【JAM vol.232】IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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【JAM vol.232】IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE

【JAM vol.232】IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE

text = Kenichi Aono

微分音トランペットで自身のルーツを提示する
イブラヒム・マーロフがブルーノート東京初登場

 普段、我々が何気なく耳にしているポピュラー・ミュージックの多くは、西洋音楽を中心に取り入れられた「十二平均律」と呼ばれる1オクターヴを12等分した音律に則っている。この十二平均律は音同士の距離である全音(ピアノの鍵盤でいうなら鍵盤をひとつ挟んだ隣の音)と半音(同じくピアノで隣の鍵盤の音)で表され、この音律においては半音が音程の最小単位とされる。つまり1オクターヴのなかに12の半音がある、というのが十二平均律である。

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 しかし音楽=西洋音楽ではないというのはご存じのとおり。アジアや中近東などの音楽には、全音を半音よりもさらに細かく分割した「微分音」というものが存在する。この微分音(4分音)を駆使して革新的なサウンドを創造し、世界的評価を得ているのが、今回ブルーノート東京初登場となるトランペット奏者、コンポーザーのイブラヒム・マーロフだ。

 1980年、レバノンはベイルートに生まれ、パリで育ったイブラヒム・マーロフは長じてパリ音楽院に入学。さまざまな国際コンクールで賞を獲得し、ウィントン・マルサリス、アンジェリーク・キジョー、ジョン・バティステ、スティングらと共演、コラボレーションを果たしてきた。同じくトランペット奏者である彼の父が開発した微分音を奏でることができるトランペットを用いた独創的なアプローチによって、これまで幾度となくグラミー賞にノミネートされるなど、注目され続けているアーティストである。

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 今回のブルーノート東京公演は、先ごろリリースされた18作目のアルバム『Trumpets Of Michel-Ange』をタイトルに冠したもの。家族と愛をテーマに、トロンボーン・ショーティ、ゴルシフテ・ファラハニらが参加して一発録りされた迫力満点のこのアルバムは、微分音の世界を力強く提示しているが、本公演でもそのエッセンスを届けるべく、ドラムス、ふたりのギター、そしてサックスというアンサンブルに加えて、彼のほかに5名のトランペット奏者がステージに登場するという。自身のルーツに根ざした音楽で各国のアリーナを熱狂させてきたそのパフォーマンスと独特の響きを持つ微分音による豊かな表現を、この機会に間近で体験してみてはいかがだろうか。

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LIVE INFORMATION

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IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE
2024 11.22 fri., 11.23 sat., 11.24 sun.
11.22 fri.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
11.23 sat., 11.24 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/ibrahim-maalouf/

<MEMBER>
イブラヒム・マーロフ(トランぺット)
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