【JAM vol.231】IMMANUEL WILKINS | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.231】IMMANUEL WILKINS

【JAM vol.231】IMMANUEL WILKINS

text = Kenichi Aono

明晰さと情熱が交差する音楽家イマニュエル・ウィルキンス
初となるブルーノート東京公演が実現

 2020年のデビュー・アルバム『Omega』が同年のニューヨーク・タイムズ紙のジャズ・アルバム第一位に選出され、続くアルバム『The 7th Hand』(2022)では7つの楽章----3分台から7分台の6曲と26分越えの1曲----を通じて、ディアスポラ(民族離散)の歴史を持つアフリカン・アメリカンとしての思考を前作以上に色濃く表し、高い評価を得たアルト・サックス奏者、作曲家のイマニュエル・ウィルキンス。初のブルーノート東京公演は、彼のアルバムにも参加するクウェク・サンブリー(ドラムス)を含むサックス、ドラムス、ベース、ピアノのカルテット編成でのライヴだ。

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イマニュエル・ウィルキンスの画像1

 イマニュエル・ウィルキンスはアメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィア出身。2015年よりニューヨークのジュリアード音楽院に入学、アンブローズ・アキンムシーレやジェイソン・モランに師事し、現在はブルックリンを拠点に活動している。前述のとおりソロ・デビューは2020年だが、2019年にはジョエル・ロスのデビュー作などに参加。近年では挾間美帆、コーシャス・クレイの作品でも演奏を披露している。

 先のような客演ではさまざまなタイプの音楽のなかで存在感を放っている彼だが、自身の作品ではオーセンティックなジャズの文脈に位置づけられるアプローチを展開している。わかりやすい今風な設計でなく、アフリカン・アメリカンの歴史と現在を実に明晰に読み取り、それを楽曲として構築する類い稀な作曲能力、そしてそこから湧き上がる感情、思いを楽器の音として表し、聴く者の心に訴えてくる卓越した演奏技術。このふたつが高い次元で融合しているのである。今回の公演では、彼のそんな特徴がいかんなく発揮されるにちがいない。近年のジャズのなかでも突出するこの個性、集中して耳を傾けたい。

LIVE INFORMATION

イマニュエル・ウィルキンスの画像2

IMMANUEL WILKINS QUARTET

2024 10.17 thu., 10.18 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/immanuel-wilkins/

<MEMBER>
イマニュエル・ウィルキンス(アルトサックス)
ポール・コーニッシュ(ピアノ)
リック・ロサト(ベース)
クウェク・サンブリー(ドラムス)

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