【JAM vol.234】RHIANNON GIDDENS
text = Kenichi Aono
アメリカン・ルーツ・ミュージックの豊潤な魅力を今に伝える
リアノン・ギデンズの力強い歌声
近年の「アメリカーナ」という呼称の浸透で、より多くの人が関心を寄せるようになったアメリカン・ルーツ・ミュージック。ゴスペルやブルース、フォークソング、ブルーグラス、カントリーといったアメリカ生まれの音楽を内包するこのアメリカン・ルーツ・ミュージックをバックグラウンドにした活動でワールドワイドに知られているのが、シンガー・ソングライターでマルチ楽器奏者のリアノン・ギデンズだ。
リアノン・ギデンズは2006年に結成されたアフロ・アメリカン・ストリングス・バンド、キャロライナ・チョコレート・ドロップスのオリジナル・メンバー。同バンドで第53回グラミー賞「ベスト・トラディショナル・フォーク・アルバム」を受賞し、2015年にはソロ・デビュー・アルバム『トゥモロウ・イズ・マイ・ターン』を発表、2023年の3作目のソロ作『You're The One』では、現代のポピュラー・ミュージックにグッと接近しながら、逆説的にアメリカン・ルーツ・ミュージックの魅力と強度を体現するという離れ業をやってのけた。現在はヨーヨー・マが創立した「シルクロード・アンサンブル」のアーティスティック・ディレクターを務め、またイタリア出身のマルチ楽器奏者、フランチェスコ・トゥリッシとのコラボレーション作『They're Calling Me Home』(2021)では2度目となるグラミー賞に輝くなど、八面六臂の活躍をみせている人物だ。
今回のブルーノート東京公演は、先に触れたフランチェスコ・トゥリッシ(ピアノ、アコーディオン、タンバリン、フレーム・ドラム)とジェイソン・サイファー(ベース)、そしてスペシャル・ゲストとしてニューヨークを拠点に活動するアメリカ生まれの作曲家、演奏家、渡辺薫がパーカッションと笛で参加。リアノン・ギデンズはヴォーカル、バンジョー、ヴァイオリンを担当するという。アメリカン・ルーツ・ミュージックというと構えてしまう方もおられるかもしれないが、そういった人にこそ、彼女の力強い歌声と音楽的な豊潤さを体験してもらえたらと思う次第である。
LIVE INFORMATION
RHIANNON GIDDENS & FRANCESCO TURRISI
with special guest KAORU WATANABE
2025 3.1 sat., 3.2 sun., 3.3 mon.
3.1 sat., 3.2 sun.
[1st]Open3:30pm Start4:30pm [2nd]Open6:30pm Start7:30pm
3.3 mon.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/rhiannon-giddens/
<MEMBER>
リアノン・ギデンズ(ヴォーカル、バンジョー、ヴァイオリン)
フランチェスコ・トゥリッシ(ピアノ、アコーディオン、タンバリン、フレームドラム)
ジェイソン・サイファー(ベース)
Special Guest:
渡辺薫(パーカッション、フルート)