【JAM vol.232】COUNT BASIE ORCHESTRA
text = Kazunori Harada
御大ベイシーよ永遠なれ!
新作がグラミー賞に輝く"ビッグバンドのバイブル"が
1週間公演を開催
バディ・ガイ、ケヴ・モ、ロバート・クレイ、レデシー、ジョージ・ベンソンらを迎えた最新アルバム『Basie Swings The Blues!』が、第66回グラミー賞「最優秀ジャズ・ラージ・アンサンブル賞」を受賞。ビッグバンド・ジャズ永遠の代名詞"ザ・レジェンダリー"カウント・ベイシー・オーケストラが、この12月にウィークレジデンシー公演(7デイズ、14セット)を行う。グラミー受賞後、初の来日となるベイシー・オーケストラのステージを至近距離で満喫できるのは大きな喜びだ。
創設者はアメリカ北東部・ニュージャージー州出身のピアニスト、カウント・ベイシー(1904~1984)。楽団は1935年に中西部・ミズーリ州のカンザスシティで産声をあげ、翌36年にニューヨークへ進出するやいなや、たちまちトップ・ビッグバンドの仲間入りを果たした。去来した名プレイヤーも、近年サム・ゲンデルが"いちばん好きなサックス奏者"に挙げたことで再評価が進んでいるであろうレスター・ヤングを筆頭に、フレディ・グリーン、サド・ジョーンズ、フランク・フォスター、フランク・ウェス、ブッチ・マイルス、ジョン・クレイトン(ジェラルド・クレイトンの父)など限りなく、いささか意外なところではフレッド・ウェスリー("ジャズに取り組みたい"と、ジェームス・ブラウンやジョージ・クリントンのプロジェクトから移籍)、オスカー・ブラッシャー(ベイシー楽団を退団後、アース・ウィンド&ファイアーと合流)も在籍経験を持つ。クインシー・ジョーンズやチコ・オファリル(上原ひろみ Hiromi's Sonicwonderのトランペット奏者であるアダム・オファリルの祖父)といったアレンジャー陣も含めて、才気に富む面々が集ってきたのは疑いなくベイシー楽団の伝統だ。アドリブ・ソロ、アンサンブル、アレンジの絶妙なバランスによって醸造される黄金のスウィング感は、文字通り時代を超えてファンの心を躍らせ続けている。
今回の公演のセットリストに関しては『Basie Swings The Blues!』からの楽曲はもちろん、「キュート」、「バック・トゥ・ジ・アップル」、「オール・オブ・ミー」なども予定されているという。なにしろ14セットも開催されるので、ビッグバンド・ジャズのバイブル的な定番ナンバーから、通好みの逸品まで、幅広いレパートリーを味わえるであろうことは保証されたようなものだ。コンダクターは、2013年9月からこのポジションに就くトランペット奏者のスコッティ・バーンハートが引き続き担当する。彼のスマートな指揮ぶり、温かな吹奏に接することができるのもライヴの大きな楽しみといえよう。
ところでこの2024年は、創設者ベイシーの生誕120年&没後40年にもあたる。記念すべきダブル・アニバーサリー・イヤーのしめくくりに、"現在の"ベイシー・オーケストラをナマで楽しみつつ、楽団の築いてきた偉大な軌跡に思いを馳せる-----ジャズやブルースを好きでよかった、ビッグバンドを好きでよかったと強く感じさせてくれること必至のステージを届けてくれるに違いない。
LIVE INFORMATION
THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA
directed by SCOTTY BARNHART
"BASIE SWINGS THE BLUES"
2024 12.6 fri., 12.7 sat., 12.8 sun., 12.9 mon., 12.10 tue., 12.11 wed., 12.12 thu.
12.6 fri., 12.9 mon., 12.10 tue., 12.11 wed., 12.12 thu.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
12.7 sat., 12.8 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/count-basie/
<MEMBER>
スコッティ・バーンハート(コンダクター、トランペット)
デイヴ・グラッサー(アルトサックス、フルート)
スタンタウン・ケンドリック(アルトサックス、フルート)
ダグ・ミラー(テナーサックス)
ダグ・ローレンス(テナーサックス)
ジョシュア・リー(バリトンサックス)
フランク・グリーン(リードトランペット)
ショーン・エドモンズ(トランペット)
ジョン・ムーア・ジュニア(トランペット)
エンドレ・ライス(トランペット)
クラレンス・バンクス(トロンボーン)
イスレア・バトラー(リードトロンボーン)
マーティン・マケイン(バストロンボーン)
マーク・ウィリアムズ(トロンボーン)
レジー・トーマス(ピアノ)
ウィル・マシューズ(ギター)
トレヴァー・ウェア(ベース)
ロバート・ブーン(ドラムス)