【来日直前インタビュー】DIANNE REEVES | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

News & Features

【来日直前インタビュー】DIANNE REEVES

【来日直前インタビュー】DIANNE REEVES

最高峰ヴォーカリスト、ダイアン・リーヴス
7年ぶりとなる来日へ向け今の想いを語る

ジャズ・ヴォーカル界を牽引する女王、ダイアン・リーヴスが、近年日本の拠点にしているブルーノート東京に7年ぶりに帰ってくる!ダイアンの音楽はジャズを基盤に、ゴスペル、オペラ、ソウル、そしてアフリカ音楽の影響を受け拡張し、広い層の音楽ファンを魅了し続けています。大地を感じさせる、あの温かい歌声!アフリカン・スキャットを歌えるのは、ダイアン・リーヴスしかいません。来日直前のダイアン自身が語るブルーノート東京公演に向けた抱負・音楽観をご一読ください。

Interview & Text = Yo Nakagawa 
Live Photo = Yuka Yamaji

READ MORE

――ダイアンさん、あなたのヴォーカル・スタイルに大きな影響を与えたアーティストは誰ですか?あなたの歌にどのように影響を与えているのでしょうか。

「特定のアーティストというよりも、私に最も影響を与えたのは、音楽家が多い家に生まれたことです。これは特筆すべきことで、我が家は世代を超えたミュージシャンの集まりでした (叔父にチャールズ・バレル[b]、従兄弟にジョージ・デューク[key, producer])。ですから、祖父母の代からの音楽を私も家で体験し、継承してきました。音楽的な歴史を総合的に理解することが、強固な基盤を作る手助けになり、未来の可能性を考える助けになったと思います」

――ダイアンさんは、歌のストーリーを語る名手です。歌詞を解釈して聴衆に伝えるプロセスを共有していただけますか?あなたのような深いストーリーテリングをするために、アドバイスがあったら教えて下さい。

「私はいつも自分の心を揺さぶる曲に惹かれます。それから、私が聴いて下さる方々に何をインスパイアできるのかを探求します。私の探求は、歌詞を分解しながら、次のような質問を自分に投げかけることから始まります...<歌の主人公である私はどんな人間なのか?どこに住んでいるのか?何を言おうとしているのかしら?誰に言っているのか?> この作業により、私が表現しているものをお客様に実感していただく"サブテキスト"を作成することができます。このプロセスを丁寧に行なうことで、音楽へのアプローチとストーリーテリングに影響力をもつようになります」

――グラミー賞を5回も受賞されたことについて、どう感じていますか?あなたのキャリアに、どのような影響をもたらしましたか?

「本当に嬉しく、素晴らしい経験でした。グラミーを受賞したすべてのプロジェクトが、私にとって非常に大切なものなのです。自分のアルバムを世に出す時、ワクワクして、<どう聴衆に受け入れられるか、あるいはその先に受賞などがあるかしら>と夢想します。初めてグラミー受賞の夢が叶ったときは、まさしく天国に昇った気分でした」

――ブルーノート東京でのコンサートに向けて準備を進める中で、特に楽しみにしていること、お客様に伝えたいメッセージはありますか?

「日本に行くのは久しぶりなんです。日本の聴衆は耳がいいと思いますが、ブルーノート東京のお客様は、特にニュアンスや微妙さに対しての感度が高いと感じますね。ブルーノート東京では、いつも以上に親密な体験を共創することができるものですから、訪れるのが毎回楽しみでなりません。お客様、スタッフの皆さんがいつも暖かく迎えてくれることに、心から感謝しています」

ダイアン・リーヴスの画像1

――音楽業界は常に変化していますが、ダイアンさんの素晴らしい点は、新しいシンガーや女性ミュージシャンをSNSなどで積極的にサポートしていることです。以下の歌手に対するあなたの印象を教えてくださいますか。サマラ・ジョイ、セシル・マクロリン・サルヴァント、エスペランサ・スポルディング、ジェイコブ・コリアーなど。いかがでしょうか?

「あなたが挙げたすべての歌手が、素晴らしいですね!彼女たちは音楽に対するアプローチが独自で、新鮮で、かつ本物だからです。サマラ、セシル、エスペランサとは共演したことがあり、今や仲良しですが、ジェイコブにはお会いしたことがありません。ただ、彼の素晴らしい作品群はよく知っていて、大好きですよ! 今の時代は、豊かな才能が溢れていると思います。ハープのブランディー・ヤンガー、トランペッターのサマー・カマルゴ、サックス奏者のレイクシア・ベンジャミンなど、多くの輝く才能が活躍しています。ジャズの未来は非常に明るく、こういった新しい世代を目の当たりにして、私はとても嬉しいのです。見ていても、聴いていても、ワクワクします!」

――あなたのキャリアの中で、特に記憶に残るコラボレーションをご教示下さい。

「一つ挙げるとしたら、アルバム『Beautiful Life』を制作したことですね。心に残る素晴らしい経験でした。なぜなら、私の非常に親しい友人であるテリ・リン・キャリントンがプロデュースしてくれた作品だからです。私はテリが10歳の頃から知っているので、多くの経験を共有してきたんですね。そして、多くのプロジェクトで共働してきました。こういう関係性は特別なものだと感じています」

――今後のプロジェクトについて教えてください。

「東京を離れた後は、上海のジャズ・フェスティバルに参加し、その後ロンドンのジャズ・フェスティバルに向かいます。それが終わったら、ちょっとだけ帰国しますが、すぐにホリデーシーズンのために"Christmas Time is Here" ツアーが始まります。そんな忙しい年末になりますが、まずは東京に行くことが楽しみです。皆さま、お待ちしていますので、ぜひブルーノート東京にいらして下さいね!」

LIVE INFORMATION

AMARO FREITAS Y'Y

DIANNE REEVES
2024 11.4 mon., 11.5 tue., 11.6 wed.
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/dianne-reeves/

<MEMBER>
ダイアン・リーヴス(ヴォーカル)
ジョン・ビーズリー(ピアノ、キーボード)
ホメロ・ルバンボ(ギター)
ルーベン・ロジャース(ベース)
テリオン・ガリー(ドラムス)


中川ヨウ(なかがわ・よう)
音楽評論家、ジャズ研究者@慶應義塾大学アートセンター。
'80年代から、ジャズを核にジャンル、国境を超える音楽の応援で高い評価を得てきた音楽評論家/ ジャズ研究者。21世紀の"グローカル"(グローバル+超ローカル)な音楽についての知見も深い。慶應義塾大学アートセンター、油井正一アーカイヴ【拡張するJazz公開研究会】で学生、一般の音楽愛好家とジャズ考察を続けている。洗足学園音楽大学名誉教授、ミュージック・ペンクラブ・ジャパン理事。
#JazzMovesOn

RECOMMENDATION