、「ユー・アー・マイ・サンシャイン」、「バグス・グルーヴ」といった、メロディを聴けばほとんどのひとが"あ、知ってる!"と嬉しくなるであろう有名曲の数々が、実に優美に、メロディアスに奏でられていた。今回の4デイズ8セット公演でも親しみやすさ、格調高さ、温かみを併せ持つ音作りで、真夏の東京にエレガントな音の微風を送り込んでくれるに違いない。

LIVE INFORMATION

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RON CARTER GOLDEN STRIKER TRIO

2024 8.20 tue., 8.21 wed., 8.22 thu., 8.23 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/ron-carter/

<MEMBER>
ロン・カーター(ベース)
ドナルド・ヴェガ(ピアノ)
ラッセル・マローン(ギター)

<TOUR INFORMATION>
2024 8.24 sat. 【群馬】高崎芸術劇場 / スタジオシアター
https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre
2024 8.25 sun. 【東京 丸の内】コットンクラブ
https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/ron-carter/

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